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  1. 音楽理論マスター講座【ギターと音楽の教科書】
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【ギターと音楽の教科書】vol.25『key(キー) のあれこれ~その1~‏』

【vol.25】key(キー) のあれこれ~その1~

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※前回(vol.24)はこちら

こんにちは、大沼です。

前回のテキストでお話しした通り、今回からしばらく、音楽の基礎理論、楽典について学んでいきたいと思います。

具体的には、
・ダイアトニックコードの役割
・楽曲のkeyについて
・keyとダイアトニックコードの関係
・keyとスケールの関係
・正確なインターバルの捉え方

みたいな事をやる、と書きましたね。

正直な所、この辺りの知識がないと、音楽の構造というものが全く理解できません。

上記の様な知識は、音楽をやるにあたって非常に大事なんですが、普通にTAB譜などを使って曲のコピーをしているだけでは、イマイチ重要度を実感できない部分だと思います。

その重要さを他の分野で例えると、仮に、あなたが英語を一定以上のレベルで話せるようになりたいとして、これから学習していくとします。

その場合の学習プロセスを大雑把にまとめてみると、

1、基本的な英単語とその意味を覚える
2、基本的な文法を覚える

(※1を組み合わせて、意思を伝える為の基本的な作法を学ぶ)
3、1、2を実際に使えるように(主に1人で)訓練する
(※自分の主張を文章にする、それを口頭で伝える訓練をする、等)
4、実際に、他者に対して3を使ってみる(実践)
と、場合にもよると思いますが、こういった感じになるでしょう。

今のところこのテキストで学んでいる音楽の知識は、上の英語の学習プロセスで言うと1や2に当たる部分です。

TAB譜というものは、弾きたいものを弾くだけならば凄まじく便利ですが、これを使って練習するというのは、いきなり3と4を抜き出して、それだけをやっている様な感じです。

もちろんTAB譜を使って練習することが悪い事だとは僕も思いませんし、それはそれで上達はします。(※実際、僕も昔は見てましたし笑)

ただ、このテキストを読んでいるようなあなたは、
・事実上、TAB譜などが無いと弾きたい曲が弾けない
・曲をコピーしても、その曲で出来るようになった事を他の場所で活かせない
・雑誌や書籍に書いてある事の内容が理解できない
・好きなギタリストが、何故そういうプレイをするのか(出来るのか)?、発想の元やルーツがわからない。

と、こんな感じで、
『今の自分が持っているものだけでは、どうにも出来ない』
みたいな実感があるのでは無いでしょうか。

音楽と英語の両者を結び付けるのはやや強引な気もしますが、1や2で学ぶ様な、大本の地力の強化が不足している場合、上に挙げた様な状態になりやすいわけですね。

やはり何をするにも、『基礎』をしっかり作っておかなければなりません。

色々と新しい用語が出てきたりして、慣れるまでは少し混乱するかもしれませんが、モノとしてはシンプルな部分なのでじっくり学んでいけば普通に理解できます。

頑張ってまいりましょう。

では、前置きが長くなりましたが、今回は、今までの講座でもちょこちょこ出てきていた、『楽曲のkey(キー)』について学んでいきます。

『key』についての解説としては、keyそのものの判別法や、前回学んだダイアトニックコードとの関係性など、色々な要素があるんですが、まずは最初に『keyとはなんぞや?』という事について解説していきたいと思います。

では、いきましょう。

■そもそもkeyとはどういったものなのか?

さて、まずは
『「key」というものはどういったことを指しているのか?』
に、ついてなんですが、端的に言ってしまうと、
『その楽曲の基準(中心)となる音(1音)と音階(スケール)はこれですよ』
と、言う事を表したものです。(※後はその音階に基づく和音の種類など)

例えば、とある曲が『key=C』なのだとしたら 、まず最初にわかるのは、
『その曲は「C音」を基準(中心)に(ほぼ)全て(もしくは大部分)が成り立っている』
と、言うことです。

同じように、key=FならF音が基準ですし、key=G#ならG#音が基準です。

まずは、基準とする音がなんなのかがわかる、と。
   
次に、聞いたことがあるかもしれませんが、keyには大きく分けて、『メジャーキー(major key)』と『マイナーキー(minor key)』があります。(※西洋音楽ベースの理論の場合)

