こんにちは、shunです。
前回の記事では、
ノンダイアトニックのメジャーセブンスコードが出てきたときに、
リディアンスケールを使う、と言うことを解説しました。
上記の場合にリディアンスケールを使うのは正しいんですが、
実はもうちょっと細かいルールがあります。
今回はその辺を詳しくやっていきましょう。
題材はやはり、サトリアーニのこの曲。
メインのコード進行は
”CM7×8小節、→A♭M7×4小節、→CM7×4小節、→GM7×2小節、→FM7×2小節”
でしたね。
この曲の場合、いきなり8小節続くCM7を、GキーのⅣM7としてみた場合、
リディアンの曲だということがわかります。
メロディーやバッキングにも、CM7のルート音、C音から見て#11thにあたる、
F#の音が使われています。
このことから、この曲を作るにあたって、
リディアンモードを主体に曲を構成することを考えているのだろう、
という予測ができます。
実際に曲全体を見てみると、ほぼリディアンモードが使われていますね。
では実際にノンダイアトニックのメジャーセブンスコードが出てきたときに、
リディアンスケールを使うか否か、について、次のA♭M7を例に考えてみましょう。
まずもう一度Gキーのダイアトニックコードを見て、
A♭M7というコードがノンダイアトニックであるということを確認します。
*Key=Gのダイアトニックコード
1.GM7 アイオニアンスケール
2.Am7 ドリアンスケール
3.Bm7 フリジアンスケール
4.CM7 リディアンスケール
5.D7 ミクソリディアンスケール
6.Em7 エオリアンスケール
7.F#m7(♭5) ロクリアンスケール
一つ前のコードであるCM7はⅣM7としてありますが、
A♭M7と言うコードはどこにもありませんね。
よって、A♭M7と言うコードはGキーにおいてノンダイアトニックのメジャーセブンスコードである、
ということがわかります。
次に、ノンダイアトニックのメジャーセブンスが出てきたら、
そのコードのP4thを、曲のキーのダイアトニックスケールと照らし合わせます。
今回の場合は、A♭M7のP4th、D♭音と、
Gキーのダイアトニックスケール、Gメジャースケ-ルを照らし合わせてみます。
で、ノンダイアトニックのメジャーコードのP4thと、
曲のキーのダイアトニックスケールの構成音のどれかが一致しなかった場合、
そのコード上ではリディアンスケールをつかいます。
図1、GメジャースケールとA♭M7の関係
図を見るとわかりますが、A♭のP4th、D♭音はGメジャースケール上にはありませんね?
なので、D♭音を曲のGキー近づけるためにD音にずらします。
図2
こうするとA♭から見てD音は#11thにあたるので、
リディアンのモードになる、と言うことですね。
図3、A♭リディアンスケール*ソフトの都合でG#リディアンになっています。
さっきの図2と見比べてみましょう。
結局やったことは、ノンダイアトニックのメジャーセブンスコードのP4thを、
曲のキーの構成音に一致させて#11thに変えた、と言うことになりますね。
まとめると、
ノンダイアトニックのメジャーセブンスコードのP4thが、
曲のキーのダイアトニックスケールの構成音に一致していなかったら、
そのコード上ではリディアンスケールを使う
と言うことです。
逆に、
ノンダイアトニックのメジャーセブンスコードのP4thが、
曲のキーのダイアトニックスケールの構成音に一致していた場合、
そのコード上ではアイオニアンスケール(メジャースケール)使います。
基本的に、元のキーから離れすぎないようにする、と言った考え方で、
リディアンかアイオニアンかを決めていることになりますね。
元のキーと一致する構成音が多ければ多いほど、
モードが変わっても、突飛さが薄くなってくるからでしょう。
ちなみに、ノンダイアトニックのメジャーセブンスコードのP4thと#11thが、
どちらも、曲のキーのダイアトニックスケールの構成音に一致しているときは、
リディアンでも、アイオニアンでもどちらを使っても構いません。
さて、この曲の残りのコードのうち、GM7ですが、
ここは、今解説した理論では説明がつきませんね。
G音から見てP4thはC音です。
C音は、Gメジャースケールに含まれています。
今解説した理論だと、曲のダイアトニックスケールと一致している時はアイオニアンなんですが、
GM7コード上では、メロディーで思いっきり#11thを使ってリディアンモードになっています。
これはどういうことかというと、
リディアンモードにしたいから無理やりリディアンモードにした
ということでしょう笑
こうのように、作曲技法として、”それを使いたいから使う”というのもアリです。
この辺のルール(理論)を無視するような行為も、曲が面白くなる可能性があります。
ルールを無視して曲をかっこよくするには、
そもそものルールをちゃんと把握している必要性がありますが。
では今回はこの辺で。
では!
shun
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