どうも、大沼です。
今回はタイトルにもある様に、
『アドリブのスタート段階での練習法』
について、考えていきましょう。
僕のブログやメルマガの読書さんには、
『アドリブ(ソロ)が出来るようになりたい』
だったり、セッションなどで、
『他の人の演奏に、その場その場で自由に合わせらるようになりたい』
と言う目標を持っている人が結構います。
今の所このブログでは、スケールや音楽理論などの、
「音楽の勉強」の様な部分を主に解説していますね。
なのでやはり、そんなものを読みにくるような、
「ちゃんと勉強したい」と言う人達(読者さん達)だけあって、
向上心が高く、レベルも高い人が多い印象です。
メルマガでアンケートに答えてもらったり、
時折頂く質問やメッセージなどを読むと、
「こんな難しい曲やってんの!?」と、僕がビックリするようなモノに
チャレンジしてる人もいますから。笑
(※もちろん頑張っている初心者さんもいます。)
ただ、そういった、一定以上のレベルの人達でも、
話を聞いていると、皆さん、大体同じような事で悩んでいるんですね。
それはなにかと言うと、
“アドリブや即興演奏ができるようになりたいけど、
何をどう練習したら良いのかわからない”
と言う部分。
今回は、その辺りについて考えてみましょう。
さて、まずは、『アドリブ』と言う言葉についてですが、
音楽的な意味としては『即興演奏』になりますよね。
その言葉通りに捉えるならば、これは要するに、
『その場の、瞬間、瞬間の状況に反応しながら、自由自在に演奏する』
みたいなイメージになるでしょう。
で、その『自由自在に演奏』する事が出来るようになる為に、
アドリブの練習をやっていくわけですが、
一体、何をどうしたら『自由自在に演奏』出来るようになるのか?
『即興演奏』なんだから、取り合えずなにか好きな曲でも流して、
なんとなーく合わせて弾いてみる、みたいな事をした人もいるでしょう。
(僕もやっていましたし、今でもやります。笑)
これはこれで、練習法としてはあながち間違っていないのですが、
少し油断すると“適当に弾いているだけ”になりがちで、
練習ではある程度上手く弾けても、本番ではなぜかフレーズが出てこない、
なんてパターンになりやすかったりします。
で、この“イマイチ練習の効果が発揮できない状態”を
回避する為に必要なのが、タイトルにもあるように、
『フレーズを構築する』という作業。
『アドリブ』とは『即興演奏』をすることなのですが、
アドリブトレーニングの初期の段階では、即興とは真逆の
『フレーズの構築』をすることが一番の練習法なのです。
具体的には、『フレーズの構築』なので、文字通り、
何かしらの、あなたの弾きたいの楽曲やコード進行の上で、
フレーズを作って(構築して)それを練習する事になりますよね。
で、その練習法は理解してもらえると思うのですが、
実際にやる上で考えなくてはならないのは、
『なぜ、構築がアドリブ(即興)に繋がるのか?』と言う部分。
これにはちゃんとした理由があります。
その理由のまず1つ目は、
『多くのアドリブと言うプレイの実態は、
“100%完全な即興(その場の思いつき)”ではなく、
その人が“過去に弾いた事のあるフレーズ”を
弾いている場合がほとんどである』
と言う事。
実は、どんなにスゴい人のアドリブ(即興)っぽい演奏でも、
そのプレイの実態は、その人がこれまでモノにしてきた
(練習して弾けるようになった)フレーズが大半なのです。
トッププロと言う人達は、そういった『いつでも高精度で弾けるフレーズ』が
自分の中に大量にストックしてあり、それを自在に繰り出すことによって
『アドリブ』を行っているんですね。
もちろん、本当の意味で『即興(その場で思いついたフレーズ)』を
弾いている事もあるのですが、ソロ中の全体の割合としては、
ストックしたフレーズの方が多くなります。
こうなる理由は単純で、人間は、
『過去にやったことのない身体の動きは上手く出来ない』
と言う、誰しもが人生で経験しているものです。笑
これは身体を使うスポーツなどでも、頭を使う勉強みたいなことでも、
何でも一緒ですよね?
