【vol28.75】コード(コードネーム)の表記について
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こんにちは、大沼です。
今回は『コード(コードネーム)の表記』について、正確に理解しておこう、という内容です。
もしかしたらとっくに知っているかもしれませんが、改めて、ということで。
実際問題、先にやったインターバルの事(分類)をちゃんと知っていないと、コードネームの表記も「完全にわかっている」とは言えなかったりもします。
では、やっていきましょうか。
まずは、コード表記の基本的な構成はこのようになっています。
ご存知の通り、一番左にはそのコードのルート音が表示されますね。
コード(和音)の最小単位としては、「和音」と言う言葉の通りに解釈すれば、2音を同時に鳴らした2和音になるかと思いますが、実際の所、一般的な音楽理論としてはトライアド(3和音)がコードの最小構成の様に扱われていますね。
(※ギターのパワーコードみたいなものは少し例外的なプレイ)
なので、コード表記も一応、3和音を最小の様に扱っていて、
『C』の様な表記のメジャーコードならば、root、M3rd、P5th(C、E、G)のメジャートライアドである事を表していて、
『Cm』の様な表記のマイナーコードならば、root、m3rd、P5th(C、E♭、G)のマイナートライアドである事を表しています。
我々が演奏している様なポピュラーミュージックでは、このアルファベットで表す『X』 or 『Xm』が基本の表記ですね。
次に、3rdの位置の表記についてですが、
ここは、そのコードがM3rdを含むメジャー系のコードならば、3rdの為の表記は省略されて何もつきません。
『C』とか『G』とか、そういう場合ですね。
逆にm3rdを含むマイナー系のコードの場合は、小文字の「m」がつきます。
『Am』、『Dm』などと言った様に。
まとめると、
3rdの表記は、メジャー系のコードなら省略、マイナー系のコードなら小文字の「m」
と、こういうことです。
続いて、3rdの表記に関連しているのが7thです。
ここは3rdの時とは逆で、そのコードに含まれる7thが、M7thならば大文字の『M』が付き、m7th(♭7th)ならば表記が省略されます。
例えば、『CM7』というコードならば、M3rdとM7thが含まれているので、root、M3rd、P5thのトライアドで『C』 + M7thを表す『M7』で『CM7』。
『Cm7』ならば、m3rdとm7th(♭7th)が含まれているので、
root、m3rd、P5thのマイナートライアドで『Cm』 + m7thを表す『7』で『Cm7』。
『C7』ならば、M3rdとm7thなので、root、M3rd、P5thのトライアドで『C』 + m7thを表す『7』で『C7』。
『CmM7』ならばm3rdとM7thなので、root、m3rd、P5thのマイナートライアドで『Cm』 + M7thを表す『M7』で『CmM7』。
と、この様に、主にメジャー(M)、マイナー(m)の2種類が使われる3rdと7thの表記を逆にすることによって、一目で構成が分かるようになっています。
ちなみに、この7th系の4和音の他に、もう1つ頻繁に使われる4和音として、トライアドにM6thを加えた6th系のコード(シックス(ス)コード)があります。
この場合、コード表記は、7thの位置に代わりに『6』の数字が入り、『C6』や『Cm6』の様な感じになります。
コードとしては、そこにさらにM7th音が乗る場合もあるようですが、今のところ、僕自身は実際の演奏の場では見たことがありません。
(※書籍でのみ確認)
とりあえず、シックス(ス)コードは基本的に『root、3rd(M or m)、P5th』+『M6th』と言った状態だと思っていれば大丈夫でしょう。
後、6th系のコード(シックス(ス)コード)は、あくまで『M6th』が乗るのであり、『m6th』が乗るのではありません。
(※大本の理由としては、m6thだとトライアドのP5thと半音でぶつかるからでしょう。展開系云々の話もありますが)
そして、これは結構重要な事なんですが、ここでの6thの分類はテンションの13thとは違う意味で使っています。
テンションとは、『トライアド(3和音)』もしくは『7th系か6th系の4和音』の、3種類の基本のコードに、さらに(コード・トーン外の)音を加える、と言う考え方です。
ここでのシックスコードは、『トライアドにM6thを加えた4和音』の分類の事なので、はっきりと分けて考えて下さいね。
さて、次に5thの位置ですが、
比較的、構成のシンプルなロック&ポップス系の楽曲であれば、その曲で使われるコードに含まれる5thの音はほぼP5thなので、多くの場合ここには何も表示されません。
ここに5th系の表記がされる時は、主にそのコードの5thが、♯5th(aug5)か♭5th(dim5)になっている時です。
