【vol.10】3つの音の順番を入れ替えてみる
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どうも、大沼です。
今回は、前回学んだトライアドの『構成音の順番を入れ替える』と言うことをやって行きたいと思います。
これまでの譜例では、C(ド)音をルートにしてトライアドを見ているので、
root、M3rd、P5thから成るメジャートライアドなら、C、E、G(ド、ミ、ソ)
root、m3rd、P5thから成るマイナートライアドなら、C、E♭、G(ド、ミ♭、ソ)
という順番に、構成音が積み重なっていますね。
実際、前回譜例に載せたコードフォームは、全て一番低い音がrootのC(ド)音になっていたはずです。
それを踏まえた上で、今回覚えるコードフォームは、「3rdの音を一番下に配置したもの」です。
そしてそのままrootを一番上に持ってきて、
メジャートライアドならばミ、ソ、ド、(M3rd、P5th、root)の順番。
マイナートライアドならば、ミ♭、ソ、ド(m3rd、P5th、root)の順番で音が並びます。
もしかしたら、ここまでの解説で気付いたかも知れませんが、
この理屈でいくと、トライアドのフォームはもう1種類作れますね。
そうです。
『5th、root、3rdの順番で並ぶフォーム』です。
この様に、トライアドのフォーム(コード・ヴォイシング)には、3つの種類があります。
ちょっと覚えることが多くて大変かも知れませんが、指板上のフォームを紹介し終わったら実例となるフレーズで学んでいきますので、日々の練習に取り入れるなどして少しずつ覚えていってください。
今はトライアドを覚えるのに集中したいので、ペンタトニックの実例を出していませんが、フォームをすべて紹介したら、ペンタなどのプレイもまたやっていきます。
新しいことを“覚えてね”とだけ言われて、とりあえず暗記だけしても中々身につかないんですが、実例をやっていく内に、使い方がわかって自然と身についていきます。
今はその前の準備段階ですね。
世の中のギターフレーズの意味を、きちんと理解出来る様になる為に頑張っていきましょう。
では今回の、3rd、5th、rootの順番で、低い音から並んでいるトライアドのフォームに入っていきましょう。
前回行った練習は、root、3rd、5thの順番で音が並んでいました。
※前回の譜例(Cメジャートライアド、全て下からド⇒ミ⇒ソの順)
今回はその順番を入れ替えて、3rd、5th、rootの順番でのトライアドです。
この、構成音の順番(音の積み重ね方)を入れ替えたものには名前があり、
前回のroot、3rd、5thの順のトライアドを“基本形”として、今回の3rd、5th、rootの順のトライアドを“第一転回形”と呼びます。
“第一展開形”とか言われると、なんだかややこしく感じるかもしれませんが、単純に、基本形を転回させたもの(の1つ目)と言う事です。
root、M3rd、P5thがドミソだったら、それを、M3rd、P5th、rootのミソドの並びに転回させたという、それだけのお話です。
この時、M3rdであるミが一番低い音になりますが、あくまで、元のコードの、本来のroot音はC(ド)音のままです。
C(ド)音がrootの、Cメジャートライアドの基本形を転回させて、ミソドの並びの、Cメジャートライアドの第一転回形に変えた、と言う事を理解してくださいね。
ミ(3rd)がrootのコードに、コードそのものを変えたワケではないのです。
この辺り、ちょっと解説が難しいのですが、基本的な考え方としては、例えば、
「バンドアンサンブルの中で「ギターが普通にCコードを弾いている所に、ベースがCコードの構成音の中の、M3rdであるE音を弾いている」
と言うような、そんな状態です。
さて、前置きが長くなりましたが、実際のコードフォームを見てみましょうか。
今回も引き続き、rootがC(ド)音の、Cのトライアド(メジャー、マイナー)でやっていきます。
譜例1、Cメジャートライアド第一転回形(M3rd、P5th、root)
前回と同じく、指板上でC(メジャー)のコードフォームと照らし合わせてみます。
図1、Cメジャートライアド第一転回形(M3rd、P5th、root)
さらに以前やった、こちらの譜例とも照らし合わせてみましょう。
ちゃんと、それぞれのroot、M3rd、P5thを含み、第一転回形として、M3rd、P5th、rootの順番で、メジャートライアドのコードが構成されています。
※譜例、root、M3rd、P5thの把握
同じように、Cマイナートライアドの第一転回形も練習します。
譜例2、Cマイナートライアド第一転回形(m3rd、P5th、root)
図2、Cマイナートライアド第一転回形(m3rd、P5th、root)
これらのメジャー、マイナー両トライアドを練習する時の重要なポイントは、
・コードの音(響き)をよく聴くこと(M3rdかm3rdかで、大きく「明るい⇔暗い」が変わる事)
・自分が押さえている指の、どれが何の音かを理解していること(root、3rd、5thのどれなのか)
この2つです。
耳と頭(と視覚)の両方で理解する、と言った感じですね。
後、これらのトライアドのフォーム(コード・ヴォイシング)が、今まで弾いてきた曲で使われていないか?自分の知っているコードに入っていないか?など、そういった事とも照らし合わせていくと、スムーズに覚えられるかと思います。
それでは、今回は以上になります。
次回やることの話を先に少ししてしまうと、
・メジャー、マイナー両トライアドの第二転回形(5th、root、3rd)のコードフォーム
・これまで覚えたトライアドの形3種(基本形、第一転回形、第二転回形)を繋げるエクササイズ
と、この辺りになります。
ここまでの話しを理解していれば、第二転回形がどういうフォームになるのかは、きっと予想できる筈です。
もし余裕があったら予習しておいてくださいね。
後、他にもエクササイズとして、トニックを変えて、C音ルート以外のトライアドも弾いてみましょう。
その後は、実際のギターフレーズでトライアド(とペンタ)の具体的な使い方を学んでいきます。
ありがとうございました。
大沼
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