『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

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速弾きはこれだけ

どうも、大沼です。

 

今回は、ギターを弾いているほとんどの人が、一度は憧れたことがあるであろう、
『速弾き』の上達法について考えてみましょう。

 

個人的には、”速弾きほど、わかりやすく上達するものも中々ない”、
と思っています。

 

なぜなら、しっかりと地道に練習を続けて行けば、
必ず、段々と速く弾けるようになってくるわけで、
やればやるほど、『100%』上手くなるものだからです。
(よほどおかしな弾き方をしたりしていなければ)

 

まあ、それは速弾きに限った話ではないんですけどね。

 

なので結局のところ、『練習を続けたら、俺は絶対に速弾きが出来るようになる』と、
自分自身を強く信じられるのかどうかが、重要なポイントになってきます。

 

とはいえ、実際問題、どう練習したらいいのか?
と言う部分が曖昧なままなので、今回は、具体的な練習案を考えてみましょう。

 

これは、僕が個人的にやっている事、やって来た事がメインなので、
違うやり方で練習してきた人もいるかもしれません。

 

ですが人間の物事の習得というものは、根本的な部分を見たら
非常にシンプルなものなので、どういう練習法であろうと、
結果が出るものは、須らく、同じような要素で構成されています。

 

これは今現在、”一定以上のレベルにある人”、
”何かしらの目標を達成したことのある人”は実感しているはずで、

『何をどれくらいやったら、それが出来るようになるのか?』

そう言った事が、やる前からある程度予測がつくのですね。

 

それは、”出来なかったことが、出来るようになった”と言う体感を、
一度でも経験すると、見えてきます。

 

世の中の”スゴい人”と言うのは、”スゴい事が出来るようになるまで”やったのです。

 

”出来るまでやったから、出来る。”

もう、これが真実です。

 

この辺りを甘く見ている人が、俗に言う「挫折」をしていくんですね。

 

この事実を最初に押さえておかないと、速弾きが出来るようになるまでの過程で
挫けてしまう可能性が高いです。

 

『すぐに弾けるとは思わないで練習する(でも絶対に弾けると信じている)』

 

このマインドが非常に大事です。

 

多くの人は、自分のやった事に対しての「成果を期待しすぎ」なんですね。

 

丁寧に練習を続けていれば、必ず、弾くスピードと言うものは上がってきますので、
諦めずに、自分の一歩一歩を踏みしめて行くような気持ちでやっていきましょう。

 

 

では、具体的な練習案に入っていきましょうか。

 

まず、最初にやるべき事は、
”弾きたいフレーズと、その範囲を決めること”ですね。

 

フレーズに関しては、好きなギタリストのソロでもいいですし、
速弾き用の教本のフレーズでも構いません。

 

実際の所、繰り返し弾き続けても、
あまり飽きが来ないフレーズであれば何でもOKです。

 

ただ、”最初に練習する範囲”、”弾けるようになりたい範囲”は、明確にしておきましょう。

 

多くの場合、なにかしらの曲中のギターソロが弾きたいはずなので、
一定のサイズ(小節数)がありますよね。

 

好きなソロであればあるほど、早く通しで弾きたくなるので、
焦って練習しがちです。

 

ですがその、逸る気持ちをグッとこらえて、冷静に全体を見て、
一部分ずつ、確実にこなしていくのです。

 

それは1~2小節間の短い範囲でも良いですし、
4小節くらいのある程度の範囲をとっても良いです。

 

その辺りは、弾きたいソロの、フレーズのタイプや構成に左右されますね。

 

範囲の決め方としては、

・フレーズの一呼吸分(そのフレーズのスタートから、一度止まる部分まで)

・今の自分が弾いてみて、詰まる部分(特に上手く弾けない部分)の前後

この辺りが目安です。

 

こういった場所でフレーズを区切っていくと、
1つのソロがいくつかのパーツに分かれるはずなので、
それらを順次、マスターしていくのです。

 

練習する範囲を決めたら、とりあえず、その部分は暗記してください。

 

譜面やタブ譜を見ながら練習するよりも、暗記した方が練習効率はあがります。
(譜面に強い人で、アーティキュレーションなどの書き込みをする人は、
ある程度は見ながらでも良いと思います)

 

そして次にする事は、”今の自分が確実に弾けるテンポを探ること”ですね。

 

その人とそのフレーズのレベルの関係にもよりますが、
特に、”速弾き系のフレーズ”で、”今弾けないもの”を弾こうとする場合、
おそらく、原曲のテンポより30~60くらいは下げないと弾けないはずです。

 

極端な話、原曲テンポの半分以下まで下げても良いくらいです。

 

そもそも、これくらい下げないと弾けない場合も多々あるでしょうし、
練習の丁寧さ、と言う観点から見ても、最終的にマスターした時、
雑に練習した人よりも美しく弾けるようになりますので。

 

さて、これで弾きたいフレーズの範囲と、練習を始めるテンポが決まりましたね。

ここからフレーズを繰り返し弾いていき、段々とテンポを上げていって、
最終的には原曲テンポまで持っていくわけですが、
テンポの上げ方にも色々と方法がありますよね。

 

