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【ギターと音楽の教科書】vol.26『key(キー) のあれこれ~その2~‏』

【vol.26】『key(キー)』のあれこれ~その2~

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※前回(vol.25)はこちら

どうも、大沼です。

「『key』のあれこれ~その2~」ということで、引き続き「keyとはどういったものなのか?」について解説していきたいと思います。

まずは、前回の内容を確認しておきましょうか。

大きく分けて2つありましたね。

・keyというものは、
『その曲の基準(中心)となる音(1音)と音階(スケール)はこれですよ』
ということを表したものである

・key=X( or Xm)と表された時の『X』にあたる音名を、トーナルセンター(もしくはキーセンター)と呼び、そのkeyは、そのトーナルセンターの音を基準(中心)として成り立っている

と、言うことでした。

今回は、それらを踏まえた上で、
『そのkeyに対応する、基準のスケール』
について考えていきましょう。

先ほどの前回の復習の内の1つに、
keyとは『その曲の基準(中心)となる音(1音)と音階(スケール)はこれですよ』
という一文がありますね?

そこには「基準となる音階(スケール)もわかる」と書いてあります。

文字通り、音階=スケールなので、この一文が意味している通り、
『keyがわかると、そのkeyの楽曲でメインに使われている音階(=スケール)もわかる』
のです。

要するに、そのkeyの楽曲では、演奏(もしくは作曲等でも)において、どのスケールを基本的に使えば良いのかがわかる、と。

例を挙げましょう。

毎度おなじみの、『key=C』の時、トーナルセンターは「C音」ですね。

そして、key=Cという表記はメジャーキーを表しているので、
(その楽曲では)「キーセンターをC音としたメジャースケール、即ち、『Cメジャー(アイオニアン)スケール』が基準となるスケールである」
と、こういうことです。

単純な話ですね。

とある曲が「key=X」だとしたら、Xメジャースケールの音階で、メロディーからコードの構成音など、何から何までそのスケールの構成音で成り立っています。

例えばkey=Cならば、「Cメジャースケール=CDEFGAB」の各音の組み合わせで、その曲の大半が成り立ってるということです。

ただ、「大半」と書いたのは、例外として、楽曲のアレンジとしての「転調」や「部分転調」が使われている箇所では、そのkeyの構成音以外の音が出て来るからです。

「転調=調を変える=keyを変える(調=key)」ということなので、転調の前後では、楽曲の構成要素(=使用されるスケールとそれに付随するもの)が変わりますよね?

そういった、イレギュラーな箇所以外は、最初に設定したkeyから導き出される構成音で楽曲の各パーツが出来ている、と。

纏めると、key=Cの曲ならば、
・そのkeyの基準となる音、トーナルセンターは「C音」
・基準となるスケールは「Cメジャー(アイオニアン)スケール」

と、こうなる、と言う事です。

これはメジャーキーならば、トーナルセンターがどの音になっても一緒です。

例えば、key=G♯ならば、トーナルセンターが「G♯音」、基準スケールは「G♯メジャースケール」となります。

key=E♭ならば、トーナルセンターは「E♭音」、基準スケールは「E♭メジャースケール」。

どれも同じ理屈ですね。

次に、マイナーキーの場合ですが、これもメジャーキーと概要は同じ。

key=Amならば、トーナルセンターは「A音」で、基準となるスケールは「Aナチュラルマイナー(エオリアン)スケール」となります。

ナチュラルマイナースケールについては、現段階ではまだ、ほぼ何も解説していませんが、とりあえずマイナーキーの表記との関連性だけ覚えておいてください。

我々が主に演奏しているような、西洋音楽ベースのロジックでは、
・メジャー(アイオニアン)スケールを基準にしたメジャーキー
・ナチュラルマイナー(エオリアン)スケールを基準にしたマイナーキー

の2種類が楽曲を考えるときの基準になっています。

何故そうなっているのか?についてですが、これは結局、音楽の歴史上、色々な人が色々な事をやって行く中で、西洋音楽ではそう纏まっていった様です。

ちなみに、西洋音楽以外の文化圏にある国の音楽では、我々が今学んでいる様なロジックとは違う構造のものが沢山ありますので、興味のある人は調べてみると面白いと思います。

後は、説明するのをすっかり忘れていましたが、「メジャーキー」は日本語では「長調(ちょうちょう)」
、「マイナーキー」は日本語では「短調(たんちょう)」と訳されていますね。

