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フリジアンスケール~その2~/フリジアンの重要ポジション

どうも、大沼です。

前回の記事に引き続き、「フリジアンスケール ~その2~」
と言う事で、やっていきましょう。

今回は、フリジアンスケールの

『覚えておくべき重要ポジション』

について学びます。

各スケールの把握には、様々な面からのアプローチが
考えられますが、やはりギターの構造的にも、

『とりあえず、指板上でのスケールの形をさっさと覚えてしまう』

というのが、一番効率が良いですからね。

個人的な体感としても、

1、スケールポジション(形)を確認する(≒覚える)

2、インターバルを確認する(≒覚える)

3、繰り返し弾く内に耳でも覚える

というプロセスを経ている感覚があります。
(「≒覚える」というのは、別に完璧に覚えていなくても
先に進むことが多い、というニュアンスです)

この様な作業を、色々なスケール(やコードワークでも)でやっていく内に、
上記の3つのプロセスが、ほぼ同時に成せるような状態になってきます。

そして、そういうことを繰り返していくと、俗に言う、

『プレイを聴いただけで何をやってるのかがわかる』

という状態に、段々と近づいていくわけですね。

リディアンの響きが自分の体に入っていれば、聴いただけで
『あぁ、リディアンだな』とわかるし、それはドリアンでも、
ハーモニックマイナーでも、はたまたペンタでも同じです。

さらに、その人の奏法ロジックが早い段階で分析できるので、
「こういうこと考えて弾いてるんだろうなー」と、コピーしたい人の
プレイスタイルを掴むスピードが上がります。

とまあ、色々と書きましたが、要するに、

『覚えるべき事はしっかりと覚えて、それらをじっくりと身体に入れていけば、
色々な事が出来る様になったり、わかる様になったりしますよ~』

と、言うことです。

なんか最後だけ軽~くなりましたね。まぁいいか。笑

さて、ではまず、前回の復習からいきましょう。

前回の内容を簡単におさらいすると、

・フリジアンスケールはm3rdを含むマイナー系のスケールである
・フリジアンスケールのインターバルについて
・ナチュラルマイナースケールとフリジアンスケールの違い
・フリジアンは『m2nd』が特性音(であると同時にアボイド・ノート)

と、この辺りを学びましたね。

それらを踏まえた上で、今回は、
指板上でのスケールポジション(視覚的なスケールの形)
をいくつかマスターしましょう。

前回は、ナチュラルマイナースケールが一番見やすくなる、
トニックをA音にして、ナチュラルマイナーとフリジアンを
見比べました。

ですが今回は、E音をトニックにして
フリジアンスケールのポジションを見て行きたいと思います。

なぜ、トニックをE音にするのか?についてですが、
過去に学んだ、key=Cのダイアトニックスケールである、
Cメジャースケール(Cアイオニアンスケール)と、
構成音が同じになるから、ですね。

Cアイオニアンから連なるモード・スケールとして、

Ⅰ、Cアイオニアン
Ⅱ、Dドリアン
Ⅲ、Eフリジアン
Ⅳ、Fリディアン
Ⅴ、Gミクソリディアン
Ⅵ、Aエオリアン
Ⅶ、Bロクリアン

と、7種類のスケールが導きだされますが、
この一環としてEフリジアンを把握してしまおう、
という試みです。

とまあ、なんだかんだ、面倒な言い回しをしましたが、
普通に「E音をトニックにフリジアンスケールのポジションを覚えよう」
と言う事なので、難しく考えなくて良いです。笑

それでは一つ目のポジション、いってみましょう。

図1、フリジアンスケール重要ポジション、6弦ルート

フリジアン2-1

(※画像は全てクリックで拡大できます)

ここは6弦にトニックを見た代表的なポジションですね。

上の図は左手のストレッチ無しのポジションですが、例えば、
スリーノート・パー・ストリング(1本の弦上で3音ずつ弾くパターン)
ならばこの様に見ます。

図2、フリジアンスケール重要ポジション、6弦ルート

フリジアン2-2

どちらも、弾き方は何でも良いので、自分の知っている
色々なパターンで練習してみてください。
(過去記事の譜例を参考にして、自分で考えてみましょう)

あと、まったく同じ形が、6弦解放のE音を基準にした
ポジションでも見ることが出来るので、そちらも弾いておきましょう。

次は5弦ルートです。

図3、フリジアンスケール重要ポジション、5弦ルート

フリジアン2-4

こちらの5弦ルートのポジションは、トニック→トニックでわかりやすい、
スリーノート・パー・ストリングのこのポジションから弾いてみましょう。

この他にも、いくつか覚えておくべき候補はあるのですが、
まずはこれだけでも十分です。

5弦ルート、6弦ルート、どちらの基準のポジションでも、
ある程度形を覚えたら、インターバルも確認しておきます。

実は、指板上でトニックに対するインターバルの位置(見方)が
全てわかっていると、初めて弾くスケールでもあっという間に
覚えられたりするので、(インターバルの把握は)かなり大事だったりします。

その辺りは、一気に全て覚えようとせずに、色々なトレーニングを繰り返していく内に
自然に見える様になってくるので、地道にやっていれば大丈夫です。

それでは、今回最後のポジション図なのですが、フリジアンの左右にある、
隣合ったモード・スケールと、ぱっとポジションを行ったり来たりする、
というものを弾いてみましょう。

図4、ドリアン、フリジアン、リディアンの位置関係

フリジアン2-3

これは、フリジアンを中心に、左右にある、
ドリアンとリディアンのポジションを表したものです。

この3つのスケールを通して弾ける、というか、
自由に行ったり来たり出来るように練習します。
(最終的にはチャーチ・モード7種類全てでやります)

これが出来る様になると、左手が指板上を駆け巡ることが出来る様になるので、
1つのポジション内でしか弾けない、と言う事が格段に減ります。

今回は6弦ルートの図しか載せていませんが、
同じ事を5弦ルートのポジションでもやっておきましょう。

結局、Eフリジアンを弾ける、と言う事は、

Ⅰ、Cアイオニアン
Ⅱ、Dドリアン
Ⅲ、Eフリジアン
Ⅳ、Fリディアン
Ⅴ、Gミクソリディアン
Ⅵ、Aエオリアン
Ⅶ、Bロクリアン

の7種類が弾けるのと同じことですよね。

後はkeyやコードにあわせて、それぞれのトニックを当てはめれば、
まったく同じ形でスケールが弾ける事になります。

スケールポジションを1回覚えてしまえば、後はトニックをずらせば
どうにかなる、というのがギターの便利なところです。

もちろん、それぞれのスケールをそのスケールらしく聴かせる弾き方、
というのもありますが、まずはポジション(形)とインターバルを把握していて、
のことです。

スケールは日々のウォーミングアップに組み込んで丁寧に弾いていれば、
意外と早く頭に入っているの物なので、焦らず行きましょう。

それでは、今回は以上になります。

次回はフリジアンの使い方として、
サンプルフレーズを紹介したいと思います。

続きます!

大沼

P.S.

最近の記事は、これまでやってきたことを踏まえて書いているので、
解説が抽象的で微妙にわかりにくいかもしれません。

そういった場合は、過去記事で復習するか、もし持っていれば
理論書などと照らし合わせながら練習してみましょう。

それでも「ようわからん」という場合は、
お問い合わせページやコメントから質問してくださいね。

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



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音楽を学ぶ事の楽しさを~


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音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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