【vol.11】 3つの音を入れ替えてみる~その2~
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こんにちは、大沼です。
長らくやってきた、メジャー、マイナーのトライアドを覚えるトレーニングも今回のテキストで終わりです。
新しいことを覚えるのは大変だと思いますが、今後ギターを弾き続けていった時 、必ずこれらを覚えた意味が分かる時がきます。
“必ず”です。
実は僕自身は、最近やっていたようなトライアドの内容は、高校生の時に覚えました。
その時は、教本に書いてあったものを、使い方も意味も分からずとりあえず丸暗記という状態だったんですが。
で、その練習の効果を実感したのは、音楽専門学校に入ってからなんですよね。
一年生のとき、授業でトライアドを活用したフレーズの内容があって、「あ、あの時やったあれじゃん」という感じです。
まるで進研ゼミから送られてくる漫画の様な展開でしたが、自分から進んで学んだことの効果を実感した時は嬉しかったですね。
過去に、僕の先生(師匠のような人)のレッスンを受けていた時も、トライアドがべースになっているアイディアはガンガン出てきましたからね。
ロックやポップスはもちろん、ややこしいことをやってそうなジャズの人達も、基本的な部分は、トライアドなどのシンプルなコードの理解がベースです。
ギタープレイに限らず、音楽全般に生きてくるものなので、この機会に身につけてしまいましょう。
さて、と言う事で、前回までで、メジャー、マイナー両トライアドの基本形と第1転回形のフォームを学びましたね。
今回は最後の形、第2転回形についてやっていきましょう。
上記3つのトライアドの構成は、低い音から、
・基本形は、root、3rd、5th
・第1展開形は、3rd、5th、root
そして今回の第2転回形は『5th、root、3rd』の順で音が積み重なっています。
繰り返しになりますが、トライアド(と言うか実はコード全般)は、指板上でのコードフォームを覚えるだけでなく、こう言った構成要素を理解していることが大事です。
そこを理解していないと、バッキングやフレーズを作るときにアイディアを活かせなくなりますので。
では今回も、いつも通りのC音ルートでメジャーマイナー両トライアドを見てみましょう。
譜例1、Cメジャートライアド、第2転回形『P5th、root、M3rd』
譜例2、Cマイナートライアド、第2転回形『P5th、root、m3rd』
それぞれの第二展開形が、
『メジャートライアドはP5th、root、M3rd』
『マイナートライアドはP5th、root、m3rd』
の順で音が並び、コードが構成されていることを確認しておきましょう。
さて、これでメジャーとマイナーの、3種類の展開形のトライアドのフォームは全て覚えたことになります。
今まではずっとCルートでやってきたので、他の音をルートにしたトライアドも自分で色々と弾いてみてくださいね。
基本的な考え方は同じですので。
では最後に、トライアドのまとめに入って行きたいと思います。
もう気がついているかも知れませんが、トライアドのフォームは馴染みのあるコードフォーム内に全て収まっています。
図1、メジャー系コード(トライアド)の基本フォーム
赤と濃い青で囲ったフォームは良くある通常のCコードですね。(5弦ルートと6弦ルート)
オレンジのフォームは5弦ルートのCコードポジションですし、緑のトライアドポジションはGのオープンコードと形が一緒です。
そして灰色で囲ったフォームはDのオープンコードと同じ形です。
このように、過去に弾いたことがあるであろう代表的なコードの形の中に、トライアドのフォームが含まれています。
ちなみに、上記の様な、一般的に最初に覚えていくコードフォームで弾かれるコードは大体『トライアド』です。
どういうことかと言うと、トライアド=3和音のことなので、構成音の種類が3つのコードは、実際に楽器で鳴らしている音が4音以上でも、構成音が3種ならばトライアドなのです。
例えば、すぐ上に載せたDコードならば、構成音は4弦からD、A、D、F#となっていて、鳴らしている音は4音ですが、D音が重複しているので、構成音の種類はD、F#、Aの3音です。
実際に鳴らしている音は4つですが、構成音が3種なのでトライアド、と、そういうことです。
コードネームで言えばC、F、G、の様な、アルファベット一文字で現すメジャー系のコードと、Em、Amの様なアルファベットの横に小文字のmだけが付いているコードが、今、学んでいる種類のトライアドを示しています。
(※それぞれ、メジャートライアド、マイナートライアド)
そういったコードネームで現されるコードの構成音を確認してみると、3種類の音しか使われてないことがわかります。
「トライアド=3和音」の基本的な定義としては、root、3rd、5thの組み合わせの3和音の事を指すようなので、覚えておきましょう。
(※よく使われる基本的なトライアドには、上記メジャー、マイナーの他に、ディミニッシュ、オーギュメントの4種類があります。)
さて、ちょっと小難しい話をしましたが、その内詳しく解説するので今は何となくの理解で十分です。
先ほどの大きな指板図ではメジャー系のコードを例にしていますが、同じようにマイナー系の方も確認してみてくださいね。
メジャーと同じように、Cのマイナートライアドならば、Cmのコードフォームの中にほとんどのトライアドが入っています。
では、全てのトライアドポジションを横断的に弾くエクササイズをやって、メジャー、マイナーのトライアドは終了です。
譜例3、Cメジャートライアド、縦移動
これは6弦側から1弦側に向かって、覚えたポジションを縦に移動するエクササイズです。
2つ目のポジションまで譜面にしましたので、残りのメジャーのポジションと、マイナーの全ポジションも同じように練習してください。
譜例3、Cメジャートライアド、横移動
こちらは横にトライアドのポジションを移動していくエクササイズです。
譜例と同じように、これまで覚えた残りのメジャートライアドのポジションと、マイナートライアドの全てのポジションを練習します。
さて、以上でメジャー、マイナーのトライアドを把握するトレーニングは終了です。
今後は以前お話ししたように、実際に曲の中でどう使われているのかを見ていきましょう。
そこで重要なのが、何度もお話しているように、他のトニックでもトライアドを弾いてみることです。
世の中の曲全てが、C音をトニックにしたトライアドを使っているわけではないですからね。
Aのメジャートライアドだったり、Bのマイナートライアドだったり、曲によって様々です。
ペンタと同様に、トニックをずらせばフォームは同じまま、全てのトニックでのトライアドが弾けます。
とにかく思いつく限り、色々なものを弾いてみてください。
「今日はDでやってみよう」、「今日はE♭でやってみよう」とか、そんな感じでOKなので。
その際に重要なのが、どの音がそれぞれroot、3rd、5thにあたるのか?という部分です。
これを把握していないと、練習の意味がありませんのでちゃんと意識しておいてくださいね。
では、今回は以上です。
ありがとうございました。
大沼
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