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  1. 音楽理論マスター講座【ギターと音楽の教科書】
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【ギターと音楽の教科書】vol.17『全ては“Cメジャースケール”から始まる 』

【vol.17】全ては“Cメジャースケール”から始まる

(※この記事の講座を含む、現在配布中の無料教材(総数10講座~、合計1000p~)のダウンロードはこちらのページから可能です)

どうも、大沼です。

ここ数回に渡って、最近学んでいたペンタやトライアドが実際に使われている譜例をやっていましたね。

あのプレイもこのプレイも、ペンタだったりトライアドだったりして、この2つがどれほど世の中で使われているのかを実感してもらえたかと思います。

講座でピックアップしたフレーズ以外にも死ぬほど事例はありますので、新しく曲をコピーすればするほどどんどん出てくるでしょう。

と言う事で、ペンタやトライアドにはそれなりに慣れてきたと思うので、今回から新しい理論(楽典)の解説に入っていきます。

で、タイトルにもある通り、まず最初に覚えるのは『Cメジャースケール』です。

音楽理論は、Cメジャースケールを基本にして理解するのが最もわかりやすく、その概念を元に他のスケールやコードの仕組みを考えて行く事になります。

逆に言えば、『Cメジャースケール』の仕組みをしっかり理解していないと、他の事がさっぱりわからなくなる、とも言えますね。

ここをしっかり把握することによって、先に学んでいた、ペンタやトライアドの本当の意味も理解できてきます。

ならばなぜ、先にメジャースケールをやらなかったのか?というと、スケールやコード論などの楽典が、どれだけ楽曲に活用されているのかを先に体感してもらう為でした。

なので、譜例を色々とやってきましたね。

プロや上級者は、当然、今学んでいる様なことは知っているので、“音楽をやる上でのルール”として、ちゃんと知識を使っています。

そして、実際にそれが使われている様子も譜例として見てもらいました。

これまで、プレイ面(ギター奏法)や音楽の聴き方などでは、少し『上級者』的なポイントをお話してきましたが、ここからは『上級プレイヤーが活用している音楽理論』も含めた領域に入っていきます。

これから学んで行く事をしっかりと身につけることによって、高度な演奏の作法やアドリブ論、作曲法などを『自分で考えること』が出来るようになります。

この『自分で考えることが出来る』というのがポイントで、それは要するに、他のツールを使わなくても『自分の能力のみで出来るようになる』ということですよね。

『自分の力で、理論やらなにやらを活用出来るようになる』と、そう言い換えてもいいですね。

例えば、この講座は、僕が一人で全て作っていますが、譜面にしたフレーズ、コードは全て採譜していますし、文章もその都度、解説としてベストであろうものを考えて書いています。

これはなにも、僕がスゴイとか、そういうワケではなくて、これからこの講座であなたが学んでいくことを、もうすでに学んでいるから『自分の力で出来る(作れる)』という、ただそれだけのことです。

もちろん、自力(独学)で1から10まで勉強してこのレベルに到達したわけではなく、音楽学校で学んだことや先生(師匠)から教わったことが生きています。

この講座の内容は、授業や先生から学んだことをそのまま伝えたり、わかりやすくアレンジして伝えたり、はたまた自分で0から作ったりと様々です。

こういうことが可能な状態なのが『自分の力で出来る』と、そういうことです。

この講座で学ぶことによって、あなたにも、『自分の力で出来る』ようになってもらいたいと、そう思っています。

それでは、前置きが長くなりましたが、基本中の基本『Cメジャースケール』についてやっていきましょう。

まずは、実際にギターでスケールを弾く前に、『Cメジャースケールと言う“言葉”』の意味から考えてみましょうか。

構成している単語を見てみると、『C』、『メジャー』、『スケール』の3つの言葉から成り立っている事がわかります。

まず、『C』はトニックがC音である、ということを表していますね。

「トニック」とは「主音」、要するに基準、基点とする音の事でした。

「Cコード」の時は、C音は「ルート(root)、(根音)」でしたが、「Cなんちゃらのスケール」を見るとき、C音は「トニック(主音)」として考えます。

次に、『メジャー』は、音楽用語としては、ほぼ『(聴覚的に)明るい(感じ、響きを持つ何か)』という意味で使われています。
(※細かい事を言えば、音程的な話にも繋がってきますが、それは後ほど。)

最後に『スケール』は『(日本語訳として)音階』ですね。

『音階』とは、その名の通り、『音が階段状に並んでいる』という事でしょう。

言葉のイメージとしては、五線譜を見てもらえればわかりやすいはずです。

低い音から高い音へ(もしくはその逆も)、音が階段状に並んでいますね。

なので『音階』と呼ぶ、と。

まとめると、Cメジャースケールとは、
『C音をトニックに設定した、(音楽的に)明るい音階』
と、そういう事になります。

以前もお話しましたが、音楽用語は、そのまんま「状態を言葉で表しているだけ」である場合が多いです。

良くわからない用語が出てきたら、その用語を構成している単語の意味を調べてみると、スッと理解できたりします。

さて、「Cメジャースケール」が「C音をトニックに設定したメジャースケール」であるならば、C音以外の音をトニックにしても、メジャースケールが成り立つことになりますね。

例えば、Dメジャースケールでも、G♭メジャースケールでも良いわけですから。

じゃあ、トニックがどの音になっても変わらない、『メジャースケール』というもの。

これはいったい、何をもってして『メジャースケール』と呼ぶのか?

