【vol.30】楽曲の成り立ちを考えてみる ~その2~
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こんにちは、大沼です。
『楽曲の成り立ちを考えてみる~その2~』と言う事で、今回もやっていきましょう。
前回は、ダイアトニックコードの基本的な考え方の解説で終わってしまいましたが、今回こそは、課題曲に入っていきたいと思います。
と、言いつつも、テキストを作ってみたら、イントロの4小節しか進まなかったんですが・・・。
まあこれも、極力細かく解説している代償だと思ってもう、じっくりとやって行くことにしましょう。
その解説も、最近覚えたばかりの音楽用語のオンパレードで、文章がややこしくなってますし。
何事も最初が肝心ですからね。
さて、前回の内容をざっと確認しておくと、『let it be』という楽曲は、
・key=Cである
・key=Cなので、Cメジャースケールがこの曲の基準スケールとなる
・主にkey=Cのダイアトニックコードである、C、Dm、Em、F、G、Am、Bm♭5の
7つのコードで構成されている
と、こう言うことでした。
これらを踏まえた上で、早速、実際のコード進行を確認していきましょう。
まずはイントロからです。細かくピアノの音の動きを採ると、もうちょっとコード表記を動かしてもいい気もしますが、理論をわかりやすくするために、シンプルにしたものを見ていきます。
※『Let it be』 0:00~
譜面の通り、大きくは2拍ごとのコードチェンジです。
見ての通り、Cキーのダイアトニックコードの中から、C、G、Am、Fのコードが使われています。
この曲のことをまったく知らない状態でも、理論がわかっていると、このコード進行を見ただけで曲のkeyが判別できてしまいます。
(※少なくともこの4小節間の部分は)
なぜなら、この種類のコードの組み合わせが出てくるキーはCキーしかないから、ですね。
(※わかる人にはわかると思いますが、Amキーについてはマイナーキーの解説の時にやります)
ここでもう一度、Cキーのダイアトニックコードを見てみましょう。
1、C
2、Dm
3、Em
4、F
5、G
6、Am
7、Bm(♭5)
この中のコードの種類に注目してみると、
メジャー系のコードが、C、F、Gの3つ。(※4和音ならばCM7、FM7、G7)
マイナー系のコードが、Dm、Em、Amの3つ。(※4和音ならばDm7、Em7、Am7)
マイナー♭5のコードが、Bm(♭5)の1つ(※4和音ならばBm7(♭5))
※Bm♭5もマイナー系のコードですが、とりあえず今は分けて考えておきましょう。
ですね。
そのkeyとスケールに対応したダイアトニックコードというものは、仕組み上必ず、
メジャー系のコードが3つ、マイナー系のコードが3つ、マイナー♭5のコードが1つ、
と、このような数に分かれます。
(※通常のチャーチ・モード準拠の曲であれば)
これは基本的な仕組みとして、文字通り『必ず』こうなります。
これをベースに、必要に応じて特殊なコードアレンジをしたりしなかったりするわけですが、それは、最初にこのルールがあってのものです。
この辺り、重要な事なので、もう少し、詳しく見ていきましょうか。
まず、keyが決まって(決めて)、それと同時に、そのkeyに対応したスケールが決まりますね。
例としては、いつも通り、key=Cで、対応するスケールはCメジャースケールでいきましょうか。
次に、Cメジャースケールの構成音を、トニックであるC音から順番に並べます。
1、C
2、D
3、E
4、F
5、G
6、A
7、B
構成音は7音なのでこうですね。
ここから、前回解説した、Cメジャースケールのそれぞれの音をルートにして、
1音おきに音を重ねてコードを構成すると、
1、C (CM7)
2、Dm (Dm7)
3、Em (Em7)
4、F (FM7)
5、G (G7)
6、Am (Am7)
7、Bm(♭5) (Bm7(♭5))
と、自然とこのようになるわけです。
これはトーナル・センターをどの音にして、どのメジャースケールに当てはめてみても、この順番でこのコード群が出来上がります。
試しに他のkeyでもやってみましょう。
他にもう1つ、とある楽曲があったとして、key=Eだとしましょうか。
Eキーということは、基準スケールはEメジャースケールですよね。
トニックであるE音から、メジャースケールの全全半全全全半のインターバルで
音を並べるとこうなります。
1、E
2、F♯
3、G♯
4、A
5、B
6、C♯
7、D♯
要するに、Eメジャースケールの構成音は、E、F♯、G♯、A、B、C♯、D♯の7音である、ということですね。※(ギターの指板上で確認してみましょう)
で、この構成音をルートに、音を積み重ねて、Eキーのダイアトニックコードを構成すると、
1、E
2、F#m
3、G#m
4、A
5、B
6、C#m
7、D#m(♭5)
と、こうなるのです。
こうなるのです、と言われても・・・、と思うかも知れませんが、自然とこうなってしまうのですね。
先にも書きましたが、どの音をトーナル・センターにしても、必ずこのダイアニックコードの構成になります。(※メジャーキーの場合)
仕組み的にここまで限定されるのですから、まったく知らない曲でも、ベース音やコードを2つ3つ聴き取れれば、かなりの確率でその曲のkeyがわかります。
この様な音楽の構造があるので、let it beという曲自体を知らなくても、耳コピと音楽理論の複合技で、キー判別から曲全体のコピー、把握へと繋がるのです。
とまあ、この一曲だけを見てみても、まだあまり実感が湧かないかもしれませんが、今後も引き続き、色々な楽曲で理論の使い方やコード分析の内容はやっていきますので。
というか、まだlet it beも全部終わっていないですしね。
では、短いですが、今回は以上になります。
今回学んだ事としては、
『keyと、そのkeyの基準スケールからのダイアトニックコードの導き方』
ですね。
まだまだ知識の扱いに慣れないかもしれませんが、こう言った事をずっと考えて音楽をやってると、キーを確認しただけで、パッと7つのダイアトニックコードが頭に浮かぶようになったりします。
初期段階では、コピーや作曲をしていてキーを決めたら(分かったら)、ノートなどに書き出して、パッと見れるようにまとめておくといいですね。
今回例に挙げた、CとE以外のキーでも、同じ様にダイアトニックコードを割り出してみましょう。
ではまた次回。
ありがとうございました。
大沼
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