どうも、大沼です。
前回お話ししたように、今回は、
『すべてのギタリストが、出来る限り早く覚えてしまった方が良いもの』
と言うテーマで、お話ししていみたいと思います。
この辺り、しっかりと取り組むとなると、完全に「暗記系」のトレーニングになるので、最初の段階では大変に感じる人も多いかもしれません。
ですが、どんな分野に取り組むにしても、
『最低でもここからここまでは知っていて当然』
と言う知識や情報はあるものです。
基本的には、ギターでもなんでも、「やっていて楽しい」と感じていることが大事だとは思います。
さらに、その人のやりたいことによっては必須とまでは言い切れないものもあったり、ライフスタイルによっては取り組むのが難しい場合もあると思うので、今まではあまり強く言ってきませんでした。
ですが、こういった、
「少なくとも、ここからここまでは全部覚えよう」
と、はっきりと語っている人をあまり見ないので、あえて言い切ってみようと思います。
でそれは、具体的にどこからどこまでが必須なのか?それぞれ見ていきましょう。
■必ず覚えておきたいこと全て■
さて、先ほども言ったように、その人のやりたいことによって、必須と言えるものの範囲は少し変わってくるのですが、それを踏まえた上でも「必須」と言えるものを挙げていきます。
1、「キー(Key)」の概念を理解すること
これはもう100%必須です。
ここがわかっていないと、一般的に扱うことになるほぼ全ての音楽が成り立ちません。
キーの概念は、以下全ての知識、理論に関わってきます。
種類としては、メジャーキー(長調)とマイナーキー(短調)がありますが、まずはメジャーキーの構造を、Cキーで分析出来るようにすることからですね。
マイナーキーはその後やった方がわかりやすいでしょう。
2、インターバルの概念と呼び方
音楽(構造)の理解は「インターバル的な認識」が基本です。
基準にする音を1度として、その他の音を、どう分類し、どう扱うと、音楽的な響きとしてはどうなるのか?
各インターバルの呼び方と数え方(指板上での配置)を全てマスターしましょう。
3、Cキーでチャーチモードのスケール7種
これはまず、スケールポジションの形(音の配置)を覚えるのもそうですが、ピアノで言う「白鍵」の音全てを、ギターの指板上で見えるようにするため、と言う面もあります。
(※これが出来るだけでも、練習、演奏共にかなり便利になります)
弾き方は色々ありますが、最低でも、
・3ノート・パー・ストリング(以下3npsと略す)スケールで7つのポジション
・ブロックポジション(6弦から主に真下方向に展開する弾き方)で5つ
この2種類の区分けを、全て覚えてからがギターのスタートと言えるかもしれません。
(※これらの覚え方、練習法についてはメルマガ、ニュースレターの付属としてこちらで配布しています)
初期段階では、特に「♯や♭の付く音」(ピアノで言う黒鍵の音)が見えにくいものですが、Cメジャースケール(白鍵の音)が全て見えていると、
「♯や♭の付く音は、それらの隣にある」
という認識から、演奏時の反応スピードが飛躍的にあがります。
少なくとも、3npsスケールかブロックポジションのどちらか全ては、早い段階で覚えきってしまいたいところです。
4、基本となるダイアトニックコードの種類
そのキーに応じて、基礎和音として使えるコードが最低7種出てきます。
まずは、トライアド(3和音)でのヴォイシングを覚え、続いて、4和音(主に7thコード)でのヴォイシングを覚えましょう。
各コードのヴォイシングは、1つのルートから2種類くらいは弾けると良いのですが、最初は代表的なものを一つずつですね。
最初はおそらく、一般的な教材であればメジャーキーで学ぶ事になるはずなので、7種のヴォイシングを基本的なものだけでも全て覚えたら、
「マイナーキーの時、各コードのインターバルがどう変わるか?」
こちらも確認していきましょう。
そのキーの、ダイアトニックコード群の元になっているスケールの構造と、それらスケールのポジションとコードヴォイシングの関連性についても把握していきます。
5、マイナーキー特有の変化
やはり、音楽理論のスタートは、Cメジャーキーを使って覚えていくことになりますが、メジャーキー的な理解が進んだら、マイナーキーの方にも慣れていきたいところです。
マイナーキーだと、基本となるスケール(チャーチモード7種)も、出てくるダイアトニックコードも同じですが、インターバル的な解釈が変わりますね。
まず最初は、メジャーキーで覚えたものを、マイナーキーのインターバルに合せてずらしていくのですが、この法則に慣れる必要があります。
(※ほぼ、片方のキーに統一する見方で、メジャー&マイナーのどちらのキーの曲も演奏する人もいますが)
