【vol.28.5】『コード・トーン』と『ノンコード・トーン』、 そして『アヴォイド・ノート』
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こんにちは、大沼です。
前回、前々回と、基本的なインターバルの位置と名前を覚えたところで、今回は、新しい用語を少し解説しておこうと思います。
その新しい用語とは、タイトルにもある通り、
『コード・トーン(chord tone)』
『ノンコード・トーン(nonchord tone)』
『アヴォイド・ノート(avoid note)』
というもの。
この3つの用語の内、『コード・トーン』と『ノンコード・トーン』ついては、そんなに小難しい解説は要りません。
もう、ほぼ文字通りの意味です。
『コード・トーン』の単語の意味を調べてみると、『コード(和音)の、トーン(音、音調)』、即ち、この文脈では、
『そのコードの構成音』の事。
『ノンコード・トーン』は、『そのコードのコード・トーン以外の音』の事。
そのまんまですね。
(※「tone」を「音」と訳すのは少し狭義的すぎる気もしますが、この文脈ではこうしておくのが分かりやすいと思います)
ちなみに『ノンコード・トーン』は、日本語としては『非和声音(ひわせいおん)』とか、『和声外音(わせいがいおん)』とか呼ばれたりします。
さて、「コード・トーン」はそのまま「そのコードの構成音」のことなので比較的わかりやすいのですが、少し考えなくてはならないのが「ノンコード・トーン」の方です。
「そのコードのコード・トーン以外の音」と言われれば、まさにその通りなんですが、実際にそれらの音を楽曲の中で使おうとする場合、大きく2つのパターンを考える必要があります。
まず1つ目ですが、以前お話ししましたが、楽曲で主に使われるコードはその曲のkeyの基準となるスケールから成り立っていますね?
key=Cならば、Cメジャースケールの7音から、その曲で主に使われる各コード(ダイアトニックコード)が出来ているわけです。
※Cメジャースケール全体図
で、例えば、Cメジャースケールの構成音上に出来るCM7のコードならば、C、E、G、Bがコード・トーンで、残りのD、F、Aがノンコード・トーンになりますよね。
※key=Cの楽曲でCメジャースケール上に構成されるCM7の場合
ここで1つ、気を付けなければいけない事があるのですが、例えば、CM7の様な4和音(七の和音)であれば、コード・トーンとノンコード・トーンの分類は簡単です。
ですが楽曲の中で、「C」の様な純粋なトライアドが指定されている場合、7th音(M or m)をどう扱うか(そのトライアドの上で7度を鳴らせるのか)?と言う部分は、結構デリケートな問題になってきます。
トライアドと7th系のコードでは響きが全然違うので、トライアドにしておくべき場所で7th系の音を入れてしまうと、その響きが合わない場合があります。
この辺り、純粋なトライアドに対しては、7度の音はノンコード・トーン寄りに考えていた方が安全でしょう。
(※譜面にトライアドが指定されていても、「ここは4和音でもOK」と解釈して、7度まで鳴らして大丈夫な時もあります。)
ちょっと小難しく感じるかもしれませんが、現段階では単純に、『トライアドに対しては、7度の音は気を付ける』くらいに思っていてください。
さて、「ノンコード・トーンは、大きく2つのパターンを考える」と言う話の、ここまでが1つ目です。
これは「その楽曲のkeyの基準スケール内の音」で考えた場合ですね。
(※CキーならCメジャースケールの構成音内)
もう一つのパターンは、「基準スケール以外の音」のパターンです。
CキーならCメジャースケールのCDEFGAB以外の音、12平均律の全12音からダイアトニックスケールの7音を引いた、残りの5音(C♯、D♯、F♯、G♯、A♯など)のことですね。
これらの音は、普通に見たらノンコード・トーンっぽいですし、ダイアトニックコードのみの進行で、そのコードが鳴っている上でメロディーなどで経過的にちょろっと出てきた場合、ノンコード・トーンとして見ていいと思います。
※key=Cのダイアトニックコードのみの進行で、Cメジャースケール外の音が出てきた場合
ただ、部分転調の様なアレンジで、そのkeyのダイアトニックコード以外のコードが出てきて、元のキーの基準スケールに含まれない音が出てきたけれども、その時のコードの構成音である場合、その音はコード・トーンです。
※key=C(その楽曲の元々のキー)のダイアトニックコード以外のコードが出てくる進行で、そのコードの上でCメジャースケール外の音が出てきた場合
と、言う事で、2つ目のパターン、「その楽曲の基準スケール以外の音」が出てきたときはこんな感じで考えます。
ちょっと小難しい解説になってしまいましたが、最初に言ったように、コード・トーン、ノンコード・トーンとは、文字通り、『そのコードのトーン(構成音)か否か』と言うわけですね。
なので、前回(vol.28)学んだ『テンション』は『ノン・コードトーン』になります。
コードトーンじゃないもの(そのコードに対して安定感の薄い(低い)音)をコードに入れるから、「テンション(緊張)」が生まれる、と。
さて、新しい用語を2つ覚えたところで、最後の1つ、
『アヴォイド・ノート(avoid note)』
についても、軽く見ておきましょう。
各単語の意味を見ると、『避ける(avoid)、音、音符(note)』ということで、これもほぼそのままの意味ですが、実際のプレイ時の感覚で言うと、『(ある状況では)鳴らす事(使い方)に注意する音』みたいな感じです。
もう少し具体的には、
『絶対に鳴らしてはいけない時もあれば、一定の範囲なら鳴らしても大丈夫な時もある』
と言ったところでしょうか。
で、このアヴォイド・ノートなんですが、代表的なスケールには0~2音程度(大方1音)含まれていて、『そのスケールから構成されるコードの機能(≒響き)を阻害する』と言う考えから、設定されています。
なので『(そのコードの邪魔をするので)避ける音』の名の通り、アヴォイド・ノートは、ノン・コードトーンの内のどれかになります。
この辺りはちょっとルールがややこしいので、今は「そういうものがあるんだなー」くらいに思っていてください。
後々、必要な時にやっていきますので。
では、今回は以上です。
新しい3つの用語、
『コードトーン』
『ノンコード・トーン』
『アヴォイド・ノート』
それぞれ覚えておいてくださいね。
今後の解説で出てきますので。
ありがとうございました。
大沼
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