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【ギターと音楽の教科書】vol.08『5番目の音と、トニックとルートの意味の違い』

vol.8  5番目の音と、トニックとルートの意味の違い

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どうも、大沼です。

vol.7、7.5と、二回に渡って『3rd』について学んできましたね。

『3rd』には、『M3rd(メジャーサード)』と『m3rd(マイナーサード)』の二種類がある、と言う事でした。

新しいことをやったので、ちょっと間を置きましたがどうでしょう?、2つの3rdの位置覚えられましたか?

ルート(もしくはトニック)に対して、指板上で、どこにどの音があるのかを把握していることは超重要です。

これがわかっていないと、コード構成の仕組みも理解できないし、音楽的にしっかりしたフレーズが弾けません(作れません)。

世界で名ギタリストと呼ばれている人達は、まず間違いなく全員が、今やっているようなことの、(最低でも)基礎的な部分は把握しています。

いつかツイッターで、僕はこんなことをつぶやきました。

”プロのミュージシャンやアーティストがインタビューとかで時々言う、『私は○○が出来ない(譜面が読めないとか)』は、信用してはいけない。
 それは、『自分の納得する水準に達してない』と本人は思っているだけで、 普通の人の10倍はできると思ったほうが良い。”

これ、結構リツイートされたんですが、『わかります』と反応をくれたのは、やっぱりプロの人(もしくはプロに近い人)が多かったです。

やっぱり皆さん、実感があるんでしょう。

名ギタリストの人達は「単に人よりギターが上手いだけのギターバカ」では無いんですよね。

ちゃんと音楽家として、一般の人より遥かに高い水準にいます。
(稀に例外もいるかもしれませんが)

ちゃんと学び続けて、いつか自分自身がそういった領域に近づいた時そのことを実感できます。

今はまだ半信半疑かもしれませんが、そうなってから音楽の本当に面白いところが分かってきます。

なぜなら、上のレベルの人たちが何を考えているのかが、自分にもだんだん理解できるようになってくるから。

例えばプロや、アマチュアでも上手い人達のライブで、アドリブとか、まあやっていることは何でも良いんですが、誰かがカッコいいプレイをすると、演奏者同士で顔を見合わせて「ニヤリ」みたいなシーンに遭遇することがあります。

これは、高レベルのプレイヤー同士で、『そのプレイcoolじゃん!』と言う感覚を共有できているから起こるものです。

でも、自分自身のプレイヤーとしてのレベルや、音楽的感性が低い場合、何がcoolなのかがわかりませんよね。(気が付かないとも言える)