この両キーについては、ざっくりと、
・メジャーキー=明るい雰囲気(音楽的な感じ、響き)のキー(明るいor明るめの曲)
・マイナーキー=暗い雰囲気(音楽的な感じ、響き)のキー(暗いor暗めの曲)

だと思ってもらえればOKです。

続いて、keyの表記としては、メジャーキーならば、「key=C」のように、アルファベットの音名のみで表されます。

key=Cやkey=Aのようなメジャーキーの場合、
『「それがメジャーである」というサインを省略している』
といってもいいですね。

この辺りは、コードの表記と同じです。

コードネームで「C」や「G」といった表記の場合、実際には『C(メジャー)』のような感じですよね。

逆に、マイナーコードの場合は「Am」といった表記のように、それがマイナーであることを表す小文字の「m」を付ける、と。

それと同じように、keyを表す時も、マイナーキーの場合は『key=Am』のように、マイナーを表す「m」が付きます。

先ほど、
『key=Cと言う表記があったら、まずわかるのは、そのkeyの基準となる音はC音だと言う事』
みたいな説明をしましたね。

これは、いままで散々やってきたスケールで言うならば、トニックの様なモノの事ですね。

その、keyの基準となる音を指す用語として、
『トーナルセンター(Tonal center)(もしくはキーセンターなども)』
という音楽用語があります。
(※キーセンター、key centerという言葉は、音楽理論的にはキー設定だけに関する用語では無いかもしれません)

『トーナルセンター』とは、
・『(音楽用語としての)トーナリティ(tonality)→調性』
・『センター(center)→中心』
の二つが組み合わさった言葉ですが、『センター』はともかく、『調性(ちょうせい)』とか言われても意味が分かりませんよね。

『key(キー)』が日本語で『(音楽用語としての)調(ちょう)』なので、『tonality(調性)』と言うのは、

・『key(調)の性質 → 今、この音楽のkeyはどうなってんのか?』
・『どの音を基準に見ているのか?』
・『明るいのか(メジャーキーなのか)?、暗いのか(マイナーキーなのか)?、それとも、もっと別の雰囲気なのか?』

みたいな、『音楽の総合的な状態(聴いた感じ)が、今、どうなっているのか?』という様な事を指しています。

と、こう説明されても、さらに意味が分からなくなっている可能性もあるので、現時点ではなんとなーくの理解で構いません。笑

もっと勉強が進めば、頭と耳でわかりますので。

さて、今は『トーナルセンター』という用語が、keyの基準となる1音を指している、という話だったので、その1音を見つけたいわけですが、これは単純に、key=CならC音、key=AmならA音という様にアルファベットの音名の事を言っています。

・key=Cと言うメジャーキーの「トーナルセンター」は「C音」
・key=Amと言うマイナーキーの「トーナルセンター」は「A音」

と、こう言う事ですね。

「トーナルセンター」とは、基本的には「基準とする1音」の事を指しているので、メジャーキーだろうが、マイナーキーだろうが、 「key=X( or Xm)』のアルファベットで表されている音名(Xの部分)の事を指している、と。

ここは『キーセンター(keyの中心)』という言葉を使った方が、「key=CのキーセンターはC音」みたいな感じで、理解しやすいような気もしますが、それは置いておきましょう。

どちらにせよ、同じことです。

で、ここで重要なのが、そのkeyがメジャーであるか、マイナーであるかは、トーナルセンター1音だけを見た場合、まだ関係がありません。

なぜなら、トーナルセンターとは、中心となる1音のことしか意味していないから、です。
   

メジャーかマイナーかは、また他の要素として見ることになります。

この後、今まで学んできた『スケール(音階)』が出てくるのですが、長くなってきたので今回はここまでにしましょう。

最初の方でもお話ししましたが、これから数回に渡って、ダイアトニックコードやスケールの知識などを絡めながら、keyの事と楽曲の成り立ちの関係性を解説していきます。

この辺りの知識は、楽曲を分析することに常に深くかかわってくるので、音楽をやっている限りずっと考えていくことになります。
(※と言うよりは、楽曲を演奏する以上、自然と意識し続けることになる)

なんだか、学校の授業のような感じになってきましたが、音楽もある種の学問である以上、しっかりと理解する為にはこういった事も学ぶ必要があるのです。

では、引き続き頑張っていきましょう。

次回に続きます。

ありがとうございました。

大沼

※次回(vol.26)はこちら

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



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音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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