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【ギターと音楽の教科書】vol.30『楽曲の成り立ちを考えてみる ~その2~』

【vol.30】楽曲の成り立ちを考えてみる ~その2~

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※前回vol.29はこちら

こんにちは、大沼です。

『楽曲の成り立ちを考えてみる~その2~』と言う事で、今回もやっていきましょう。

前回は、ダイアトニックコードの基本的な考え方の解説で終わってしまいましたが、今回こそは、課題曲に入っていきたいと思います。

と、言いつつも、テキストを作ってみたら、イントロの4小節しか進まなかったんですが・・・。

まあこれも、極力細かく解説している代償だと思ってもう、じっくりとやって行くことにしましょう。

その解説も、最近覚えたばかりの音楽用語のオンパレードで、文章がややこしくなってますし。

何事も最初が肝心ですからね。

さて、前回の内容をざっと確認しておくと、『let it be』という楽曲は、

・key=Cである

・key=Cなので、Cメジャースケールがこの曲の基準スケールとなる

・主にkey=Cのダイアトニックコードである、C、Dm、Em、F、G、Am、Bm♭5の
 7つのコードで構成されている

と、こう言うことでした。

これらを踏まえた上で、早速、実際のコード進行を確認していきましょう。

まずはイントロからです。細かくピアノの音の動きを採ると、もうちょっとコード表記を動かしてもいい気もしますが、理論をわかりやすくするために、シンプルにしたものを見ていきます。

※『Let it be』 0:00~

譜面の通り、大きくは2拍ごとのコードチェンジです。

見ての通り、Cキーのダイアトニックコードの中から、C、G、Am、Fのコードが使われています。

この曲のことをまったく知らない状態でも、理論がわかっていると、このコード進行を見ただけで曲のkeyが判別できてしまいます。
(※少なくともこの4小節間の部分は)

なぜなら、この種類のコードの組み合わせが出てくるキーはCキーしかないから、ですね。
(※わかる人にはわかると思いますが、Amキーについてはマイナーキーの解説の時にやります)

ここでもう一度、Cキーのダイアトニックコードを見てみましょう。

1、C
2、Dm
3、Em
4、F
5、G
6、Am
7、Bm(♭5)

この中のコードの種類に注目してみると、

メジャー系のコードが、C、F、Gの3つ。(※4和音ならばCM7、FM7、G7)

マイナー系のコードが、Dm、Em、Amの3つ。(※4和音ならばDm7、Em7、Am7)

マイナー♭5のコードが、Bm(♭5)の1つ(※4和音ならばBm7(♭5))
※Bm♭5もマイナー系のコードですが、とりあえず今は分けて考えておきましょう。

ですね。

そのkeyとスケールに対応したダイアトニックコードというものは、仕組み上必ず、

メジャー系のコードが3つ、マイナー系のコードが3つ、マイナー♭5のコードが1つ、

と、このような数に分かれます。
(※通常のチャーチ・モード準拠の曲であれば)

これは基本的な仕組みとして、文字通り『必ず』こうなります。

これをベースに、必要に応じて特殊なコードアレンジをしたりしなかったりするわけですが、それは、最初にこのルールがあってのものです。

この辺り、重要な事なので、もう少し、詳しく見ていきましょうか。

まず、keyが決まって(決めて)、それと同時に、そのkeyに対応したスケールが決まりますね。

例としては、いつも通り、key=Cで、対応するスケールはCメジャースケールでいきましょうか。

次に、Cメジャースケールの構成音を、トニックであるC音から順番に並べます。

1、C
2、D
3、E
4、F
5、G
6、A
7、B

構成音は7音なのでこうですね。

ここから、前回解説した、Cメジャースケールのそれぞれの音をルートにして、
1音おきに音を重ねてコードを構成すると、

1、C    (CM7)
2、Dm   (Dm7)
3、Em   (Em7)
4、F    (FM7)
5、G (G7)
6、Am (Am7)
7、Bm(♭5) (Bm7(♭5))

と、自然とこのようになるわけです。

これはトーナル・センターをどの音にして、どのメジャースケールに当てはめてみても、この順番でこのコード群が出来上がります。

試しに他のkeyでもやってみましょう。

他にもう1つ、とある楽曲があったとして、key=Eだとしましょうか。

Eキーということは、基準スケールはEメジャースケールですよね。

トニックであるE音から、メジャースケールの全全半全全全半のインターバルで
音を並べるとこうなります。

1、E
2、F♯
3、G♯
4、A
5、B
6、C♯
7、D♯

要するに、Eメジャースケールの構成音は、E、F♯、G♯、A、B、C♯、D♯の7音である、ということですね。※(ギターの指板上で確認してみましょう)

で、この構成音をルートに、音を積み重ねて、Eキーのダイアトニックコードを構成すると、

1、E
2、F#m
3、G#m
4、A
5、B
6、C#m
7、D#m(♭5)

と、こうなるのです。

こうなるのです、と言われても・・・、と思うかも知れませんが、自然とこうなってしまうのですね。

先にも書きましたが、どの音をトーナル・センターにしても、必ずこのダイアニックコードの構成になります。(※メジャーキーの場合)

仕組み的にここまで限定されるのですから、まったく知らない曲でも、ベース音やコードを2つ3つ聴き取れれば、かなりの確率でその曲のkeyがわかります。

この様な音楽の構造があるので、let it beという曲自体を知らなくても、耳コピと音楽理論の複合技で、キー判別から曲全体のコピー、把握へと繋がるのです。

とまあ、この一曲だけを見てみても、まだあまり実感が湧かないかもしれませんが、今後も引き続き、色々な楽曲で理論の使い方やコード分析の内容はやっていきますので。

というか、まだlet it beも全部終わっていないですしね。

では、短いですが、今回は以上になります。

今回学んだ事としては、

『keyと、そのkeyの基準スケールからのダイアトニックコードの導き方』

ですね。

まだまだ知識の扱いに慣れないかもしれませんが、こう言った事をずっと考えて音楽をやってると、キーを確認しただけで、パッと7つのダイアトニックコードが頭に浮かぶようになったりします。

初期段階では、コピーや作曲をしていてキーを決めたら(分かったら)、ノートなどに書き出して、パッと見れるようにまとめておくといいですね。

今回例に挙げた、CとE以外のキーでも、同じ様にダイアトニックコードを割り出してみましょう。

ではまた次回。

ありがとうございました。

大沼

※次回vol.31はこちら

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名前:大沼俊一

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