【vol.16】大人な感じ
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どうも、大沼です。
前回に引き続き、今回もペンタのフレーズをやっていきましょう。
vol.15の方にもちらっと書きましたが、今回はAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)とされるジャンルの楽曲を事例に、ペンタの活用法を勉強します。
『AOR』というジャンルにについては、その名の通り、
”大人っぽい(雰囲気の)ロック”
みたいな感じだと思ってもらえればOKです。
このテキストを作るに当たって、wikiで『AOR』という単語を調べてみましたが、この言葉の意味合いは他にも色々とあるようです。
まあ基本的には、若者の音楽の筆頭だったロックを音楽的に洗練させていったら、なんか”落ち着いた雰囲気の大人っぽいロックの様なもの”が出来た、という感じではないでしょうか。
この辺りは、音楽ジャンルの進化、進歩、変容だと思うので、色々な人が色々な事を考え、色々な事をやっていったらどんどん新しいモノが生まれてくるわけですね。
さて、今回例として取り上げるのは、AORといったら大体名前が挙がるバンド、『TOTO(トト)』の”Pamela(パメラ)”という曲です。
”パメラ”は女性の名前で、歌っている歌詞の内容は、まあ、ラブソングですね。
AORというジャンルは、味がわかると中々にハマるので、これをきっかけに色々聴いてみて欲しいと思います。
夜中にじっくりと、コーヒーでも飲みながら一人で聴いていたりすると、大人な世界に目覚めるかもしれません。笑
それでは、『TOTO』の”Pamela”、早速やっていきましょう。
Youtube原曲リンク
http://youtu.be/BnCF93vjE3w
※ライブ映像
http://youtu.be/rDEnN-zMcRg
(※liveの方もカッコいいので聴いてみてください。フレーズは、アドリブが入っているので多少違う所が結構ありますが、こちらの方がギターが聴きやすいかもしれません)
まずは出だし(0:16~)に、ヴォリューム奏法を使ったギターのメロディ弾きがありますね。
シンプルなフレーズですし、せっかくなので耳コピしてみましょう。
その場所のコード進行はG⇒Cです。
まだこの講座では解説していませんが、keyに関して言えば、この曲の出だしは『key=C』なので、Cメジャーペンタのこのポジションを使っています。
もっと正確に言えば、Cメジャースケールの、このポジションで、
この辺りを使って弾いていますね。
メジャースケールについては今後詳しくやっていくので、とりあえず今の段階では、上の指板図を見ながら両者を弾き比べてみて、
・「Cメジャーペンタトニックスケール」と「Cメジャースケール」はどこが違うのか?
その辺りを確認しておいて下さい。
後でメジャースケールをやるときの予習になりますので。
奏法としては、手元(ギター側)のヴォリュームか、もしくはヴォリュームペダルを使って、チョーキングをしながら、2弦8フレットをピッキングしてすぐに、『フワッ』とヴォリュームを上げて入ります。
速弾きなどで沢山の音を弾く場合でも、このフレーズのように少ない音でメロディーを弾く場合でも、結局大事なことは『良い音楽なのかどうか?(良いメロディーなのかどうか?)』という事ですね。
シンプルなフレーズ(メロディー)ですが、実際に音楽としてはこれくらいでも十分だ、という良い例です。
次に、前回のテキストでやったような、ブリッジミュートを使ったペンタのフレーズを弾いてみましょう。
ここからは、key=Cだったのがkey=Amに変わるのでAマイナーペンタを使います。
と、言っても、AマイナーペンタとCメジャーペンタは同じポジション(形)でしたね。なので、さっきのCメジャーペンタと同じポジションで弾きます。
譜例『TOTO』 ”Pamela” 0:26~ 風フレーズ
で、このフレーズを弾く前に、1つ確認しておかなくてはいけないものがあります。
それは何かと言うと、小節の頭にある、この記号。
よく見てみると、16分音符と3連符の付いた音符を=(イコール)で繋いでいますね。
これはシャッフルのリズムで演奏しろ、という記号です。
シャッフルとは、例えばブルースを聴いてもらえればわかると思うのですが、『タッカ、タッカ、タッカ、タッカ』とハネるリズムのコトですね。
この曲は、16分音符のシャッフルなので、通常『タカタカ、タカタカ、』という16分のリズムを、『タッカタッカ、タッカタッカ、』とハネて弾いてね、って事です。
まあ、文章で説明されるよりも、曲を聴いた方がわかりやすいと思いますので、その辺りは、原曲を良く聴いて感じをつかんでください。
フレーズとしては簡単そうに見えますが、この微妙な速さのテンポでキッチリ16分のリズムにはめるのは、中々の技量が要ります。
この様なシンプルなプレイほど、メトロノームと一対一で録音してみると、アラが見えすぎて自分のレベルがよくわかります。
・自分の出している、音の粒やニュアンスがキチンと揃っているか?
・1音1音のボリュームはイメージどおりにコントロール出来ているのか?
そういったところをチェックしながら、練習してみましょう。
さて、この『TOTO』というバンドは、楽器隊の編成が、ギター、ベース、ドラム、キーボードですね。
前回も少し解説しましたが、楽器の音が沢山入っている時や、曲のフィール(感じ)によっては、ギターの音数をあまり入れないほうが良い場合があります。
今回の曲は、楽器隊の編成としてはそれなりにパートがありますが、そこまで沢山の音が同時に鳴っているわけではありません。
そして、曲のリズムフィールが軽快です。
軽快なリズムの時に考えられるギターのプレイは、通常は(コード)カッティングですが、そういう感じでもないですよね?
(※試しに、Am7などを押さえてカッティングをしてみると、あんまり曲にハマらないことがわかると思います)
コードをジャーンと鳴らしている部分もありますが、それはバンド全体でのリズムのキメの部分ですよね。
楽曲としては、大半のパートで、比較的静かめにしてある曲です。
こういう時に、ギターとしては、ブリッジミュートを軽くかけたペンタ(と言うか単音)のリフは良く使いますので、この様なプレイも覚えておきましょう。
もう1つ練習の提案として、今回の譜例の進行の中では、Amペンタ内の音であればどこの音を鳴らしても大体曲(コード)に合います。
16分シャッフルのリズムに合わせて、譜例と同じようなブリッジミュートの単音プレイで、自由にフレーズを作って弾いてみてください。
きっと楽しいと思います。
では、今回は以上になります。
ありがとうございました。
大沼
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