『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

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筋トレくらいの強度で練習しないとギターは上達しない

どうも、大沼です。

インターネットが発達した昨今、ギター上達のための「練習メニュー」という意味では、すでに十分なクオリティのものがネット上にいくらでも転がっていると感じます。

ですが、それでもなお、上達に悩んでいたり、何をやったらいいのかわからない、というような人もまだまだいます。

今回は、そういったことを踏まえ、色々な人を見ていて、

「いつもまで経っても弾きたいものが弾けるようにならない」

という人へ、上達への一つの視点をお話ししてみたいと思います。

人それぞれ、目標にしていることは違うと思いますが、ギターが上手くなりたい、という部分は共通しているはずですよね。

なので、練習しても練習しても、ギターの上達が感じられないならば、今日、お話しする内容に意識して取り組んでみて下さい。

■そもそも僕らの身体が動く仕組み

さて、そもそも、僕らの身体の動作というものは、脳からの信号が、身体の動かすべき部位に届き、その動作が起こっているわけです。

歩いたり、呼吸をしたりなどの、(ほぼ)無意識下で行われているものもありますが、楽器演奏などは、「その動作をしようと思ってする」、ある意味「特殊な動作」ですよね。

言ってしまえば、「ギターを演奏する」などと言うのは、

「普通に生きていたら、まず、する事の無い動作を、新しく身体に覚えさせていく」

ということになります。

なので、新しいフレーズとかを弾きたくても、最初は全然上手くいかない、なんて言うのは当たり前の話なんですよね。

これは、スポーツなどで、新しい動きが上手くできないのと同じです。

ですが、その同じ動作を繰り返していると、脳から各部位へ、その動作の信号が伝わる強度が上がっていき、さらに同じ信号を出すにしても、どんどん、伝達に必要なエネルギーが少なくなっていく。

慣れ親しんだフレーズが、何も考えなくてもサラサラっと弾けるようになっていくのはそのおかげですね。

要するに、最初は、脳から発信されるその動作を起こす信号が弱く、信号を各部位に伝える神経節も貧弱で、しかも送信にもエネルギーが要る。

しかし、その動作を繰り返していく内に信号も強くなっていき、伝える機能も強化され、段々と送信に必要なエネルギーも少なくなっていく、と。

練習の初期段階の頃は、細いパイプに、弱い水流で、ちょろっと水が流れるようなイメージ。

これが反復練習によって強化されると、パイプが太くなっていき、水流も強く(と言うかスムーズに)なり、流れる水の量も増やせる、と、こんなイメージです。

この例えは水流ですが、実際は、パイプ=脳から体の各部位への神経節、水流=電気信号です。
(※ちなみに神経節は神経細胞の集合です)

と、いうことで、新しい動作ができるようになる大元の仕組みはこれなのですが、次に出てくるのは、

「その動作を、身体の各部位が、どのくらいイメージ(理想)通りに再現できるか?」

という問題です。

■本当に上達を目指すのならば、ある意味筋トレをする時くらい、まずは手(指、腕)の筋肉に負荷を掛ける必要がある

実は、楽器演奏に必要な「筋力」とか「力」の話は少しデリケートで、本気で話すならば「解剖学的にどうこう」、という部分まで、考えなくてはいけないのかもしれません。

(※「力(筋力)もある程度必要」と言っても、やはり無駄な力みは怪我につながるので、この辺りの言語化は少し難しい所です。とにかく気を付けて練習してください)

ですが僕は、(ある程度学んではいますが)その分野の専門ではないので、自分の実体験として、気を付けるべきポイントをお話ししていきたいと思います。

まず、そもそもですが、実際に身体を動かすのは筋肉ですよね。

スポーツ等に比べ、使われる部位や動作が(比較的)小さいので、あまり注目されていない気がしますが、当然、楽器演奏でも同じように筋肉(筋力)は使うわけです。

ギターの本当に初心者だった時期を思い出してほしいのですが、びっくりするくらい、手も指も動かなかったはずです。

そして今、その頃よりも手が動くのであれば、先にお話しした神経系も強化されているし、その楽器を演奏するのに必要な筋力もついてきている、ということになります。

とある楽器を演奏するのに必要な、筋力的な面からのパワーやスタミナは、実際に楽器に触っていかないと強化できない(しにくい)わけですよね。

さらには、練習によって神経系が強化されれば、動作の繊細さや正確性、安定感なども増します。

指や手は、なんだかんだ日常生活でそれなりに使っているので、楽器の初心者でも、動かすだけならば、ある程度は普通に動きますよね。(※精度は高くないものの)