後は、ツーファイブ時などに、マイナーキー特有の変化である、
「ハーモニックマイナー系とメロディックマイナー系の音使い」
が出てくるので、こちらも少しずつ覚えていきたいところです。
ハーモニックマイナーとメロディックマイナーは、やっているジャンルにもよりますが、どちらかと言えば、ハーモニックマイナーを優先した方が良いかと思います。
普通のポップスをメインに演奏する人でも、ハーモニックマイナーの構造が少しくらいは使えると、色々と便利だし楽曲の理解も深まりますね。
メロディックマイナー関連は、やっているジャンルによって、使わない人は本当に使わなかったりしますが、アドリブ、作曲共にステップアップしたい人は、追々習得していきたいところです。
どちらにせよ、まずは弾きやすいポジションから一つずつマスターしていきましょう。
6、その他、「キーに準じて出てくる構造」の範疇には無いが、頻出のコードやスケールの知識
これは例えば、ディミニッシュ系のコードヴォイシングやスケールなどが代表的ですね。
後は、普通に曲を弾いていたらなんだかんだで初期に学ぶであろう、sus4やadd9のコードなどもダイアトニックコードから変化(もしくは音を追加など)したものですね。
その他、取り組む曲やジャンルによって、いつ、何が出てくるかは変わりますが、触る機会があるごとに、スケールならば1~2ポジション、コードならば、5弦と6弦ルートの2パターンくらいは弾けるようになっていきたいところです。
やはり、それらのスケールやコードの「構造がどうなっているのか?」にも注意していきましょう。
と、思いつく限り、ざっと挙げてみましたが、とりあえずはこんなところでしょうか。
毎日の基礎練に暗記項目を組み込んだり、暇なときに確認したりして、少しずつでもマスターしていきましょう。(※ギターがなくても出来ることは多いです)
いきなり全てをスムーズに弾けるような状態でなくてもよく、ゆっくり考えたら弾ける、とか、紙に書きだせると言う様なレベルでも、十分役に立ちます。
量が多いと言えば多いかもしれませんが、各要素、全てが関連しているので、知識を頭と身体に入れれば入れるほど重複する領域が増えていき、習得も早くなっていきます。
今現在、もうある程度覚えている人なら実感できていると思いますが、こういった基礎知識や楽典を習得していると、何もわからない時は、ある種、指盤上にランダムに音が配置されているような感覚だったのが、主要な音が浮き出て見えるような感覚に変わっていくものです。
最初だけ習得が少し大変だけど、わかってしまえばめちゃくちゃ便利なツールだ、ということが実感できたら、こっちのもんですね。
さて、いきなりですが、なんでこんな主張をし始めたかというと、
『何をどう考えても全ての人の役に立つから』
なんですよね。
世の中を見ていると、やはり色々な人が悩みを抱えているわけですが、「このくらいやっとけばその問題は解決するのにな」と感じることが本当に多い。
ならば、誰かが「ここからここまでは絶対にマスターすること」と、強く宣言してしまった方が、学ぶ側も安心するのでは?と思ったことがきっかけですね。
もちろん、最初に言ったように、人によって最終的に必要なものと領域は少し変わってきますし、その人の仕事や学業などに応じたライフスタイルによっては、中々、練習や学習の時間が取れない場合もあるでしょう。
ある程度短期でとりくめる人ならば、短期で一気にやってしまうことをお勧めしますが、それが無理な場合は、長期で計画的にやっていくのも全然ありでしょう。
単純に、教材などに書いてあることを座学的に学ぶ方法もありますし、今、自分が弾きたい曲のアナライズを通して覚えていく方法もあります。
(※というか、ほぼ、両者の学習法を行ったり来たりすることになるかと思いますが)
学ぶ対象は、僕が配布してる教材にも、この記事で書いたことは全て載せてありますし、他の人が配信しているコンテンツでも何でも構いません。
結局、誰が話していても、音楽の構造自体は同じですので、解説が理解しやすいもの、表現や言語化がしっくりくるものを中心に、色々な情報に触れていってもらいたいと思っています。
全ての学習の先にあるのは「自由」であることは間違いないので、焦らず地道に、確実に身に付けていきましょう。
それでは、また次回。
ありがとうございました!
大沼
P.S.
普通に、自分の好きな曲のコピーは自由にしてくださいね!
(※これがあってこそのギターだと思いますので)
■音楽の色々な話をする公式ニュースレターと、ギタリストの為の学習用メンバーサイトもやってます。(※参加は完全無料です)
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