【vol.5】“Cメジャーペンタ”と“Aマイナーペンタ”と“トニック”
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それではvol.5、やっていきましょう。
これまでの講座で、
・Cメジャーペンタの5ポジション
・「メジャーペンタトニックスケール」と言う言葉の意味
・メジャーペンタのギターソロ譜例2つ
を学びました。
2つのソロを弾いてみたら分かると思いますが、この講座のテキスト番号で言う、第1ポジションと第2ポジションは、ギターのフレーズを弾くにあたって世のギタリストに使われまくっています。
今後、あなたもまず間違いなく使いまくることになるでしょう。
なぜなら、上の二つのポジションは、ギター演奏において、一番フレーズが弾きやすい形をしていて、かつ、おいしい音にアプローチしやすいポジションだからです。
バッキング、ソロ、フィルインなど、ありとあらゆるプレイの基本となります。
ペンタの5ポジションを全部覚えていないとか、もはやギタリストではありません。
僕の先生(師匠のような人)はよく『ペンタトニックは偉大だ』と口にします。
それはなぜかと言うと、あの5ポジションの組み合わせで、基本的なものから、理論的な上等アプローチまで、幅広く行えるからです。(※これは後々分かってきます)
しばらくはまだそこまではいきませんが、この講座の後半の方で学んでく予定です。
あと重要なのは、vol.3でやった3つのポジションをまたぐ鉄板の動き。
あれも、譜面を載せた2つのソロで、それに近い動きが出てきているはずです。
(どこに?と思ったら、もう一度じっくりと弾いてみてください)
と、前置きはこの位にして、今回は、
・CメジャーペンタとAマイナーペンタの違い
・『トニック』はどの音なのか?
・『ルート(ルート音)』と『トニック』の違い
について学んでいきましょう。
この講座は、ギタリストに必要な基礎能力を全て身に付ける事が目的なので、新しいことはどんどん覚えていってもらいます。
ギター上達の最もシンプルな方法は、『ちゃんと覚えることを覚えて、自分の好きな曲を楽しく弾くこと』です。
世の人を見わたすと、好きな曲は弾いていても、覚えることを覚えていない人が大半ですよね。
覚えること(基本のスケールや理論など)を覚えていないと、近いうちに必ず、大きな壁にぶち当たります。
しかも、ちゃんと勉強している人に比べると、より壁にぶつかる回数が多くなるというオマケつき。
なぜなら『ギターを弾いている』だけで、『音楽のこと』をまったく分かってないわけですから。
(学ぶと言う事を、やるかやらないか、どちらを選ぶかはその人の自由ですが)
そもそも、好きな曲を弾いていても、一曲から学べることの、習得率や習得スピードにかなりの差が出てくるでしょうし。
その曲で、アーティストが何をやっているのかが、分析できませんからね。
もちろん何度も言っている通り、ペース配分は考えます。
分かりにくければ、分かりにくい、とメッセージをください。
(何処がどうわかりにくかったのかを書いてくださいね)
では、いきましょう。
・CメジャーペンタとAマイナーペンタの違い
さて、Cメジャーペンタのポジションはこれまでで全て覚えたわけですが、今回は『Aマイナーペンタトニックスケール』のポジションも全部覚えてしまいます。
で、そのポジションなんですが、
“Aマイナーペンタトニックスケールのポジションは、Cメジャーペンタとまったく同じ”
です。
練習法としては、Cメジャーペンタの5つのポジションでやったように、同じ形を今度は『A』の音から弾き始めて、『A』の音で終わってください。
まずはこれだけで十分です。
C音から始めてC音で終わっていた時は明るかったスケールが、一転、A音から始めてA音で終わると、暗い感じの響きになるはずです。
ポジションはもう覚えていると思うので、指の運動やポジションの確認と言うよりは、
“始まる音によって変わる「スケール全体の響きの違い」を耳で聴くこと”
に集中してください。
これを全5ポジションで行います。
なぜ、CメジャーペンタとAマイナーペンタがまったく同じポジションなのか?という部分は、今後の講座で解説しますので、まずは、耳と手で響きの違いを確認してください。
・『トニック(tonic)』はどの音なのか?
次に、『トニック(tonic)』について。
以前の講座で少し解説しましたが、『トニック』とは日本語で『主音』のことでしたね。
「主音ってなんだよ?」って感じですが、『主』という文字が表しているように、その集団の“あるじ(主)”、要するに、今、想定しているスケールやらなんやらの“基点、基準、中心”となる(基準に考える)音のことです。
この『トニック』と言う言葉は、“何について話しているのか?”で対象が微妙に変わってくるので、慣れるまではちょっとやっかいです。
とりあえず、今回は、
『スケールについて話しているとき、“トニック”といったら、 「“~”メジャースケール」とかの、最初のアルファベットの音名の事を指している』
と覚えておいてください。
『C』メジャーペンタだったら『C音』がトニック、『A』マイナーペンタだったら『A音』がトニックです。
今後、トニックという単語も頻繁に出てくると思いますので、少しずつ慣れていってくださいね。
また、理論を学び始めたばかりの頃、“トニック”と意味を混同しやすいのが、コードを考える時に出てくる『ルート音(root)』です。
ルートもトニックも、ある種の基点を表している点では同じです。
しかし、ルート音(root)という表現は、基本的にコード(和音)について考える時に使います。
この辺りの違いを詳しく見ていきましょう。
まず、ルート音(root音)と言う音楽用語を日本語に訳すと、『根音(こんおん)』です。
『root』と言う英単語は、樹の根っこの『根(ね)』ですし、広い意味では、『根本、根源、起源』などを意味する事もありますよね。
で、『コードについて考える時に使う言葉』で『root』なので、それが指しているモノは『コード』の『根っこ』なわけです。
『root音』=『根(ね)の音』なので、要するに一番下の音って事ですね。
もしかしたらどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、『コード(和音)と言うモノは、下から上に音を積み重ねていくもの』です。
これについては五線譜を見れば一目瞭然ですね。
この様に、
『低い音から上に音を積み重ねていく時=コード(和音)を形成する時に、土台とする1音』
の事を「樹の根」や「根源、起源」の例えとして『root』と言う言葉を使っているのです。
なので例えば、「C」と言うコード表記は、
『C音をroot音にして(C音を土台にして)、メジャートライアドを形成する』
と言う意味ですし、他にも「Dm7」と言うコード表記は、
『D音をroot音にして(D音を土台にして)、マイナーセブンスのコードを形成する』
と、そういう意味です。
この辺りのコード構成の話は後々やっていくので、現時点では、
『root音とは、コード構成の土台とする、一番低い音の事を指している』
と、このくらいの解釈で十分です。
もう少し、トニックとの違いを説明するならば、トニックは、
『ほぼ平等に、「どの音もトニックに出来る一定の音列(≒スケール)」があった時、どの音を基準として設定しているのか?』
と言うような、横(平行、平等)の感覚で、
ルートは、
『コード(和音)としての音の塊があった時、一番低い音(と言うか土台に設定している音)の事』
を指すような、縦の感覚に近いです。
これらの使い分けも、段々とわかってきますので、今は何となくの理解でOKです。
と、言うことで、今回学んだことは、
・CメジャーペンタとAマイナーペンタはまったく同じポジションである
(基準にする音を変えたもの)
・スケールの『トニック(主音)』は『”~”メジャースケール』などの名前の最初のアルファベットの音のこと
・『ルート(ルート音)』と『トニック』の違い
でした。
それでは今回は以上になります。
ありがとうございました。
大沼
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