『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

  1. スケールトレーニング
  2. 2846 view

フリジアンスケール~その2~/フリジアンの重要ポジション

どうも、大沼です。

前回の記事に引き続き、「フリジアンスケール ~その2~」
と言う事で、やっていきましょう。

今回は、フリジアンスケールの

『覚えておくべき重要ポジション』

について学びます。

各スケールの把握には、様々な面からのアプローチが
考えられますが、やはりギターの構造的にも、

『とりあえず、指板上でのスケールの形をさっさと覚えてしまう』

というのが、一番効率が良いですからね。

個人的な体感としても、

1、スケールポジション(形)を確認する(≒覚える)

2、インターバルを確認する(≒覚える)

3、繰り返し弾く内に耳でも覚える

というプロセスを経ている感覚があります。
(「≒覚える」というのは、別に完璧に覚えていなくても
先に進むことが多い、というニュアンスです)

この様な作業を、色々なスケール(やコードワークでも)でやっていく内に、
上記の3つのプロセスが、ほぼ同時に成せるような状態になってきます。

そして、そういうことを繰り返していくと、俗に言う、

『プレイを聴いただけで何をやってるのかがわかる』

という状態に、段々と近づいていくわけですね。

リディアンの響きが自分の体に入っていれば、聴いただけで
『あぁ、リディアンだな』とわかるし、それはドリアンでも、
ハーモニックマイナーでも、はたまたペンタでも同じです。

さらに、その人の奏法ロジックが早い段階で分析できるので、
「こういうこと考えて弾いてるんだろうなー」と、コピーしたい人の
プレイスタイルを掴むスピードが上がります。

とまあ、色々と書きましたが、要するに、

『覚えるべき事はしっかりと覚えて、それらをじっくりと身体に入れていけば、
色々な事が出来る様になったり、わかる様になったりしますよ~』

と、言うことです。

なんか最後だけ軽~くなりましたね。まぁいいか。笑

さて、ではまず、前回の復習からいきましょう。

前回の内容を簡単におさらいすると、

・フリジアンスケールはm3rdを含むマイナー系のスケールである
・フリジアンスケールのインターバルについて
・ナチュラルマイナースケールとフリジアンスケールの違い
・フリジアンは『m2nd』が特性音(であると同時にアボイド・ノート)

と、この辺りを学びましたね。

それらを踏まえた上で、今回は、
指板上でのスケールポジション(視覚的なスケールの形)
をいくつかマスターしましょう。

前回は、ナチュラルマイナースケールが一番見やすくなる、
トニックをA音にして、ナチュラルマイナーとフリジアンを
見比べました。

ですが今回は、E音をトニックにして
フリジアンスケールのポジションを見て行きたいと思います。

なぜ、トニックをE音にするのか?についてですが、
過去に学んだ、key=Cのダイアトニックスケールである、
Cメジャースケール(Cアイオニアンスケール)と、
構成音が同じになるから、ですね。

Cアイオニアンから連なるモード・スケールとして、

Ⅰ、Cアイオニアン
Ⅱ、Dドリアン
Ⅲ、Eフリジアン
Ⅳ、Fリディアン
Ⅴ、Gミクソリディアン
Ⅵ、Aエオリアン
Ⅶ、Bロクリアン

と、7種類のスケールが導きだされますが、
この一環としてEフリジアンを把握してしまおう、
という試みです。

とまあ、なんだかんだ、面倒な言い回しをしましたが、
普通に「E音をトニックにフリジアンスケールのポジションを覚えよう」
と言う事なので、難しく考えなくて良いです。笑

それでは一つ目のポジション、いってみましょう。

図1、フリジアンスケール重要ポジション、6弦ルート

フリジアン2-1

(※画像は全てクリックで拡大できます)

ここは6弦にトニックを見た代表的なポジションですね。

上の図は左手のストレッチ無しのポジションですが、例えば、
スリーノート・パー・ストリング(1本の弦上で3音ずつ弾くパターン)
ならばこの様に見ます。

図2、フリジアンスケール重要ポジション、6弦ルート

フリジアン2-2

どちらも、弾き方は何でも良いので、自分の知っている
色々なパターンで練習してみてください。
(過去記事の譜例を参考にして、自分で考えてみましょう)

あと、まったく同じ形が、6弦解放のE音を基準にした
ポジションでも見ることが出来るので、そちらも弾いておきましょう。

次は5弦ルートです。

図3、フリジアンスケール重要ポジション、5弦ルート

フリジアン2-4

こちらの5弦ルートのポジションは、トニック→トニックでわかりやすい、
スリーノート・パー・ストリングのこのポジションから弾いてみましょう。

この他にも、いくつか覚えておくべき候補はあるのですが、
まずはこれだけでも十分です。

5弦ルート、6弦ルート、どちらの基準のポジションでも、
ある程度形を覚えたら、インターバルも確認しておきます。

実は、指板上でトニックに対するインターバルの位置(見方)が
全てわかっていると、初めて弾くスケールでもあっという間に
覚えられたりするので、(インターバルの把握は)かなり大事だったりします。

その辺りは、一気に全て覚えようとせずに、色々なトレーニングを繰り返していく内に
自然に見える様になってくるので、地道にやっていれば大丈夫です。

それでは、今回最後のポジション図なのですが、フリジアンの左右にある、
隣合ったモード・スケールと、ぱっとポジションを行ったり来たりする、
というものを弾いてみましょう。

図4、ドリアン、フリジアン、リディアンの位置関係

フリジアン2-3

これは、フリジアンを中心に、左右にある、
ドリアンとリディアンのポジションを表したものです。

この3つのスケールを通して弾ける、というか、
自由に行ったり来たり出来るように練習します。
(最終的にはチャーチ・モード7種類全てでやります)

これが出来る様になると、左手が指板上を駆け巡ることが出来る様になるので、
1つのポジション内でしか弾けない、と言う事が格段に減ります。

今回は6弦ルートの図しか載せていませんが、
同じ事を5弦ルートのポジションでもやっておきましょう。

結局、Eフリジアンを弾ける、と言う事は、

Ⅰ、Cアイオニアン
Ⅱ、Dドリアン
Ⅲ、Eフリジアン
Ⅳ、Fリディアン
Ⅴ、Gミクソリディアン
Ⅵ、Aエオリアン
Ⅶ、Bロクリアン

の7種類が弾けるのと同じことですよね。

後はkeyやコードにあわせて、それぞれのトニックを当てはめれば、
まったく同じ形でスケールが弾ける事になります。

スケールポジションを1回覚えてしまえば、後はトニックをずらせば
どうにかなる、というのがギターの便利なところです。

もちろん、それぞれのスケールをそのスケールらしく聴かせる弾き方、
というのもありますが、まずはポジション(形)とインターバルを把握していて、
のことです。

スケールは日々のウォーミングアップに組み込んで丁寧に弾いていれば、
意外と早く頭に入っているの物なので、焦らず行きましょう。

それでは、今回は以上になります。

次回はフリジアンの使い方として、
サンプルフレーズを紹介したいと思います。

続きます!

大沼

P.S.

最近の記事は、これまでやってきたことを踏まえて書いているので、
解説が抽象的で微妙にわかりにくいかもしれません。

そういった場合は、過去記事で復習するか、もし持っていれば
理論書などと照らし合わせながら練習してみましょう。

それでも「ようわからん」という場合は、
お問い合わせページやコメントから質問してくださいね。

関連記事

コメント

  • コメント (5)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プロフィール

自画像

名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


【詳しいプロフィールはこちらから】



おすすめ記事

このブログの理念

PAGE TOP