ですが、筋力が弱すぎると、ギターのバレーコードを長い時間(必要な時間)押さえられないかもしれないし、各弦を、必要十分な力加減で押さえ続けることができないかもしれない。

さらに、ストロークをするとすぐに疲れてしまうかもしれないし、時間が経つにつれて、動作が弱弱しくなり、リズムがよれていってしまうかもしれない。

他にも、速めの連続ダウンピッキングなどが1曲を通して続けられなかったり、少しフレーズが細かく、速くなってくると、両手とも追い付かないかもしれません。

なのでやはり、楽器演奏には、「その演奏に必要十分な筋力」が要るんですよね。

いつかどこか(ブログがyoutube辺り)でお話ししたような気がしますが、効果のある練習の条件として、

『筋力的な負荷の強さ』

があります。

僕も日頃の基礎練習に、両手ともガンガンに動かす、ヘヴィメタルの楽曲を1曲弾くことを取り入れています。

これをちゃんと継続している内はいいのですが、逆にこのてのハードめな訓練を数日止めると、本当に、今まで弾けた(ハード系の)曲が弾けなくなるんですよね。

で、取り戻すのにまた練習が必要になってきます。

この時の実感は、脳からの信号うんぬんもあるとは思いますが、単純に、その動作をしなくなると、必要な筋力が落ちて行ってる、というような感触もあります。

(※まあ大体、スポーツなどを含め、訓練を止めると腕が鈍るというのは、どの分野でも同じですよね)

なのでやはり、ギター演奏の動作を強化したいのならば、通常の筋トレと同じ様に、

「腕や指を動かす筋肉がパンパンになって来るような、負荷が強めの練習(フレーズ、楽曲)を取り入れること」

をお勧めします。(※量と強度はしっかり調整すること)

これは、単に

「とにかくパワーが必要になるようなモノを力いっぱい弾け」

という話ではなく、

「演奏クオリティを保つのに必要な力加減と、その力加減を十分な時間維持できるようなメニューを取り入れよう」

ということです。

強引にがむしゃらにやれ、というのではなく、キチンと丁度よく、自分の目的に合わせて効果的に鍛えていくというイメージです。
(※たまには強引さも必要かもしれませんが)

ただ、先程、筋力の話はデリケートだ、といいましたが、このてのハードめな練習を取り入れる場合、とにかく怪我には気を付けて欲しいと思っています。

特に、筋肉が疲れてだんだん動かなくなってくる「疲労」と、手や指、関節などにズキッと痛みが走る、筋(スジ)への負荷の違いは、しっかりと見極めてほしい所です。

前者は、休養を取れば治りますが、後者はひどくなってくると楽器が弾けなくなります。

この辺りは、各自の身体の反応が全ての判断基準ですので、僕が文章で出来ることは、注意喚起だけになってしまいます。(※本当に気を付けて下さい)

最後に、練習メニュー自体は、こう言ってしまうと迷うかもしれませんが、「しっかりと負荷が掛かっていればなんでもいい」のですね。

僕は個人的に、一番ハードなメニューを「メタルの楽曲を弾くこと」にしていますが、例えば「あるスケールをナット付近のポジションから指板の終わりまで弾き続ける」などでも後半には負荷を感じています。

結局、練習の強度は、動作が忙しい(≒速い)事と、時間が長いことの二つで、決まります。

これらを参考に、キチンと負荷を感じるかどうかをポイントに、自分のできるようになりたい事に紐づけて、適切なメニューを取り入れてみて下さい。

日が経って振り返ってみると、前はできなかった動作がだんだんできるようになってきますので。

それでは、今回は以上になります。

ありがとうございました!

大沼

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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