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【ギターと音楽の教科書】vol.45『基本のダイアトニックコード・アルペジオを覚える』

【vol.45】基本のダイアトニックコード・アルペジオを覚える

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※前回vol.44はこちら

こんにちは、大沼です。

前回は、インターバルからの逆算と言うことで、“Listen To The Music”の進行を例に、コードをインターバルに当てはめてみました。

それまでは、“コード進行を”インターバル的に見ていましたが、ここ2回のテキストでやったのは、その逆の作業ですね。

これらは、どちらの方向からでも出来ることが大事になってきますので、曲をコピーする度に分析する癖をつけましょう。

さて、では今回は、“基本のダイアトニックコード・アルペジオを覚える”と言うことで、

『指板上でコードトーン・アルペジオを弾くエクササイズ』

を弾いてみましょう。

“アルペジオ”というと、コード(フォーム)を押さえて「タ、タ、タ、ターン」と、弦を順番に、重ねて弾いていく奏法を思い浮かべるかもしれません。

しかし、今回トレーニングするものは、音を重ねずにコードトーンを1つずつ弾いていくものになります。

このトレーニングフレーズは、ギターソロで(ほぼ)そのまま使えたり、指板上でコードの構成音が様々な角度から見えるようになるものですので、早いうちにマスターしておくことをお勧めします。

では、まず設定するkeyですが、今回はkey=Dでいきます。

なぜいつものCではなくDなのかと言うと、練習フレーズの都合上、そちらの方が弾きやすくなるからですね。

何はともあれ、弾いてみれば解かります。

と、言う事で、key=D時のダイアトニックコードを確認してみましょう。

※key=D時のダイアトニックコード

Ⅰ、D (DM7)
Ⅱ、Em (Em7)
Ⅲ、F♯m (F♯m7)
Ⅳ、G (GM7)
Ⅴ、A (A7)
Ⅵ、Bm (Bm7)
Ⅶ、C♯m(♭5) (C♯m7(♭5))

当然ながら、key=Dの楽曲に対応するスケールは、Dメジャースケールですね。

今回のトレーニングは、上のコード一覧の左側、トライアドのコードを使って行います。

なので出てくる音は、root、3rd、5thのみになりますね。

各コードの、

・3rdが、M3rdになるのか、m3rdになるのか
・5thが、P5thになるのか、♭5th(dim5th)になるのか

これらを意識しながら練習していきましょう。

それでは、実際の練習フレーズは以下になります。

譜例、key=Dダイアトニックコード、コードトーン・アルペジオ / トライアド5弦ルート
※指使いは3種類あり、同じ形のものは省略しています

この譜例を基準に、トレーニングを行っていきます。

最初は譜例の通りに順に弾いていき、最後まで行ったら戻る、と言うように、上がったり下がったりを繰り返してみてください。

メジャーキーのダイアトニックコードには、

・メジャー系コード(メジャー・トライアド)
・マイナー系コード(マイナー・トライアド)
・マイナー♭5コード(ディミニッシュド・トライアド)

の3種類のトライアドが出てくるのですが、それらのコードの各フォームを、指板上で見ると以下のようになっています。

メジャー系コード(メジャー・トライアド)の5弦ルートのフォーム

マイナー系コード(マイナー・トライアド)の5弦ルートのフォーム

マイナー♭5(ディミニッシュド・トライアド)の5弦ルートのフォーム

5弦ルートのトライアドで見る場合、出てくるフォームはこの3種類になります。

この手のコードトーン・アルペジオのトレーニングは、上記以外にも色々なパターンが作れるのですが、まず最初は、これらのフォーム(と奏法)を覚えてください。

最終的には、様々なkeyで、このダイアトニックコードのアルペジオを弾けることが目標です。

鳴らす弦が移る時、音が重ならないように、不要弦のミュートに注意しながら、1音1音丁寧に弾いていきます。

さて、基本的なトレーニングフレーズを学んだところで、もう1つ、これを発展させた練習にチャレンジしてみましょう。

何をやるのかと言うと、単純に「3音刻みでこのフォームを弾いていく」と言うものなのですが、両手ともに非常に良いトレーニングになります。

以下の様なものですね。

譜例、key=D、ダイアトニックコード、コードトーン・アルペジオ / トライアド5弦ルート3音刻み

先ほどの譜例と同じ要領で、ダイアトニックコードの7つ全てをこの様に弾いて行きます。

7種のコード全てを書くと凄まじく長い譜面になるので、コード2つ分のみにしましたが、概要はわかってもらえると思います。

さて、今回の譜例は以上なのですが、これらのトレーニングが最終的に何に使えるのか?と言うと、大きく分けて2つあります。

1つめは、まず、指板上でダイアトニックコードが連結して見えて来る様になる事です。

今まで行ってきた、各種スケールトレーニングと組み合わせたり、それぞれのフォームや構成音、インターバルが、どういった位置関係になっているのか?

その辺りを意識しながら練習すると、より効果が実感出来るでしょう。

そしてもう1つは、ギターソロのフレーズとして(ほぼ)そのまま使える事ですね。

コードトーン・アルペジオ的なフレーズをソロで使う、と言うのは、1つの鉄板の奏法なのですが、今回覚えたのは、その基礎となるフォームですね。

これらをそのまま使っても、サマになることも多いですし、深く勉強していくと、もっと高度な演奏に発展していきます。

今までコピーしたことのあるソロを振り返って見たら、近しい形が使われている可能性もあるでしょう。

今回のフォームは、そのままではそこまで使われませんが、例えば大きく指板上を動くスウィープ形のフレーズも、こう言ったコードトーン・アルペジオのフォームが元になっていたりします。

あとは、使い方によっては、ワザと半音ずらしたりして、アウトっぽい感じ(調性=keyから離したり、近づけたり)を、手軽に表現することも出来ますね。

フュージョンのようなジャンルが好きな人は、必須と言ってもいいでしょう。

この辺りのソロのアプローチは、講座の後半の方で触れていこうかと思っています。

では、今回は以上になります。

ありがとうございました。

大沼

※次回vol.46はこちら

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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