『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

  1. 音楽理論
  2. 11197 view

ドリアンスケールその5 / Am7→D7のコード進行

こんにちは、shunです。

前回に引き続き、ドリアンでございます。

Am一発の解説の次は、

Am7→D7の進行(のループ)についてやっていきましょう。

この二つはセッションの鉄板進行なんで

覚えておいてくださいね。

結局のところ前回のAm一発でも、今回のAm7→D7でも、

ソロでまず使うスケールとしてあがるのは、

1、Aマイナーペンタ

2、Aマイナーペンタ+9th

3、Aドリアン

の3つになります。(*スケールの詳しくは前回の記事で)

Am→D7のセッションは、Am一発のバリエーションのようなものなんです。

ただ、Am一発の時は、いくつか選択肢ができるのですが、

Am→D7だと、基本的にはドリアンモードです

モード(mode)って単語が出てきましたね。

モード(mode)とはそのままの意味では方法、様式、形態とかそんな意味です。

音楽的には旋法とか訳されます。

このモードなんですが、音楽をしばらく勉強してる人は、

いつかぶち当たる壁だと思うんですがどうでしょう?

だって意味不明じゃないですか。

なんだよモードって!って思いましたもん僕。

このへん、理論書の解説は非常にわかりにくいものが多いと感じます。

で、モード(mode)とはなんなのかというと、

今、演奏している曲(主にコード進行)の雰囲気とか状態のコトです。

もうちょっと詳しく。

いま鳴っている、演奏している曲(コード進行)には、それの雰囲気があるんだから、

その雰囲気を壊さないようにあなたも演奏してね、っていうルール付けです。

演奏者全員での、共通のルール解釈ですね。

Am7→D7の進行はドリアンモードを作りだすので、

「今、コード進行の関係でこの曲(このセッション)ドリアンモードなんだから、

ソロ弾くときもドリアンの雰囲気壊さないように弾いてね」ってことです。

コード進行がドリアンの状態、ドリアンの雰囲気、ドリアンの音使いなんだから、

基本的に、演奏者はドリアンモードの演奏をしなきゃならないってことです。

あれ、だんだんわかりにくくなってきたような気もしますね笑。

では、なぜAm7→D7はドリアンモードになるのか?

そのへんみていきましょう。

まず、実はAm7とD7のコードをダイアトニックコードに含むキーは、

Gキー(Emキー)だけです。

Gキーのダイアトニックコードを見てみましょう。

1、GM7

2、Am7

3、Bm7

4、CM7

5、D7

6、Em7

7、F#7(♭5)

と、見事にAm7とD7を含んでます。

さらに各コードにチャーチモードを当てはめるとこうなります。

1、GM7 アイオニアン

2、Am7 ドリアン

3、Bm7 フリジアン

4、CM7 リディアン

5、D7 ミクソリディアン

6、Em7 エオリアン

7、F#7(♭5) ロクリアン

まだ解説していないスケール(モード)は気にしなくていいです。

要するに、Am7→D7は、GキーのⅡm7→Ⅴ7のループと解釈できます。

そして、Gキーのダイアトニックコード、

Am7とD7に対応するスケールがドリアンとミクソリディアン。

最初にAm7を聞いた時点で、人間はマイナーの感じに耳をとられます。

その後D7が聞こえてくることによって、Gコードに向かうツーファイブ、

Am7→D7であるという感覚になるのです。

で、Am7→D7→GM7とは進まず、Am7→D7→Am7→D7と、

延々とループするので、Aドリアンのモードが保たれるというわけですね。

実際に試してみて欲しいのですが、Am→D7のループを弾くと、

「マイナー」って感じの暗い雰囲気が続くと思います。

ですが、Am7→D7→GM7とコードを進めてみると、

GM7の時点で一気に明るく感じると思います。

こうなってくると、ソロを弾くなら

Gメジャーペンタとかを使いたくなってきませんか?

これはGにコードが進んだ時点で、Gメジャーのモード(Gアイオニアンのモード)に

なるからですね。

というか、コードを実際に耳で聞く前に、

どんなコード進行でセッションするのか把握した時点で、

Am7→D7のループならAドリアンだな、とか、

Am7→D7→GM7とGまで進むようなら、Gメジャーだな、とか

モードがわかる人は、演奏開始前にすでに考えています。

このへんは、実際にそれをやったことがあるかどうか?という

勉強と経験からくるものなので、単に、「やったことがあるからわかる」

「知ってるから知ってる」という状態ですね笑

さて、長らく解説してきましたドリアンスケール、ドリアンモードの基本も

これでおわりです。

ほんとにセッションの鉄板進行なので早に覚えておきましょうね。

ではまた次回!

shun

関連記事

コメント

  • コメント (4)

  • トラックバックは利用できません。

    • たかまろ
    • 2014年 8月 06日

    ありがとうございます!!
    スケールというものが全く理解できていなかったのですが、この講座で理解の糸口をつかめました!!

    • みなと
    • 2014年 8月 10日

    痒いところに手が届く説明でした。本当にありがとうございました。

    • ROKU
    • 2017年 1月 08日

    shunさん、はじめまして
    音楽理論のページを探しているうちに、このサイトにたどり着きました。かなり分かり易くて本当に助かります。
    僕はもう若くはないのですが、学生の頃のようにこのサイトを見て
    猛勉強中です。まだまだ昔のページを見ているので、理論初心者ですが
    このサイトに出会えて本当に良かったです。
    僕もいつかそちら側へ行けるように頑張ります!

    • SNB
    • 2017年 7月 23日

    やたらと高尚な理屈を並べて結局読者を迷路に誘い込むものが多い中、これはいいですね。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プロフィール

自画像

名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


【詳しいプロフィールはこちらから】



おすすめ記事

このブログの理念

PAGE TOP