【vol.27】インターバルについて詳しく~その1~
(※この記事の講座を含む、現在プレゼント中の教材(総数10講座~、合計1000p~)は、こちらのページから完全無料でダウンロードが可能です)
こんにちは、大沼です。
ここ2回ほど、楽曲のkey(キー)について解説していましたね。
これまで学んだkeyの基本概念をまとめると、
・keyとはその楽曲の基準となる1音(トーナルセンター)と、音階(スケール)を表したものである。
・メジャーキーの場合は、そのトーナルセンターをトニックとしたメジャースケール、マイナーキーの場合は、そのトーナルセンターをトニックとしたマイナースケールがそれぞれ基準となるスケールになる。
・楽曲はそのkeyに対応したスケール(の構成音)で大半が構築されている。
と、この3つでした。
基本的な捉え方としては、上記3つのポイントだけでkeyそのものの意味としては十分です。
このkeyの概念を基本にして、その上で、今まで学んできたスケール、コードの知識を組み合わせることにより、楽曲の分析の方法や、アドリブ、作曲、アレンジなどの手法を考えて行けるようになります。
それと、keyの意味していることとして、ひとまず上の3つからははずしておいたんですが、keyにはメジャーとマイナーがありますよね?
前の解説では、ざっくりと、
・メジャーキーは明るい雰囲気(音楽的な響き、感じ)のキー
・マイナーキーは暗い雰囲気(音楽的な響き、感じ)のキー
と説明していたと思います。
これはこれで正しいんですが、音楽理論の解説としてはちょっと言葉が足り無すぎたりもします。
この辺りのちゃんとした説明はもう少し後でやりますので、今は、
メジャーキー=明るい、マイナーキー=暗い
の捉え方でOKです。
まあ、正確な解説といっても、基本的な音楽理論は、
『(先に音、音楽があって)それを聴くと、大多数の人はこう感じますよ』
ということを、後付けでまとめたものなので、メジャー=明るい、マイナー=暗い、でも、とりあえずは大丈夫なのですが。
さて、keyの基礎について一段落したところで、今回はタイトルの通り『インターバル(interval)』について詳しくやっていきましょう。
ここを理解していると、上級者が、
・なぜコードネームを見ただけでそのコードが押さえられるのか?
・なぜオリジナルのコードフォームを作れるのか?
・なぜ各スケールの違いがわかるのか?
・なぜアドリブなどで、その時鳴らして良い音とダメな音がわかるのか?
と、そういったことが理解できます。
インターバルについてはvol.18でも少し解説しましたが、今回はその内容を詳しく学び直します。
もしかしたら、今回のテキストを見て、
「こんなに覚えなきゃならないのかよ・・!」
と、思うかもしれません。
というか、最近の、スケールやらkeyやらコードやらの内容で、とっくにそう感じているかも知れませんが。笑
僕自身も学生の頃、新しいことを覚えれば覚えるほど、やらなきゃならない事が次々と見えてきて、唖然とした記憶があります。
でも、続けていたら、いつの間にか頭に入っていました。
いつも言っていることですが、焦らずひとつずついきましょう。
必ず、「あの時頑張ってよかった」と思うときが来ますので。
ではやっていきましょう。
まず、『インターバルとは何なのか?』についてなんですが、これは、
『とある音と音の距離(どれだけ離れているのか?)を数字(とアルファベット)で表したもの』
でしたね。
そもそも英単語としての「interval」の意味は、「間隔」や「合間」なので、その単語を音楽では、「音と音の距離(間隔)」としているワケです。
vol.18では、Cメジャースケールを例に、インターバルの基本的な考え方を学びました。
その時の図をもう一度見てみましょう。
図、2弦上で見る、Cメジャースケールとインターバル
見ての通り、ダイアトニックスケール(7音構成のスケール)である、Cメジャースケールの各構成音に1~7までの数字を振っていますね。
トニックであるC音の”1オクターブ上のC音”まできたら、そのC音は8番目の音とも言えるし、また1番目に戻った、とも言えます。
これはどちらでも捉えられるようにしてください。
さて、おそらくあなたは、今まで使ってきたスコアやコード表などで、「♯9」とか、「♭5」といった表記を見たことがあるかと思います。
正直なところ、結構な頻度で出てくるはずですが、理論を学んでいない人の場合、そう書かれていても、さっぱり意味がわからないでしょう。
今回はその辺りの詳しい解説ですね。
基本的には単純な事ですので。
ではまず、そもそもとして、「♯」は、その記号が付いている音を半音上げる表記ですね。
「C♯」だったら、C音を半音上げる、ということです。
さっきの図なら、2弦1フレットC音の半音上の音になりますね。
逆に、「♭」は、その記号が付いている音を、半音下げる事を示しています。
例えば「G♭」ならば、先ほどと同じ図で言うと、2弦7フレットの音になるわけです。
と、これらの♯と♭の基本的な意味を再確認したところで、インターバルの数字の話に戻りましょう。
今回も例に挙がっているのは、皆さんおなじみ、最も構成を理解しやすいであろうCメジャースケールですね。
vol.18で学んだCメジャースケールの各構成音に、インターバル的な数字の呼び方をつけるとこうでした。
まず、CDEFGABの順に1234567です。
そうして次に、音楽用語として、各数字の本来の呼び方はこのようになっていましたね。
※Cメジャースケールの場合
1、C音→『トニック』、『1st(ファースト)』(コードの場合はrootとも呼ぶ)
2、D音→『2nd(セカンド)』
3、E音→『3rd(サード)』
4、F音→『4th(フォース)』
5、G音→『5th(フィフス)』
6、A音→『6th(シックス)』
7、B音→『7th(セブンス)』
※8、C音→『オクターブ(orトニックor1st)』
見ての通りで、数字の呼び方は英語のそれですね。
じゃあ先ほど出てきた様な『♭5』などの表記。
これをどう捉えたらよいのか?
