vol.93つの音だけで出来たコード
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どうも、大沼です。
今回は、『トライアド』と言うコード(の概念)について学んでいきましょう。
これまでのテキストでは、2種類の3rd(M3rdとm3rd)とP5thの位置を把握する練習をしてきましたね。
その2音にroot音を足すと、3種類の音を指板上で把握できていることになります。
この、「root」、「3rd(M、m)」、「P5th」の3つの音。
この3つの音だけで構成されているコードがあります。
そのコードの名前を『トライアド(triad)』。日本語ではそのまんま『3和音』と訳されています。
この『トライアド』なんですが、全てのコードの基本となる重要な概念なので、今回から数回に分けてやっていきたいと思います。
トライアドのコード・ヴォイシングと構造の概念は、ギターリフなどにほぼそのまま使われていたり、アドリブ手法の基礎から発展形まで、要するに、シンプルなものから高度なものまで幅広く使うロジックなので、ここで確実にマスターしておきましょう。
世間一般では、理論的なことにはあまり馴染みがなさそうなイメージの、ジミヘンやヴァン・へイレンなどの曲にも、この、トライアドのプレイが当たり前に出てきます。
まあ、あの人達は破天荒なように見えて、音楽的な素養もキチンと持っている賢い人達なのですが・・・。
と、それくらい、ギター演奏の基本、というか音楽の基本です。
ジミやヴァンへイレンの他にも、世を見渡して見ると、良い題材が山ほど転がっています。
そういったものを参考にした実戦譜例も、今後のテキストでやっていくので楽しみにしていてください。
では、本題に入っていきましょう。
まず先ほどもお話ししましたが、『トライアド』という言葉の意味は『3和音』でしたね。
「トライ(tri)」(もしくはtri=トリ)は、元々がギリシャ数字の「3」の事です。
同じように、今までやっていたペンタトニックの「ペンタ」は、ギリシャ数字の「5」でした。
音楽で使う用語には、ギリシャ数字やローマ数字が良く出てきます。
まあ、その辺は、そういうもんなんだ、と思っていてくださいね。
では、『トライアド』=『3和音』と言うことで、その和音の元になっている3つの音はなんなのか?と言う事なんですが、それが、最近やっていた、root、3rd、5thの3つの音になります。
この3つの音を積み重ねて鳴らすことで、和音(=コード)が出来上がる、
と、いうことです。
前にも少し話しましたが、コードの“積み重ねる”のイメージは、五線譜を見るとイメージしやすいですね。

↑C(メジャー)コードの場合、一番低いルート音C(ド)の上に、M3rdのE(ミ)とP5thのG(ソ)が積み重なっています。(ルート音の上に乗っかているイメージ)
で、今回から、そのトライアドの指板上のフォームと構成を覚えていく、と。
実は基本のトライアドには4種類あるのですが、今はその中から2つ、メジャートライアドとマイナートライアドについて学んでいきます。
残りの二つは、しばらくは使わないと思うので、後回しにします。
さて、これからやっていくメジャートライアドとマイナートライアドですが、勘の良いあなたなら、この2つは何処が違うのか?、もう気付いているかもしれませんね。
そうです。
メジャーとマイナーを分ける音、3rdが違います。
もう単純な話で、前回の譜例でやったように、rootを固定したら(Cに固定してやりましたね)、P5thはメジャーでもマイナーでも、どちらも同じ場所にありました。
違うのは3rdの位置だけです。
そのトライアドの3rdがM3rdなら、メジャートライアドですし、
そのトライアドの3rdがm3rdならマイナートライアドです。
と言うことで、練習譜例にいきましょう。
今回も分かりやすくルートはC音に固定して練習します。
譜例1、Cメジャートライアド基本形『root(C)、M3rd(E)、P5th (G)、(ドミソ)』

上記全てのポジションで、低い音のほうからC、E、Gの順番で音が積み重なっています。
構成は、見ての通り、root(C)、M3rd(E)、P5th(G)の3音ですね。
この音の構成がメジャートライアドの構成になります。(今回はrootがCなのでCメジャートライアド)
コードを「パーン」と鳴らしてから、CEG(ドミソ)のメジャートライアドの響きの感じを、しっかりと耳に残すつもりで聴いてください。
2小節目の5弦ルートと、4小節目の3弦ルートは
オクターブ違いの場所も弾いておきましょう。
指板上でのコードフォームはこの様になっています。
黄色の枠で囲った、普段良く弾くC(メジャー)コードとの関係性も見ておきましょう。
図1、Cメジャートライアド基本形『root(C)、M3rd(E)、P5th (G)、(ドミソ)』

音の並びが、低い方からドミソになっているトライアドのフォーム(形)がこれである、と言うことを覚えておいてください。
この各音の並び順が大事で、ただフォーム(形)だけで覚えていると、今後、このトライアドを実際に使う時に苦労することになります。
なので、どの音がどの順番で並んでいるのかを、しっかりと把握しておきましょう。
では、次に同じようにマイナートライアドを弾いてみます。
譜例2、Cマイナートライアド基本形『root(C)、m3rd(E♭)、P5th(G)、(ドミ♭ソ)』

こちらも全てのポジションで、低い音のほうからC、E♭、Gの順番で積み重なっています。
構成は、root(C)、m3rd(E♭)、P5th(G)の3音です。
この音の構成がマイナートライアドの構成になります。
(今回はrootがCなのでCマイナートライアド)
3rdが違うだけで、コードの響きがマイナーの感じ(暗い感じ)になる事に注目してください。
こちらもコードを鳴らしたら、耳に残すようによく聴きます。
指板図は以下です。
図2、Cマイナートライアド基本形『root(C)、m3rd(E♭)、P5th(G)、(ドミ♭ソ)』(※指板図を作成したソフトの都合で、画像ではm3rdがD#になっていますが、正しくはE♭になります)

こちらも黄色の枠で囲った、代表的なCマイナーコードとの関係性を把握しておきます。
今回のメジャー、マイナートライアドの両譜例は、前回、前々回に行った、3rd、P5th把握の譜例とも対応しています。
先にもお話しましたが、フォームを覚えるだけでなく、自分が押さえている場所の、
どこが何の音になっているかを理解していることが重要です。
そこが、この先学んでいく様々な演奏ロジックの基本になりますので。
では、今回は以上になります。
今後は引き続きトライアドのフォームを学びながら、
実際の曲でどのように使われているのかも見ていきましょう。
ありがとうございました。
大沼
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