【Vol.19】Queenの名曲に学ぶ、メジャースケール活用法
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こんにちは、大沼です。
前回までで、メジャースケールの構成と重要なポジションを3つほど覚えましたね。
各ポジション、1日1回ずつでも良いので毎日弾いてくださいね。
例えば1週間の内、特定の日にまとめて練習するよりも、少しでも良いので毎日弾いていたほうが早く覚えられます。
さて、ペンタは5音構成なので、スケールポジションをスタート出来る音が5つあり、結果、全部で5ポジションしかありませんでした。
それとは違い、メジャースケールは7音で構成されているダイアトニックスケールなので、スケールポジションをスタートさせる音が7つあることになります。
なので覚えるポジションは7つです。
さらに、1つのスタートする音から色々なフィンガリングでスケールを弾けるので、結構な量の練習パターンが出てきます。
ここまでの話だけを聞くと、ものすごく大変そうですが、このメジャースケールの7ポジションを覚えると、今後やっていく他のスケールのポジションもほぼ同時に覚えていることになるので、最終的に、各スケールを効率よく学べます。
スケールそのものに慣れるまで、最初はちょっと大変かもしれませんが、踏ん張って学んでください。
世間一般の、アマチュアギタリストのレベルを超えられるかどうか、ここらへんが最初のポイントです。
これまでこの講座で、ペンタやらトライアドやら、結構な種類のトレーニングをこなしてきたあなたなら、必ず乗り越えられますので。
と、言う事で今回は、メジャースケールの新しいポジションを1つと、『Queen(クイーン)』の楽曲、”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”のギターソロを参考に、メジャースケールの活用例を学んで行きたいと思います。
ではまず、今回学ぶ、新しいメジャースケールのポジションはこちらになります。
引き続き、トニックは「C」で、Cメジャースケールで最初に覚えましょう。
このポジションは5弦3フレットのC音の場所をトニックに見立てたポジションになりますね。
基本となる練習譜例は以下です。
このポジションは、ギターを弾き始めて最初に「ギターでドレミファソラシドはここだよ」と教えられる事も多い場所ですね。
ですが今回は、ちゃんと「これはCメジャースケールである」という意識で弾いてください。
指使いは、1フレット人差し指、2フレット中指、3フレット薬指です。
トレーニングとしては、上の譜例の通りに普通に弾くものと、前回やったような、4音刻み、3音刻みのパターンでも弾いてみてください。
次に、まったく同じ形のポジションを1オクターブ上の場所で覚えます。
練習譜例は以下です。
こちらは、トニックを5弦15フレットのC音の場所に見ています。
このポジションを弾く時は、最初に紹介したポジションとは違い開放弦がありません。
なので、指使いは、12フレット人差し指、13フレット中指、14フレット薬指、15フレット小指となります。
以上の2つのポジションが、オクターブ違うだけで、まったく同じものである、ということを理解しておきましょう。
では次に、実戦譜例の方にいきましょうか。
参考にする楽曲は『Queen(クイーン)』の”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”です。
言わずと知れた、音楽史に残るであろう名曲ですね。
ギタリストは、ブライアン・メイ。
クイーンのギターアレンジでは、多重録音によるオーケストレーションが有名ですが、彼のプレイからはギターソロ全体の展開の仕方や、フレージングにかなりの音楽的知性を感じます。
後、彼のチョーキングやビブラートには、独特のエモーショナルなニュアンスがあるので、そういったソロが弾けるようになりたいならば、細かくコピーしてみると良い練習になると思います。
今回のギターソロでは、今まで覚えたメジャースケールのポジションが使われているので、その実例として弾いてみましょう。
ではまず、最初に確認しておく事として、これまではCメジャースケールで練習してきましたが、この曲のギターソロ部はkey=E♭で弾かれているので使うスケールは「E♭メジャースケール」になります。
さて、こう言われて、メジャースケールのポジションをどう見たらいいのかがわかるならば、これまでこの講座でやってきた話を理解している、と言えるでしょう。
使うポジションは、前回と今回学んだものを使います。
具体的にはここですね。
※譜面作成ソフトの都合で、E♭keyでの♭表示が出来ないので、D#をE♭として見てください。
(なのでE♭メジャースケールの場合、本来はG#はA♭、A#はB♭として見ます)
青枠内のポジションが、前回学んだ6弦トニック(ルート)のポジション。
赤枠内が今回学んだ5弦トニック(ルート)のポジションですね。
主にこの2つのポジションを使って弾かれているギターソロになります。
youtubeモデル楽曲リンク
http://youtu.be/fJ9rUzIMcZQ
※万が一、リンク先の動画が削除されている場合は、音源を購入するか曲名等で検索してみてください。
譜例、『Queen』 ”Bohemian Rhapsody ” 2:40~ 風フレーズ
※原曲ではベースラインのクロマチックアプローチなどがありますが、譜例では重要なコードのみの表記にしてあります。
弾いてみるとわかると思いますが、今まで学んだポジションがちゃんと使われていますよね。
それなりに細かい音符が並ぶところもありますが、楽曲のテンポが遅めなので、焦らずに弾きましょう。
※最後の小節(D♭コード以降)では、E♭メジャースケールからは外れた音が出てきますが、これは転調しているコード進行に合わせたものです。
さて、大本の原曲のソロとしては「全8小節(+前後1小節ずつ)」のソロになりますね。
上のサンプルもある程度は似せて作っていますが、その8小節間の展開を分析すると、
・まずはゆったりとしたメロディックなフレーズで導入
・次に、4小節目のソロ全体の切り替えしの部分に向かって、徐々にテンションを上げていくようにフレーズを激しくして、盛り上げたところで前半が終わり。
・後半の最初、5小節目では、4小節目からの勢いを受け継いで、音数多め、音域高めで弾いて、6小節目で2小節目のフレーズをモチーフとしたものが出てくる。
・そして7、8小節目では、次の楽曲パートへの流れとして徐々に盛り下げていって、ボーカルにパス、といった感じでしょうか。
こう見ると、かなり考えられたソロであることが伺えますね。
こういった分析をすることによって、自分がソロを作る時や、アドリブをする時に、ストーリー性のあるプレイが出来るようになっていきます。
過去の講座でやったソロなども、フレーズを追うだけではなく、
『弾いている人が何を考えているのか?』
その辺りを意識しながら、もう一度弾いてみると新しい発見があるでしょう。
では、今回は以上になります。
ありがとうございました。
大沼
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