クラシックの楽曲タイトルにある、「なんとかかんとか(←タイトル)、ホ短調」みたいなヤツです。

カタカナの音名は「ABCDEFG」のアルファベットの音名を、日本語での「イロハニホヘト」に順に当てはめてればOKです。

ついでにこの辺りも覚えておきましょう。

さて、一度に多くの事を解説しても消化が大変なので、今回はここまでにしましょうか。

何故、上級者は耳コピ(聴音、採譜)が早いのか?についての1つの理由として、今回やったような『keyとスケールの関係性を理解している』ということが挙げられます。

例えば、耳コピしようとしている曲があって、その曲が「key=C」だと言うことがわかった場合。

その時点で、大方、Cメジャースケールの構成音で、楽曲の要素が構成されていることが分かりますよね?

さらに、ちょっと前に学んだダイアトニックコードの知識を組み合わせると、その曲を構成しているコードは、ほとんどが、
C(CM7)、Dm(Dm7)、Em(Em7)、F(FM7)、G(G7)、Am(Am7)、Bm(♭5)(Bm7(♭5))
の7つであることがわかります。

ここまでわかると、ベースやギターのルート音(大概その時鳴っている1番低い音)を聴き取れれば、それだけでそのコードがわかってしまうのです。

例えば、ベースがC音→A音→D音→G音というように、それぞれ1小節ごとに弾いていた場合、その4小節のコード進行は、key=Cの曲ならば、大方、C(CM7)→Am(Am7)→Dm(Dm7)→G(G7)となっています。

この時点で、最近この講座でやっているような基礎理論をわかっていない場合と比べると、段違いの速さでコードを聴き取ることが可能なのがわかるでしょう。

正確には、耳コピというものは、

『知識(理論、楽典) + 感性(音感) +経験(予測)』

の各スキルを複合的に使って、音(プレイ)を聴き取る行為です。(※後は「根気」も必要かもしれません)

一般的に『耳コピが出来ない』という場合、上記3つのスキルのどれかが不足しているのです。
(※多くの場合、3つ全てが不足している)

今、この講座では、主に「知識」の部分を学んでいますね。

過去に、音楽に一定量関わった経験のない人の場合、まず、耳(音感)が育っていません。

そういう場合は、知識(理論)をまずは学び、そこから感性(音感)につなげていくことをお勧めします。

まあ、理想なのは、学んだ理論をすぐに使って、知識と感性をほぼ同時に鍛えていくことなんですが。

「耳コピが大事」ということがわかっていても、多くの人がそれを出来ずに挫折していくのは、「知識」も無いし、「感性」もまだ育っていないからです。

その対策としてはやはり、最初に基礎知識を入れるのが一番簡単です。

今やっているような事をある程度覚えるだけですからね笑

そうして、その知識を生かして感覚を鍛え、経験もつんでいく、と。

例えば、あるギターソロ(歌メロでもOK)を聴き取る場合、スケールを知っていると、そのプレイで使われているであろう音の範囲を絞れますよね?

西洋音楽で使われている音階は、基本的には半音刻みで最大12音です。

そこから、ダイアトニックスケールなら7音、ペンタトニックスケールなら5音まで絞ることが出来ます。

もう、何を聴き取るにしても、そこまで絞れた時点で効率がまったく違いますよね?

先に少し書きましたが、過去に何か楽器を演奏した経験があったりすると、聴き取ることくらいは出来たりするのです。

でも、知識が無いと、とりあえずその曲は弾けるけど、聴き取ったものを他で生かす方法がわからない。

これは「感性」だけがある程度育っていて、「知識」に結び付けられていない状態になります。

重要なのは、『知識、感性、経験』のバランスです。

なので、この講座で知識を頭に入れたら、実際に耳コピをしてみたり、スコアなどを見ても良いので、曲の分析にチャレンジして、「経験」をつんで「感性」を鍛えてください。

この3つの能力全てを伸ばすことを意識して練習しましょう。
(と言うよりも、耳コピや曲の分析をしていれば勝手に全部伸びるんですが)

その訓練を繰り返すことによって「聴いただけでわかる」といったレベルにたどり着くことが出来ます。

では、頑張っていきましょう。

ありがとうございました。

大沼

※次回vol.27はこちら

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名前:大沼俊一

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この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

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