その辺りを、今回の題材である『Cメジャースケール』を参考に、『メジャースケール』の仕組みを読み解いて行きたいと思います。

Cメジャースケールは、指板上の色々な場所で弾けますが、とりあえず、C音から順番に音が並んでいて、構成が見やすい2弦上で弾いてみましょう。

特に細かいことは気にせず、普通に弾いてみてください。

弾いてみればわかると思いますが、メジャースケールは7音で構成されています。

実際の構成音としては、C、D、E、F、G、A、B(ドレミファソラシ)で7音ですね。
(最後のドはオクターブ上のドなので、トニックと同じと見る)

さて、もしあなたが独学でスケールなどを学んでいた場合、『Cメジャースケール』は『ドレミファソラシ(ド)』なんだよ、と、そういう解説をどこかで聴いたことがあるかもしれません。

この解説は、一応、正しいといえば正しいのですが、メジャースケールの解説としては言葉が足りなすぎると思います。

これではなんだか、『ドレミファソラシド』だけがメジャースケールのような気もして来ますし。

『Cメジャースケール』=『ドレミファソラシ(ド)』と言う解説だけでは、理論的にメジャースケールを理解することはできません。

で、ここで、メジャースケールをちゃんと理解する為に重要になってくるのが、『インターバル』という概念。

この『インターバル』とは、『ある音とある音がどれくらい離れているのか?』を、数字(と少しのアルファベット)で表したものです。

実はインターバルについては、もうすでに、少しだけ講座でやっています。

以前、3rdと5thの位置を覚えましたね?

あれの3rdとか5thとか呼んでいるのは、トニック(ルート)から、その音がインターバル的にどれだけ離れているのか?ということを表したものです。

見ての通り、数字が大きくなるほど、トニック(ルート)から離れている事になります。

きっと、練習譜例で弾いているので、実感があることでしょう。

で、先ほどの指板上で弾いた音に、仮に番号をつけるならば、こうなります。

(※2弦上の音に番号をつけています)

以前やった、3rdと5thの把握の時と同様、C音から見た場合、3番の3rd(M3rd)にはE音、5番の5th(P5th)にはG音が来ていますね。

と、言うことは、もしあなたが、「C音から見て、M3rdにあたる音は?」と人に聞かれたとき、インターバルのことがわかっていれば、「E音」と、パッと答えられるわけです。

この様に、ある音とある音の距離(どのくらい離れているのか?)を、一発でわかるように、数字(とアルファベット)で表したモノが『インターバル』です。

さて、3rdと5thの位置の把握の時、発展的な練習として、「C音以外の音もトニックにして、練習譜例を弾いてみて欲しい」と言いました。

それをやってみたらわかると思いますが、別にどの音をトニックにしてみても、トニックから見た3rdと5thの位置は変わらないわけです。

それと同じように、メジャースケールも、どの音をトニックにして弾き始めても、インターバル的に音の並び方は変わりません。

要するに、どの音をトニックにして弾き始めても、7音が同じような間隔(インターバル)で並んでいる、と言う事です。

ならば『メジャースケール』とは、『トニックから、“メジャースケールの音の間隔”で音が(階段状に)並んでいるものである』とも言えますよね。

ちょっとこの解説だけだとわかりにくいかも知れないので、そこの所をもう少し詳しく説明します。

まず、この指板図がありますね。

ギターは半音間隔でフレットが打ってあるので、1フレットで半音、2フレットで全音(1音)、音程が上がります。

このCメジャースケールを見てみると、CDEFGABの各音の距離は、

C⇒全音⇒D⇒全音⇒E⇒半音⇒F⇒全音⇒G⇒全音⇒A⇒全音⇒B⇒半音⇒(C)

となります。

この、トニックから『全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音』の間隔(インターバル)で音が並んでいるものを『メジャースケール』と呼ぶのです。

理論書などを見ると、上の解説の「音」の字を省略して『メジャースケールは、全全半全全全半のインターバル』などと書いてあったりしますね。

なので、『“ドレミファソラシ(ド)”がメジャースケール』というよりも、

『トニックに設定したC音(ド音)から、メジャースケールの“全全半全全全半”の間隔で音を並べると、実際に鳴らしている音は“ドレミファソラシ(ド)”になる』

と言う順番で考える方が正確なのです。

と、言う事で、スケールをカテゴライズするときは、インターバルで判別しなくてはなりません。

『トニックから“全全半全全全半のインターバル”で音が並んでいる音階』

それが『メジャースケール』です。
(※細かい事を考えれば、他にも要素は色々言えますが、とりあえずこの認識で十分です)

メジャースケールを弾く場合は、どの音をトニックにしても、必ず上記のインターバルになります。
※例、Dメジャースケール

※例、Fメジャースケール

(※譜面作成ソフトの都合でA#音が表示されていますが、正しくはB♭として見ます)

どちらも、トニックから、全全半全全全半のインターバルで音が並んでいますよね?
(※視覚的にスケールを把握しやすい場所を赤で囲っています)

これが『メジャースケール』なのです。

後は「メジャースケール」の先頭に、その時のトニックの音名を付けるだけ、と。

なので、C音がトニックだったらCメジャースケール、D音がトニックだったらDメジャースケール、とそう言う事です。

さて、最後に、今回学んだ3つの事をまとめましょう。

まずは、メジャースケールは7音で構成されていると言う事。

次に、『インターバル』とは、ある音とある音の距離を数字(とアルファベット)で表したものである、と言う事。

最後に、メジャースケールとは、『トニックから、全全半全全全半のインターバルで音が並んでいる音階』のことである、と言う事。

この3つを覚えておいてくださいね。

では、今回は以上になります。

ありがとうございました。

大沼

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


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