巷では「テンポは2~3ずつ上げていく事」とよく言われている気がしますが、
コレでも別に構いません。(僕自身も、それ位でやる事も多いです)

 

ですがやはり、僕が一番お勧めするのは、

『テンポを1ずつ上げること』

これです。

 

ハッキリ言って、テンポを1ずつ上げると言うのは、普通のメトロノームの最小単位なので、
相当細かい練習になってきますが、体感としてはこれが一番良いです。

 

例えば、最初に練習のスタートに決めたテンポが100だったとしたら、
1~数回フレーズを繰り返すごとに、テンポを1ずつ上げていきます。

 

そうして行くと、初めて弾くソロの場合、モノにもよりますが、
最大で10~15くらい上げたところで、上手く弾けなくなるはずです。

 

では、わかりやすく10上げて、
テンポ110の辺りで怪しくなってきたとしましょう。

 

そうしたら次は、110から5下げて、
105にしてから、また1ずつ上げていくのです。

 

それを繰り返していくと、100→110→105→115→110→120→・・・と、
テンポの上げ下げの過程で、凄まじい回数、フレーズを練習していることになりますね。

 

これくらいやると、最初のテンポ+10~15くらいまでは、
演奏のクオリティを保ちつつも、結構すぐにたどり着けたりします。

 

場合によっては、一日でそれくらいテンポが上がる事もあるでしょう。

 

で、それを数日~1週間~1ヶ月~、と、
目標のプレイが出来るようになるまで繰り返すのです。

 

実際、速弾きのトレーニングなんてこれだけです。

これを丁寧に、地道に繰り返していけば、
『確実に』スピードは上がりますので。

 

もちろん、練習していく過程で、奏法の感じを細かく掴む事が重要になってくるので、
ピッキングの角度や左手のフォームのチェックなどを、随時、観察して分析、
そして問題があれば修正していきます。

 

自分のプレイを録音したり、鏡を見てフォームをチェックしたり、
ピックを弦に当てる角度を変えてみたりと、様々な観点から見ていきましょう。

 

 

次に、”練習の時間配分”について考えてみましょうか。

 

”速弾きの練習”に対する時間配分を考えた時、
僕は2つの練習法があると思っています。

 

それは何かと言うと、1日の中で、

1、気の済むまで長時間弾き続ける

2、1回あたり10分~数十分の、こまごました練習を数回

の、この2つです。

 

まあ、これも”速弾きの練習”だけに言える事ではなく、
全てのタイプの練習に当てはまるとは思いますが。

 

上記2つの練習タイプは、その人の性格だったり、
人間的な性質にもよると思うので、どちらの方が良い、
と言うモノではないですね。

 

1は文字通り、集中力と根気が続く限り、ひたすら練習しまくる、
と言うパターンで、コレについては、特に何も言うことがありません。

 

これが出来る人は、そう遠くない将来、
目的のプレイが弾けるようになっているでしょう。

 

ただ、怪我には気をつけてくださいね。

 

 

もう一方の2は、同じフレーズを繰り返していると飽きてくる人向けですね。

 

これは僕自身が、どちらかと言うとそういうタイプなので、
この練習法を採用しているのですが、練習を始めてから、
繰り返す事に飽きてきたら一旦止めて、また違うタイミングで再開する、
というパターンです。

 

練習を始める→ある程度弾いてると飽きてくる(大体10~数十分くらい)
→一度止める→適当なタイミングで再開する→また飽きる→止める→再開→・・・、

と、このループを一日の内に何度か繰り返すのです。

 

個人的には生活の中で、何でも良いからタイミングを無理やり作って、
練習を再開していました。

 

例えば、

 

・朝起きる→速弾きの練習→飽きたら止める

・ジャンプ読み終わる→速弾きの練習→飽きたら止める

・風呂に入る→速弾きの練習→飽きたら止める

・晩御飯食べ終わる→速弾きの練習→飽きたら止める

 

みたいな感じで、全然ギターと関係なくても良いので、
一息つくタイミングがあったら、速弾きの練習にこじつけるのです。
(もちろん速弾き以外でも構いません)

 

こんな感じで何度も弾いていると、
結果的にそれなりの時間を割いていたりしますから。

 

まあ正直なところ、僕は左手が軽い腱鞘炎なので、
同じ動作を繰り返し過ぎないようにしている、と言う面もあるのですが。
(手の負荷が掛かる部分を分散させるため)

 

結局、1、2、のどちらにせよ、練習をした分だけ上手くなっていきます。

 

速弾きに限った話ではないのですが、ギターの上達と言うものは
長距離マラソンのようなもので、始めたばかりの人が、
いきなり42.195kmを走るのは無理なのです。

 

なので、地道にトレーニングを積み重ねて行って、1km、2kmと、
少しずつ、走れる距離を伸ばしていくようなイメージで練習を続けていくことが大事です。

 

 

と、言うことで、今回は”速弾きの上達法”についての提案でした。

 

耳タコな話も多かったかも知れませんが、やはり、
上達に近道は無い、と言うのが真実なのです。

 

その辺りをしっかり覚悟できた人は、どんどん上手くなっていきますので。

 

では、また。

 

大沼

 

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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