人間はやはり『ちゃんと訓練した動作』しか上手く出来ないですから。笑
なので我々ギタリストは、『即興演奏としてのアドリブ』を
やろうとしてしまいがちですが、まずやるべき事は、
『“いつ、どんな時でも高い精度で繰り出せるフレーズ”をストックする事』
になるのです。
これを増やしていく事によって、
『その瞬間での反応』が出来るようになっていきます。
なぜなら、『いつでも高い精度で繰り出せるフレーズ』が、
沢山、自分の中にあるから、ですね。
次に、2つ目の理由として出てくるのは、
『アドリブ初期段階では、自分の頭(身体)の中で鳴っている音と、
その音がギターの指板上の、どこを弾けば鳴るのか?が一致していない』
と言う部分です。
簡単に言ってしまえば、
『自分の身体の中には、“今、弾きたいメロディー”が鳴ってるけど、
それを瞬時にフレーズとして楽器で演奏できない』
と言う事ですね。
これは単純に、自分のイメージ(音)と、その音が鳴るであろう、
物理的なギター上でのポジション(弦とフレット)が、
感覚として繋がっていないのが原因です。
で、それを解決する為に必要な練習が、今回のテーマである、
『フレーズを構築する』と言うもの。
なんとなーく弾いていると、いつまで経っても
弾きたい音と弾くべき場所が繋がっていきません。
ですが、自分がアドリブをしたい曲(コード進行)の上で、
“弾きたいフレーズを作っていく作業”を繰り返していくと、
そのフレーズを弾く為に、音を探して選んでいくわけですから、段々と、
『どこを弾けばどんな音が出るのか?』
が、わかってきます。
そうして『楽曲(コード進行)』に対して『フレーズの構築』を行う事によって、
“自分の中でのイメージ(音)”と“指板上でのポジション”が繋がってくる、と。
これら2つの理由から、アドリブのトレーニングとして、
『フレーズの構築』が重用になってくるのです。
さて、今回はアドリブ初期段階でのトレーニング法について
お話してきましたが、これまでの話を、
具体的なチャートとしてまとめてみましょうか。
まず、大前提として必要なのが、
・あなたが弾きたい曲のkey、ダイアトニックスケール、
ダイアトニックコードを把握している事。
これです。
これは、知らなくても演奏が出来ない事もないのですが、
音楽の基礎中の基礎なので、知らないでいると非常に練習効率が悪くなりますし、
ちゃんとわかっている人から見たら、
音楽的にメチャクチャになっている場合が多々あります。
当たり前ですが、どんな事でも、
基本的な部分をキチンと抑えておく事が大事ですよね。
次に、
・アドリブをしたい場所のコード進行と、
そこで使うべきスケールを理解しておくこと
です。
コード進行について具体的に確認する事は、
各コードのkeyに対するインターバルと、転調や部分転調の有無ですね。
スケールについては、転調が無ければ、基本的には、
その曲のキーセンターをトニックにした、
メジャーかナチュラルマイナーのスケールでいけるでしょう。
ここまでの確認をしたら、最後に、
・コード進行をl聴きながら、鼻歌(もしくは頭の中)で
適当にメロディーを歌ってみる
と、言う事をやります。
フレージングのアイディアとしては、理論的にも様々なモノがありますが、
とりあえずは、普通に思いついたメロディーをギターで弾いてみて、
それが気に入ったら、いつでも弾けるように繰り返し練習しましょう。
(フレーズをストックしていく)
もちろん、ソロとしては、モロに『ギター(楽器)のフレーズ!』と言う感じの、
弾きまくり系のフレーズなどでも構わないのですが、
何故、フレーズを歌ってみることを勧めているのかと言うと、
『自然にブレス(呼吸、間)の入った、ナチュラルなメロディーが出て来やすいから』
です。
アドリブやセッションは、多くの場合、他の演奏者とやるものですし、
会話(対話)の様な状態になるので、そのプレイが自然(ナチュラル)なものであるほど、
周りもあなたのプレイに反応しやすくなります。
やっぱり、人とのコミュニケーションが一番楽しい部分ですからね。
さて、ここまで色々とお話してきましたが、ざっくりまとめると、
楽曲(コード進行)と使うべきスケールを把握し、
一つ一つ、自分のお気に入りのメロディーを作っていくこと
が、アドリブの初期段階での練習法になります。
まずはなにか、あなたの好きな曲(アドリブをしたい曲)で、
「フレーズを作ってみること」から始めてみてください。
それを繰り返していけば、段々と
あなたの中に鳴っているメロディーを、瞬時に、
ギタープレイとして繰り出せるようになっていきますので。
と言う事で、今回は、
『アドリブトレーニングのスタートは構築から』
でした。
なにか質問などあれば、お気軽にコメントやお問い合わせから
メッセージをくださいね。
ではまた。
大沼
P.S.
今回はあえて『アドリブ初期段階の』というテーマでお話してますが、
実はこの様な練習は、初期だけじゃなくずっとやるんですけどね。笑
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