『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

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#10 すべての人が一発目から最高のフレーズを作れるわけでは無い

どうも、大沼です。

昨日の記事では、それなりに厳しくも、しかし、いつの日か(もしくは今すでに)、決して無視はできなくなるであろう、多くの人が本音で抱えているはずの問いをしましたね。

ただ、もしかしたら、

『とにかくアドリブとは難しいもの、高度なもの」

というような印象を受けてしまっているかもしれないので、決してそんなわけではない、ということをお話ししていきたいと思います。

で、今回のタイトルなのですが、

『すべての人が一発目から最高のフレーズを作れるわけでは無い』

これです。

もう、音楽でもなんでもそうなのですが、特殊な技術を使う分野を思い浮かべるとき、ほとんどの人がイメージするのは、大体、
『トップレベル』
の状態なんですよね。

たとえば、音楽で「アドリブができる」という状態ならば、その言葉を聞いてイメージするのは、自分の思い通りにスラスラとフレーズが出てくるような、「ほぼトッププロ」みたいなレベル。

たとえば「英語が喋れる」ならば、日常のあらゆるシーンで、淀みなく言葉が出てくるような「ほぼネイティブ」みたいなレベル。

で、極端に言うと、そういった「上級者やプロ」より下のレベルはすべてダメ、みたいな。

そんなイメージ。

まあ、これらはちょっと大げさな表現になってしまったかもしれませんが、世の中を見ていると、そういった、ある種の強迫観念や、完璧主義的な思考になりやすい人が多いと思います。
(※これは僕も油断するとすぐになるので気を付けています)

要するに、「俺にはまだ早いんじゃないか?」とか、「こんな演奏では恥をかくんじゃないか?」とか、やる前から色々と考え込んでしまうわけですよね。

ですが一度、冷静に考えてみたらわかる通り、トップレベルまで到達してなくても、誰しも、当たり前に演奏を楽しむことはできますよね?

そして、それぞれがそれぞれのレベルで体験できる成長過程があり、体験できる喜びがあるわけです。

というか、初級者に近ければ近いほど、「これからどんどん上手くなれる」ということでもあるので、これはある種、最強のメリットとも言えるかもしれません。

普通は、上にいけばいくほど、突き詰めるのはものすごく微細な領域になっていき、それに伴って、中々成長実感が得られなくなっていくものなので。

仮に野球でたとえれば、イチローのようなトッププレーヤーが日々の練習から得ている成長実感と、最近野球を始めたばかりの子供が毎日どんどん上手くなっていく実感には、かなりの差があるはずです。

これ、単純な楽しさで言えば、おそらく子供の方が毎日楽しく、毎日幸福を感じているでしょう。
(※本当にトップクラスにいる人の練習というのは苦行に近いですから苦笑)

もちろん、上手ければ上手いほど楽しめる事も増えてくるとは思いますが、僕が言いたいのは、

『いい意味でもっと気楽に、今の自分に合った領域に取り組み、
 その過程を全力で楽しむのが大事なのでは?』

ということです。

『アドリブができるようになる』、というのは、必ずしも、「難しいテクニックを繰り出せるようになる」とか「高度で複雑なフレーズを生み出せるようになる」という事に限らないわけですよね。

それらは発展形だったり、枝葉の話であって、根本的な部分とはベクトルの違うものなのです。

アドリブができるようになる、というのは、大きくまとめてしまえば、

『音楽と言う体系を通して、
 (僕らは主にギターを使って)自分なりの表現が
 できるようになる』

ということなのだと僕は思っています。
(※実際は作曲も同じですね)

よく、良いアドリブは、

『まるで会話をしているような(演奏)』

というような表現をされていることがありますが、他のスゴイ人と同じようにできるかどうかではなく、まずは、

『自分の言葉で』

会話ができるようになればいいはずですよね。

一部の楽曲やジャンルを除き、アドリブとして繰り出されるプレイと言うのは、どんなプロでも、どんなアーティストでも、大半が『シンプルなもの』です。

僕たちも、そこから始めたらいいのです。

テクニック的にも、いきなり難しいことをしようとせずにシンプルなものでよい。

もしかしたら、僕らギタリストは、超絶ギターインストや、ギター史に残るであろう名曲などの印象ばかり残っているから、アドリブというものがすさまじく難しいものにみえるかもしれません。

ですが実は、どんな一流のプレイヤーでも、僕らと同じく相当な量の試行錯誤をしているのです。

(※例えば、クラシックのジャンルで偉大とされる作曲家でも、オリジナルの楽譜には、膨大な書き直しの跡がみられるそうです)

それくらい、
『一発目から、最高のものができていなければいけない』
『“良い”というレベルに達していないと、やってはいけない』
などというイメージは害でしかないのです。

なので、少しでも「やりたい!、やってみたい!」と感じるならば、とにかくやってみる。
失敗上等で、安心して自分のフレーズ、プレイを作りまくる。

ただ、それでも最初は上手くいかないか、納得がいかないでしょう。

ですが、それで良いのです。ひたすら繰り返してください。

別に期限とクオリティに責任の発生する「仕事」でもない限り、どんな演奏をしても、誰もあなたを責めませんし。笑

先に「完璧主義をやめる」という話をしましたが、作り上げるものは本当に何でもいいのです。

それを使うかどうか?は、後からいくらでも判断できますから。

こうやって、試行錯誤を繰り返すことによって、前回言ったような、『音楽的な判断力』は上がっていきます。

小さな行動やチャレンジでも、そのすべてが成功で、あなたの能力として積み上がっています。

「アドリブとか自分にはまだ早い」みたいな話って、実はないんですよね。

少なくとも、そのカテゴリーにおいて、『今の自分のレベルで取り組めること』は絶対にあります。

初心者なら、たとえば鼻歌でアドリブとかでも良いですよね。

そして、気に入ったフレーズやアレンジが思いついたら、コピーしている曲の中とかでちゃんと使う。

忘れないようにメモとかもする。

取り合えず、クオリティのことは無視です。

後で考えましょう。笑

ただやはり、前にもお話ししたように、本当にアドリブをやりたいのなら、今からやっておかないと、いつまで経ってもできるようにはならないのです。

とにかく出してみないと、身につかないし、頭にも入らないですからね。

重要なのは、いきなり完璧なものが出せないからといって落ち込むのではなく、少しずつ、少しずつ、ブラッシュアップしていく感覚です。

世間ではよく『何もやらないのが一番の失敗』といわれますが、なんだかんだ、これは真理なんですよね。

だからこそ、普段から小さなチャレンジを繰り返してストックを作っておく。

自分の出したものやプレイに、自信が持てない、納得がいかないのなら、知識や方法論なども学んで強化する。

好きなギタリスト、アーティストをもっと研究してみる。

気楽にチャレンジすることと、真剣に学ぶことの両方の視点を持ち、シンプルに、今の自分にできることを積み上げていきましょう。

それでは、今回は以上になります。

次回【#11 上手くなる最善の道『とにかく自己投資』の感覚を持つ】に続きます。

ありがとうございました!

大沼

P.S.

今回の内容は、僕が僕自身によくいい聞かせていることでもあります。
とにかく、ビビらずに、積極的に動くことを意識していきたいですね。

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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