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【ギターと音楽の教科書】vol.20『Queenの名曲に学ぶ、メジャースケール活用法 その2』

【vol.20】Queenの名曲に学ぶ、メジャースケール活用法、その2

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こんにちは、大沼です。

今回も前回(vol.19)に引き続き、メジャースケールの実戦フレーズを練習して行きましょう。

参考にする楽曲は、これまた『Queen』で、“I Was Born To Love You”です。

一時期、TVなどで頻繁に流れていたので、知っている人は知っている曲でしょう。

今回は、この曲のギターソロからメジャースケールの活用例とプレイのアイディアを学んでいきます。

前回もそうでしたが、クイーンの有名な曲(特に明るい(雰囲気の)曲)は、メジャースケールやメジャーペンタの事例としてかなり参考になるんですよね。

メジャースケールは、現状、全てのスケールを考える時の基準となっているスケールですが、耳馴染みがありすぎてフツーのモノにしか聴こえないスケールなので、上手く使わないと、なんだかのっぺりしたようなイモくさい感じになったりします。

ですが今回の楽曲のソロは、ブライアン・メイのセンスによって、スリリングでカッコいいフレーズに仕立て上げられていますね。

クイーンは曲も良くて聴きやすいですし、ギターも参考になるということで、研究対象としてはもってこいだと思います。

もしかしたら、今後も参考事例として取り上げるかもしれませんが、クイーンが好きな人は色々とコピーしてみると良い勉強になるでしょう。

それでは、実戦の方に入っていきましょうか。

まずはkeyの確認ですが、“I Was Born To Love You”はkey=A♭になっています。

なので、基本的にA♭メジャースケールを使って演奏されている事になりますね。

使うスケールが「A♭メジャースケール」と言う事は、ギター的には、「トニックをA♭に見て(設定して)メジャースケール(のポジション)を弾く」と言う事ですね。

前回と同じく、こう言われて、覚えているポジションをすぐに指板上に見ることが出来て、パッとそのスケールを弾ける、というレベルを目指してください。

ソロの構成としては、前半はメロディックなリード、後半はハードロックやヘヴィメタルでおなじみの、ツインギターによるハモリのパターンです。

テクニック的には、そんなにとんでもない事はしていませんが、楽曲のテンポがそこそこ速いので、ギターソロとしてはそれなりの難易度になっています。

1つ1つのフレーズの意味を考えながら、じっくりとマスターしていきましょう。

それでは、サンプル譜例は以下になります。

Youtube原曲リンク
https://youtu.be/Fna56a_r41s

※万が一、リンク先の動画が削除されている場合は、音源を購入するか、曲名等で検索してください。

譜例、『Queen』 “I Was Born To Love You ” 2:45~風フレーズ

※それなりに細かいフレーズが続きますので、原曲のテンポで弾くのが厳しい場合は、自分の弾けるテンポで弾いてもらって構いません。

※ある程度フレーズ同士がキチンと繋がるように作ってありますので、指使いを考えてみましょう。

主に使っているポジションは、毎度おなじみのこの2つです。

※スケール表で音名の♭表記が出来ないので、G#をA♭、A#をB♭、C#をD♭、D#をE♭と読みかえて図を見てください。

ちなみに9小節目以降のフレーズでは、実は使っているスケールがA♭メジャースケールからE♭メジャースケールに変わっています。

使っているポジション(形)も上記のものとほぼ同じなので、トニックをE♭に変えてそれぞれを確認しておきましょう。

ここは「何故そうなっている(している)のか?」を、理論的にも説明できますが、現段階ではその前提知識を学んでいませんので、細かいことは気にせず「そういうアレンジなんだな」と、思っていてください。

※簡単に説明してしまえば「9小節目から転調している(様に見なしている)」という感じです。

前回にも言えることですが、原曲のフレーズ(というかソロ全体の構築)を簡単に分析すると、
『ゆったりめのメロディックなパート⇒段々と音数を増やしたりしてスリリングにしていく⇒ピークに達する⇒次のパートに繋ぐようなフレーズ(パート)』
という感じになっていますね。

この曲の場合で言えば、ギターソロの終り頃からサビに向かって強めのコーラスが入っているので、ソロの方もその辺りはかなりテンション高めですが。
(※サンプルの譜例もそういった展開を意識して作っています)

さらに、ソロ後のサビ中から曲のラストまでずっとギターのリードが続いているので、そこまで含めて全体として見てもいいかもしれませんね。

ギタープレイのテクニカルな面としては、激しめのチョーキングやビブラート、ランフレーズ、リニア(直線、指版の横方向)にスケールを移動するフレーズと、ロック系ギターのベーシックなテクニックが詰まっています。

これまでは、スケールポジションを主に縦方向(6弦⇔1弦)に見てきましたが、サンプル譜例の15小節目の様な、横に動かす見方も意識しておきましょう。

最終的には、どの弦でも、トニックがどこにあって、左右に何フレット動けば、スケールの次の音になるのか?を把握できるレベルを目指します。

さて、こうしてみると、16小節程度の長さのソロですが、沢山のアイディアが詰まっていることがわかりますね。

今回のテキストで解説したように、フレーズを分析し自分の中に取り入れて、それを実際に他で使うことによって、自分自身のネタとなっていきます。

その分析の際に使えると便利なのが、スケールなどの、音楽理論の知識です。

例えばメジャースケールなどの楽典を知らなくても、1音1音拾っていけば、これらのソロを耳コピすることは可能です。

僕も理論(や楽典)をほとんど知らなかった中高生の頃は、そうやって耳コピしていました。

ただ、同じ耳コピでも、最初に曲を分析して(具体的には曲のkeyやコード進行など)、「このソロはA♭メジャースケールである」ということをわかって耳コピするのと、そうでないのとでは、圧倒的に効率に差が出ます。

後、僕が「音楽をやるにあたって、最低でも基礎理論は必須である」として、こうして講座をやっているのは、それを知らないと楽曲(と言うか音楽そのもの)の分析ができないから、ですね。

ここまでの講座で色々な事を学びましたが、講座を始める前とは、曲を聴いていて見える世界が変わってきていませんか?

それが音楽の知識や感覚が身についてきた、成長の証です。

改めて、今後もじっくりと上達していきましょう。

では、今回は以上になります。

ありがとうございました。

大沼

※次回(vol.21)はこちら

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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