先ほど「♯は半音上げる」「♭は半音下げる」とお話ししましたね。
色々と説明してきましたが、ここまでの内容を全て理解できているならば、きっとあなたはこの質問に答えられるはずです。
『CメジャースケールのトニックであるC音から見て、「♭5」にあたる音名を答えよ』
と。
CメジャースケールのトニックはC音。
Cメジャースケールの5番目の音はG音。
C音から見て5番目の音であるG音は5thと呼ぶ。
「♭」の表記はその音を半音下げるということ。
ならばトニックであるC音から見た『♭5』とは・・・。
と、こういうことです。
もうわかりますよね?
CメジャースケールのトニックであるC音から見て、「♭5」にあたる音は「G♭音」です。
このように「♭」とか「♯」などの一見わかりにくい表記も、こういった基本のインターバルから半音上下させただけのものです。
と、ここまでが前置きなんですが、もう一度、今回のサンプルである、2弦上のCメジャースケールの図を見てみましょう。
Cメジャースケールの構成音の7音の左右には、大方、1フレット分のスキマがありますね。
Cメジャースケールの構成音を基準として、1234567の番号を振った場合、♯や♭がつく音は、さっきの「♭5」の例のように、大体、この赤丸の場所の音になりますよね?
C音がトニックのスケールの「♯5」にあたる音と言ったら、2弦9フレットのG♯音になるわけです。
と、言うことで、長くなりましたが、これらの概念を踏まえた上で、今回の本題、『インターバルの正式な呼び方』を学んでいきましょう。
具体的には、さっき復習したvol.18の、
※Cメジャースケールの場合
1、C音→『トニック』、『1st(ファースト)』(コードの場合はrootとも呼ぶ)
2、D音→『2nd(セカンド)』
3、E音→『3rd(サード)』
4、F音→『4th(フォース)』
5、G音→『5th(フィフス)』
6、A音→『6th(シックス)』
7、B音→『7th(セブンス)』
※8、C音→『オクターブ(orトニックor1st)』
↑これの正確な呼び方を覚える、と言う事になります。
インターバルには、1~7(8)までの通常のものと、さらにその上のテンション(9th、11th、13th等)がありますが、今回は1~7(8)までの数え方で、テンションは次回、と2回に分けます。
量が多いとワケがわからなくなりますからね。
いつもの事ですが、相変わらずCメジャースケールを例にしていることは、常に頭において置いてください。
音楽理論的にもメジャースケールは全ての基準であり、なにを解説するにしても、最も理解しやすいものです。
ではいきましょう。
まず、Cメジャースケールの1番目、C音ですが、これは変わりません。
スケールやコードの基準となる第1音として、スケールならば『トニック』もしくは『1st』です。
※コードならば『ルート』(もしくは1stと見ても問題なし)
次に第2音、(CメジャースケールならD音)
これは、2種類あります。
トニックの半音上の音が『m2nd(マイナーセカンド)』
トニックの全音上(1音上)の音が『M2nd(メジャーセカンド)』
と、インターバル的にはこのように呼びます。
次に第3音。
これも2種類。
トニックの1.5音上(3フレット上)の音が『m3nd(マイナーサード)』
トニックの2全音(4フレット上)の音が『M3nd(メジャーサード)』
これは以前、2種類の3rdの把握でやったので、理解しやすいかと思います。
次の第4音。
この第4音はテンションとしては11thにあたる音です。
(※意味がわからなかったらvol.18を復習してください)
テンションである11thとして見る時は2種類を頻繁に見ますが、第4音として見る時は、(一定以上、複雑な音楽でなければ)大方、1種類だけです。
トニックの2.5全音上(5フレット上)の音が『P4th(パーフェクトフォース)』
さて、新しい用語として、『パーフェクト~』というものが出てきましたね。
これについてざっくり説明すると、トニックの音とその音の音波の周波数比率を対比した時、特に単純な数字になる(1:1、1:2、2:3、3:4など)ものに『パーフェクト(P)』の文字がつきます。
まあ、普通に音楽を楽しむ分には、呼び方さえわかっていれば、この辺りの理由は別に覚えていなくても構いません。
ただ、もう少しだけ説明すると、2つの音の音波の周波数比が整っていれば整っているほど、その2音を同時に鳴らしたとき、綺麗に響くよね、ってことです。