そういう場合は、「このコードは5thを#か♭させるんだよ」ということで、5thに対する表記がされます。
例えば、以前学んだ、メジャーキーのダイアトニックコードの7度に、5thが♭しているコードがありましたね。(※Cキーの場合はBm7(♭5))
※表記例
こう言ったもの以外に、5度を♯か♭させる表記としては、
オーギュメント系のコード(root、M3rd、♯5th(aug5))で、『Caug』や『C+』、『C(♯5)』の様な表記だったり、
ディミニッシュ系のコード(root、m3rd、♭5th(dim5))として、『Cm(♭5)』、『Cdim』、『C○(←これは多くの場合dim7ですが)』
の様な表記が出てきたりします。
(※「♭5」を「-5」と表すものもよく見ます)
後は、少しイレギュラーな表記になるかもしれませんが、1度+5度のパワーコードの指定として、『C5』みたいなモノもたまに出てきますね。
(※主にギター用の譜面でですが)
まあ、5thの表記に指定がある場合は、大体が(シンプルなジャンルにとっては)少し特殊なコードなので、最初はコードフォームごと、それはそれとして覚えてしまうのがいいでしょう。
(※dimコード(減七の和音)については別の機会に解説します)
続いて、「テンション」の表記ですが、そのコードに指定のテンションを入れて欲しい場合、多くの場合、コードのネームの右上にカッコをつけてその中に表記します。
※表記例
こんな感じですね。
複数のテンションを指定する場合はカッコ内で縦に並べたりもします。
逆に、音楽理論的に、どのコードにどのテンションを入れられるのかがわかっているようなメンバーに譜面を見せる場合は、テンションについてはまったく表記せずにトライアドか7thコードの表記にして演奏者に任せてしまう事もあります。
その場合は、曲調やその時の雰囲気などから判断して、演奏者は「テンションを入れるかどうか?」を決めます。
最後に、これまでの内容を踏まえた上で、
『テンションを含む4和音以上のコード表記』について
見ていきましょう。
多くの場合、テンションコードはroot、3rd、5th、7th、までの4和音にさらに9th、11th、13thのどれかもしくは複数を入れる、と言う状態ですね。
(※add9などはトライアド+テンションですが)
この『4和音』+『テンション』の場合、『Cm11』や『C13』というように、7度を省略して、加えるテンションまでの表記を一気にしてしまうことがあります。
このような場合、実際の演奏上での解釈の仕方は2パターンあって、例えば『Cm11』ならば、
1、『rootからm3rd、P5th、m7th、9th、11thまで全て入っている』という意味
(※アヴォイド・ノート以外)
2、『root、m3rd、P5th、m7thの4和音に11thのみを加える』と言う意味
の、(大方)どちらかです。
理論書などを見てみると、「総合的な和音(和声)の解説」では1、「実際の譜面上での解釈の解説」では2、となっている様に感じます。
どちらにせよ、ギターでは一度に鳴らせる音数に限度があり、鳴らす音を選ぶことになるので、実際のプレイでは2を基準に見ておくのがベターでしょう。
最終的に、その時、表記したテンションを全て鳴らす必要がある場合、アンサンブル全体で、そのコードの指定する音を分担すれば良いので「一人で馬鹿正直に全部鳴らすべき」というものでもありません。
この辺り、コード表記と実際のプレイの齟齬を無くすための方法としては、『鳴らしてほしいテンションをカッコで括って示す』と言うものがあります。
先ほども似たような画像を載せましたがこんな感じですね。
※『Cm11』の場合
1、『Cm7 の4和音に、9th、11thと、入れられるテンションを全て』→『Cm11』
2、『Cm7の4和音+11th』→『Cm7(11)』
現実的にはこれが一番わかりやすいと思いますし、実際に大抵の場面ではこうなっているでしょう。
後、先ほども少し書きましたが、重要なポイントとして、上の1の様に、テンションを表記した数字まで全て入れる場合、いずれかがアヴォイド・ノートになるならばその音は省きます。
この辺りは、この講座ではまだ扱っていないのでなんとなくの理解で良いんですが、テンションの乗せ方にも法則みたいなモノがあり、状況に寄る所もあるので臨機応変に対応していく部分になります。
さて、コード表記の決まり事としては、大方、ここに挙げたような感じなのですが、実際は、状況によって意味していることが少し変わったり、人によって書き方が若干違っていたりすることもあります。笑
なので、そういう場合は、その時々で確認しながら対応してください。
ここまで一気に解説したので、まだ混乱しているかも知れませんが、日々の練習の中で使っていき、段々と慣れてきましょう。
一度覚えてしまえば便利なものですので。
では今回は以上になります。
ありがとうございました。
大沼
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