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【ギターと音楽の教科書】vol.21『7つの海ならぬ、7つのスケールポジション~その1~』

【vol.21】7つの海ならぬ、7つのスケールポジション~その1~

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※前回(vol.20)の記事はこちらから

こんにちは、大沼です。

さて、これまでの講座で、メジャースケールの基本的な部分と、クイーンの曲を題材に実用例を少し学びましたね。

新しい音楽用語として、『インターバル』が出てきたり、メジャースケールのポジションもいくつか練習しました。

一通り、暗記と実践を行ったと言う事で、今回からまた先に進みましょう。

以前の講座で、「メジャースケールは7音のスケールなので、スケールをスタートするポイントが7つできる」と言うみたいな事をチラッとお話ししました。

要するに、指板全体で、7箇所(種類)のスケールポジションが出来上がるわけですね。

具体的には、「ドレミファソラシ」のドからスタートするポジション、レからスタートするポジション、ミから、ファから、ソから・・・と、こう言った感じです。

それで、合計7ポジション。

今回からは、その7ポジションを全て覚えていきます。

正直、量があるので、これらを全て覚えるのにはある程度の時間が必要でしょう。

僕自身も、学生の頃、暗記に一週間はかけました。

実際の所、毎日この7ポジションのトレーニングをしていれば、暗記自体は一週間もかかりません。

ですが、左手がポジションに慣れるまで、ほぼ間違わずに各ポジションを弾けるようになるまでに1週間くらい。

で、さらに手に馴染ませるのに、1ヶ月くらいを目安に練習を続け、そしてその後は、現在に至るまでずっと毎日、何かしらのスケールトレーニングをしています。

それくらい、『スケールトレーニング』というのはギター練習の基本なのです。

もしかしたら、あなたの今までのギター暦の中で、ここまで大量の暗記をするのは、初めての体験になるかもしれません。

僕も、「今回の内容をいつ頃出すのか?」については結構悩みました。

これまでの講座でも、スケールポジションはそれなりの量をやってきましたが、今回は、『それらを含みつつ、指板上全てを把握する』基本となる内容です。

いきなり最初の方にやってもいいんですが、「指板上全てを把握する」のですから、そんなにお手軽にできるわけがありませんよね。

なので、小出しにして、「先にやっておいたら後々楽かなー」と思う様な内容をこれまでやってきました。

今回覚える7ポジションは、一度覚えてしまえば、今後どんなことを学ぶにしても役に立つ内容なのですが、スケールの暗記(と言うか構造)に慣れていない内は、覚えるのに少し時間が掛かるかもしれません。

ですが、キチンと把握できた際には、今までとは比べ物にならないくらいの「ギターの指板全体に対する理解の深さと自由さ」を感じることができるでしょう。

ここは本当に頑張って覚えてもらいたいと思っています。

それでは、やっていきましょうか。

まずはざっと、指板上で覚えるポジションの全体図を見てみましょう。

この図に配置されている音はCメジャースケールの構成音なわけですが、まずは6弦上の音を基準にして、これを7箇所に区切ります。

で、C(ド)からスタートするポジション、D(レ)からスタートするポジション、Eから、Fから~、とそれぞれやって行くわけですね。

量が多いので、今回は7つの内、4つのポジションを学びます。

と言っても、C音からスタートするポジションは以前やっているので、実質3ポジションです。

それで残りは次回ですね。

後、もう1つの要素として、どこかで聞いたことがあるかも知れませんが、「ドリアンスケール」やら、「ミクソリディアンスケール」やら、各スケールポジションにワケのわからない名前が付いていたりします。

このよくわからないスケールの名前は、『チャーチモード』と言って、昔、教会音楽で使われていた旋法(≒スケールの事だと今は思っていて下さい)が、今でもほぼそのまま使われているので、その頃の名前で呼んでいるだけです。

とりあえず、名前の意味や各スケールの構造は置いといて、ポジションと名前を一致させる事だけは、今の内にやっておきましょう。

その方が、後々楽になりますので。

ではまず、1つ目のポジションはここです。

以前やったポジションなので、特に解説はいらないでしょう。

6弦8フレットのC音を基準に、スケールを弾いて覚えます。

チャーチモード的な呼び方としては、『アイオニアンスケール(Ionian scale) 』もしくは、『イオニアンスケール』と呼びます。

どちらでも良いので、名前は覚えて置いてくださいね。

構造としては、『メジャースケール』=『アイオニアン(イオニアン)スケール』なので、どちらの名前で呼んでも、同じ音構成のスケールを指しています。

ちなみにアイオニアンもそうですが、この後に出てくる全てのスケールの名前は、正確には、「ポジションの形」に付いているのでは無く、「スケールを始めている1音目からの音の並び方(構造)」に対して付いています。