逆に、2つの音波の周波数が整っていなければ整っていないほど、その2音を同時に鳴らすと、綺麗に響かない、となるわけです。
(※と、西洋音楽では考えられてきたようです)
だから『パーフェクト』。この程度の解釈で十分ですので。
(※ちなみに1度(1st)も、全く同じ音程の2つの音の距離(例えば同じ高さのCとC)を、『完全1度(P1st)』の音程と呼びます。ですがこれについては『ユニゾン』の呼び方の方が馴染みがあるかもしれませんね)
では、次にいきましょう。
第5音。これは3種類が良く出てきます。
まずは基準の『P5th(パーフェクトフィフス)』。
トニックの3.5全音上(7フレット上)の音です。
そしてその左右(音程的には上下)に、『♭5』と『♯5』。
『♭5』の事を、もう1つの呼び方(捉え方)として『dim5th(ディミニッシュドフィフス)』
『♯5』の事を、 もう1つの呼び方(捉え方)として『aug5th(オーギュメテッドフィフス)』
どちらかと言えば、♭5、♯5の方が略称でしょうか。
コード表記としては、例えば『Cdim(Cディミニッシュ)』や『Caug(Cオーギュメント)』というモノがありますよね。
これは、元々のCルートのトライアド、C、E、GのP5thである、G音を半音動かしたコードになります。(※Cdimの場合は元はCmコードで構成音はC、E♭、G)
なので『Cdim』のコードならば構成音はC、E♭、G♭、『Caug』のコードならば、構成音はC、E、G♯となります。
(※実は4thにもaugとdimの音程がありますが、そこまで出てこないと思うので、それについては頭の片隅にでも置いといて下さい)
第6音にいきましょう。
第6音は2種類。
トニックの4全音上(8フレット上)の音が『m6th(マイナーシックス)』
トニックの4.5全音上(9フレット上)の音が『M6th(メジャーシックス)』
となります。
さて、ここで湧き上がるであろう疑問として、『♯5(aug5th)とm6thって同じ音じゃね?』ということがあると思います。
これについては、『5th側から見るか、6th側から見るか』によって同じ音でも捉え方が変わるんですね。
この内容は、どちらかというとスケールとコードに関係した話になるので、とりあえず今は、両方の見方で捉えられるようにしておいてください。
最後に第7音。
これも2種類です。
トニックの5全音上(10フレット上)の音を、『m7th(マイナーセブンス)、もしくは♭7th(フラットセブンス)』
トニックの5.5全音上(11フレット上)の音を『M7th(メジャーセブンス)』
と、呼びます。
これについては、今知っている7thコードを確認してみるとよくわかると思います。
例えばCM7ならばM7thであるB音が、Cm7もしくはC7等であれば、m7thであるB♭音が含まれているはずです。
この辺り、高い音になればなるほど、『トニックから何音下か?』で数えた方が見やすくなってきたりもしますが。
(※M7thはトニックの半音下、m7thは全音下の音、の様な感じで)
さて、結構なボリュームになりましたが、今回は以上です。
これらの、インターバル把握の練習法としては、まずやる事として、今回やったような『1本の弦の上で確認する』と言うのが基本でしょう。
要するに、トニックの場所(音)を決めて、1音ずつ、音名とインターバル名を言いながら弾いていきます。
例えばCトニックで見るならば、
『C、トニック、D♭、マイナーセカンド、D、メジャーセカンド・・・」
と言ったような感じで。
一見バカみたいに思えるかも知れませんが、この練習が一番効きます。笑(※特に最初は)
ある程度、継続してやってみてくださいね。
で、この1本弦上での確認を「横の確認」とするならば、次に行うのは「縦」の確認です。
適当なトニックとスケールポジションを選び(最初はCメジャースケール推奨)、同じように音名とインターバル名を確認しながら、1音ずつ弾いていく、と。
この辺りを理解しておくと、チャーモードの各ダイアトニックスケールの意味(と言うか構造)だったり、B7(♭9,♭13)のような、複雑なコードネームが表している事の意味がわかるようになってきます。
引き続き、詳しくやっていきますが、それらをしっかりと理解する為の基礎知識として、今回のインターバルの把握が必須です。
頑張っていきましょう。
では、また次回。
ありがとうございました。
大沼
この記事へのコメントはありません。