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【ギターと音楽の教科書】vol.43『インターバルからの逆算 ~その1~』

【vol.43】インターバルからの逆算 ~その1~

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※前回vol.42はこちら

こんにちは、大沼です。

ここ最近、ダイアトニックコードのそれぞれの役割や、コード進行の鉄板の形(終止形、ケーデンス)、サークル・オブ・フィフスなど、楽曲のコード進行に関する知識を学んできましたね。

今回は、それらの知識を実戦形式で使う訓練をしてみましょう。

何をやるのかと言うと、タイトルにもある通り“インターバルからの逆算”です。

要するに、楽曲のコード進行の度数(インターバル)がわかっている場合、そこに、とあるkeyを設定すると、そのコード進行は実際にはどうなるのか?と、言うことを導き出す訓練です。

このスキルは特に、自分のオリジナル曲を作る時や、何か曲を弾いたり歌ったりしていて、今のkeyが合わない時、移調する(keyをずらす)時などに使えるものです。

まあ、実際の所、全てのスキルと知識は大本で繋がっているので、何をするときにも使えるんですが。

この講座をずっと受けているあなたならば、今回の内容をやってみれば感覚が掴めると思います。

では、始めていきましょう。

今回分析するコード進行は3つです。

さっそく見ていきましょう。

譜例1

譜例2

譜例3

これらの8小節×3パターン、計24小節を分析していきます。

インターバルを見てみると、ダイアトニックコードに含まれていないものもありますが、そういった場合は、インターバルのローマ数字に忠実に音を合わせればOKです。
(※その辺りは後で解説します)

で、設定するkeyなのですが、まずはお馴染みのkey=Cでいきましょう。

この、keyが決まった時点で、上の譜面を見ながらある程度弾ける人もいるかも知れませんが、そうではない場合、以下のような順番で作業してみましょう。

1、そのkeyの基準となるダイアトニックスケールを導き出す。

2、keyと、そのkeyの基準となるスケールから導きだされる、ダイアトニックコードを把握する。

3、ダイアトニックスケールの構成音と、ダイアトニックコードをインターバル的に見た場合、どれが何度のものになるのかを把握する。

4、上の譜面のインターバルに当てはめる

と、こういう順番です。

コードを当てはめたら、普通に譜面の通りに弾いてみます。

この時、弾き方は何でも良くて、適当なコードストロークで十分です。

この訓練そのものは、テクニックを鍛える為のものではなく、これまで覚えた知識と実際のギタープレイの擦り合わせで、後はそれらを耳で確認するのが目的です。

なので、スムーズに弾ける様になるのは後回しで良いので、

・今、鳴らしているコードが、keyに対して何度に当たるダイアトニックコードなのか?

・そして、そのコード進行の響きはどんな感じなのか?

これらを意識して、取り組んでみてください。

では、次のページから解説に入っていきますが、まずは力試しということで、自力でやってみましょう。

さて、どんな感じでしょうか?順を追って見ていきましょう。

まず、key=C時の基準スケールはCメジャースケールで、構成音はC、D、E、F、G、A、Bの7音、それをインターバル的に見るとこうでしたね。

Ⅰ、C 
Ⅱ、D
Ⅲ、E
Ⅳ、F
Ⅴ、G
Ⅵ、A
Ⅶ、B

そして、Cメジャースケールの構成音から導きだされる
ダイアトニックコードは以下ですね。

Ⅰ、C (CM7)
Ⅱ、Dm(Dm7)
Ⅲ、Em(Em7)
Ⅳ、F(FM7)
Ⅴ、G(G7)
Ⅵ、Am(Am7)
Ⅶ、Bm(♭5)(Bm7(♭5))

と、ここまでの、ダイアトニックスケールとダイアトニックコードの両者を導き出したところで準備が完了します。

そうしたら、譜面に書いてあるローマ数字のインターバルに各コードを合わせていきます。

譜例1からいきましょう。まず最初の3小節はⅠ(1度)のコードですね。

key=C時のⅠのコードは「C」なので、3小節Cコードが続く事になります。

4小節目はⅥm(シックスマイナー)のコードなので、6度に対応するコード「Am」がきますね。

次の5~8小節目の進行は、

Ⅴ→Ⅳ→Ⅳsus4 →Ⅰ

となっており、これをkey=Cのダイアトニックコードに当てはめると、

G→F→Fsus4→C

という進行になります。

Fsus4は、純粋なコードの構造的にはダイアトニックコードから外れますが、今はとりあえず気にしなくて良いです。

ここまでをまとめると、譜例1はkey=Cの場合、このような進行になりますね。

譜例1、key=Cの場合

続いて譜例2にいきましょう。譜例2は合計3つのコードが出てきます。

・1~4小節目のインターバルは、Ⅵm→Ⅳ→Ⅵm→Ⅳ

・5~8小節目のインターバルは、Ⅵm→Ⅳ→Ⅱ7→Ⅳ

なので、これにkey=Cのダイアトニックコードを当てはめると、

Am→F→Am→F
Am→F→D7→F

と、このような進行になりますね。

譜例2、key=Cの場合

これも、D7が、key=Cの純粋なダイアトニックコードからは外れますが、良くあるアレンジの一種なので、今は気にしなくてOKです。

と、このような感じで、インターバルから見て、keyに対応したダイアトニックコードを当てはめていきます。

長くなってきたので、今回はここまでにしておきましょう。

この様な、keyに対するインターバルとダイアトニックコードの、お互いの関係性を見ることが出来るようになると楽曲の分析が凄まじく速くなります。

進行全体の把握から、耳コピ、転調、移調と、様々なスキルの基礎になるのでじっくりとやっていきましょう。

特に最初は、インターバルの数字とコードを照らし合わせるのが難しかったり、ローマ数字が見にくい(と言うかパッと見で判別しにくい)と思いますので、徐々に目を慣らしていく感じで取り組んでください。

最後に、実は、今回例に挙げているコード進行のインターバルは、とある曲が元ネタだったりします。

解説をしやすくする為に、原曲とは違い、このテキストではkey=Cに変えていますが、その曲を知っている場合は、コードを弾いていたら何の曲かわかるかも知れません。

その辺りを含め、譜例3と共に、次回、解説していきたいと思います。

ありがとうございました。

大沼

※次回vol.44はこちら

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



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この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

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