これは、細かいことは後々解説していきますが、『どの音を主音(トニック、tonic)に設定して、そこからどういう間隔(インターバル、interval)で音が並んでいるのか?』によって、スケールの響き方が変わる為、その分類としての名前です。

今、学んでいる7つのポジションは、Cメジャースケールを基本に考えているため、出てくる音はCDEFGABの7音のみですが、各ポジション(と言うかスケール)ごとに、響きが全然違います。

見た目的には、始める音を変えているだけの様に見えますが、実態としては、7種類の全く違うスケールを覚えていることになります。

それぞれの音を良ーく聴きながら、ゆっくりと弾いてみれば、各ポジション(スケール)の響きの違いが分かるかもしれません。
(※この後に出てくる練習譜例とは少し違ってきますが、他の回でやった「tonicに始まりtonicに終わる」という弾き方で弾いてみましょう。)

とは言え、耳が慣れていない内は、違いが分からないのが普通ですので、とりあえず現段階では、ポジションとスケール名を一致させておけばOKです。

では次の、D(レ)から始まるポジションに行きましょうか。

6弦10フレット、D音を基準にしてスケールを弾いてください。

ここはチャーチモード的な呼び方としては、『ドリアンスケール』を弾いていることになります。

この「ドリアンスケール」がどういったものなのか?と言う事については、今解説すると頭がこんがらがってくると思うので、後々やります

とりあえず現段階では、
『Cメジャースケールの構成音を使って、指板上の全7ポジションを把握しようとしている。 そのついでに、チャーチモードの7つのスケールの名前も覚えている』
と思っていてください。

で、このポジションの事をまとめると、
ここのポジションは、CメジャースケールのD音から始めたポジションであり、かつ、「ドリアンスケール」のポジション(音の並び)でもある、と。
まずはこれで十分ですので。

と言う事で、次にいきましょう。

3つ目のポジションです。

ここは6弦12フレット、E音を基準にしてスケールを弾きます。

このポジションは、1オクターブ下でもまったく同じスケールが弾けますね。

慣れてきたら、両方弾けるようにしておきましょう。

ここのポジションは、CメジャースケールのE音から始めたポジションであり、チャーチモード的には、「フリジアンスケール」のポジション(音の並び)でもある
と、そう把握しておいて下さい。

では、今回最後、4つ目ですね。

場所としては、先ほどのものと同じですが、基準とする音を、6弦13フレットF音に持ってきます。

ここは、CメジャースケールのF音から始めたポジションであり、チャーチモード的には、「リディアンスケール」のポジション(音の並び)でもある

と、こうなります。

ここも、フリジアンのポジションと同じように、1オクターブ下でも弾くことができますね。

さて、今回は以上になりますが、新しい用語(スケールの名前)が沢山出てきました。

それぞれのスケールにはちゃんと特徴があるのですが、まだ、それを解説する前にやらなければならないことがありますので、今は名前(と対応するポジション)だけ心に留めておいてください。

現状、「Cメジャースケールを指板全体で覚えている+α」と言ったレベルの把握でも十分です。

スケールの練習譜例は、ただ真っ直ぐ上がって下がるだけのものを載せましたが、以前やった、4音刻み、3音刻みで進んで行く練習もしてみて下さい。

その他にも、
・今まで学んできたものと、どう関連付けができるのか?
・今、自分の知っていることと、一致するのものはないか?
などと、思考しながら練習していきましょう。

スケールトレーニングには、日常的に行うことによって、左手にスケール感覚が身についたり、イヤートレーニングとしての音感強化の側面など、様々な効果があります。

これらは、テクニックの上達についてはもちろんですが、なにより、「耳コピ」ができるようになる為の基礎の力になります。

『耳で聴いてわかる』というのは、音楽をやる上で最も重要で、かつ最強のスキルなので、その状態を目指して頑張っていきましょう。

では、次回に続きます。

ありがとうございました。

大沼

※次回(vol.22)はこちら

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名前:大沼俊一

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