この講座は、音楽家に必要なものを身につけていき、それが分かるようになるための講座です。

しっかり学び続けていって、あなたがそういったレベルに足を踏み入れた時、今まで死ぬほど聴いたと思っていた曲でも、まったくの別物に聴こえてくる時がきます。

そうなったら、リスニング(音楽を聴くこと)自体がものすごい快感になってくるのです。

アレも素晴らしい、コレも素晴らしい、と。

この快感を、文章で表現できないところがとても歯がゆいのですが、やっていったらわかります。

あなたが学んだことがどこかで使われていないか、積極的に探してみてください。

前にも言いましたが、受身でいる限り成長はありません。

好きな曲、弾きたいと思った曲をどんどん弾いてくださいね。

別に最初は上手くいかなくても良いんです。

というか、初めて弾く曲を一発で上手く弾けるならば、その人はプロレベルじゃないですか。

今は出来なくても、繰り返し練習していれば気が付いたら出来るようになってますから。

それでは、前置きが長くなりましたがVol.8やっていきましょうか。

繰り返しになりますが、vol.7とvol.7.5では、2つの3rdの位置を覚えましたね。

今回は、vol7.5で行ったトレーニングフレーズを使って、もう1つ音の名前と位置を把握します。

把握すべき音は、P5th(パーフェクトフィフス)と呼ばれる音。

なぜP5thと呼ぶのかについては、今後やっていきますので今は深く考えなくてもOKです。

とりあえず今は、ルート(トニック)の位置から見て、『ここにP5thがあるんだ』ということを把握してください。

譜例自体は前回とまったく同じなので、弾くのには苦労しないでしょう。

まずはM3rdの時の指板図を見てみましょうか。

緑の四角で囲った場所がP5thにあたる音です。

今回はC(ド)音を基準に見ているので、P5thはG(ソ)音になります。

前回は3rdの把握の為に譜例を練習しましたが、今回はP5thを把握することを意識して練習します。

さて、前回「トニック(1th)と3rdの間には、ちゃんと2ndがある」と言うようなことをお話しましたが、当然、3rdと5thの間には4thがあります。

これも細かい理屈は後々解説しますので、なんとなく把握しておいてください。

では、前回と同じものですが、譜例は以下です。

次に、これと同じ事をm3rdの譜例でも行います。

メジャー、マイナーで、場所が半音変わる3rdと違って、P5thはトニック(ルート)から見て、いつも同じ場所にあります。

「じゃあ練習しなくてもいいんじゃん」と思うかも知れませんが、P5thの場所は同じでも、3rdがメジャーの時とマイナーの時では左手のフィンガリングが違うので、きちんと練習を行いましょう。

こちらも、P5thの位置を把握する、と言う意識で練習します。

M3rd、m3rdのどちらの練習でも、譜例に出てくるP5thの音とオクターブ上下の関係にあるP5thの位置も覚えておきましょう。

譜例では、トニックの右斜め下(高音弦側)のP5thのみを弾いていますが、オクターブ低いP5thとして、トニックの真上(低音弦側)にもあります。(2~3弦間は左斜め上)

指板図を見てそこも確認しておいてください。

さて、以前の回でも簡単に解説しましたが、これまで何気なく使ってきた『ルート』と『トニック』の意味を再確認しておきましょう。

まず『ルート』ですが、これは、コードについて考えている時の”基準(根音)となる音”の事を指します。

「ルート(root)」=根、根本、根っこ

と意味するように、

コードを構成する時、基本的に(事実上)一番低い、そのコードの土台とする音の事を『ルート』または『ルート音(根音)』と呼びます。

そのルート音の上に、だんだんと音が乗っかっていくワケです。

↑Cコード
ルート音Cの上に音が積み重なっている(乗っかっている)

なので、Cのコードならルート音はC、
B♭のコードならルート音はB♭
Amのコードならルート音はA
F#mのコードならルート音はF#

と、こういうことですね。

次に『トニック』について。

こちらは、スケール(やkey)の観点から見たとき、そのスケールの基準となる(基準に設定する)第1音目の音のことです。

『トニック』の訳は『主音(しゅおん)』でしたね。

要するに、そのスケールの『主』となる音の事を、『トニック』と呼ぶのです。
※keyについて考える時の『トニック』についてはまた後ほど。

Cメジャーペンタトニックスケールだったら、C音が主音なので、トニックはC音。

Aマイナースケールならば、A音が主音なので、トニックはA音。

と単純にこういうことです。

で、今回の譜例の解説では、”トニック(ルート)の位置から見て~”と、ややこしい解説の仕方をしていますが、コレにはワケがあります。

前回、今回と、3rdと5thの音の把握を行いました。

これを考える時、例に出した指板図の上で、

黄色の枠で囲った、Cコード的な観点から見るならば、C音は『ルート音』。

C音を主音(トニック)とした、C音スタートのスケール的な観点から見るならば、C音は『トニック』。
※指板図に出ている音、”CDEFGAB”は「Cメジャースケール」の構成音。
 これも今後詳しくやっていきます。

なので、”トニック(ルート)の位置から見て~”などと言った、コードとスケールの、どちらの観点からも見ることの出来る説明の仕方をしています。

これは、練習をするときはどちらで考えても良いです。

ただ、『ルート』と『トニック』の、意味と使い分け方は覚えておいてくださいね。

それでは、今回は以上になります。

ちょっとややこしい話しをしたので、実戦譜例はありません。

ルートとトニックの違いは、大事な概念なので、繰り返し読んでしっかり理解しておきましょう。

ありがとうございました。

大沼

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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