『知識と感情を融合させた表現が出来るギタリスト』になる為の Intelligence & Emotional Guitar

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逆に、ギターの腕前が全く上達しない、良くない練習とはなんだろう?

どうも、大沼です。

最近の記事では、上達のために必要な、

『時間、思考、エネルギー、金銭面での自己投資』

の考え方だったり、昨日は、

練習において、筋力的な負荷もちゃんと掛けること』

が重要だという話をしましたね。

ならば、今回は逆に、

『全く上達しない練習、良くない練習とはなにか?』

について考えてみたいと思います。

大きくまとめると、大切なのは「ちゃんと考えること」なのですが、その辺り、詳しく見ていきます。

では、いってみましょう。

■1、解決すべき問題点が明確でない練習

まずはこれですね。

仮に、いつもやっていることがあるとして、その練習は、

『どんな能力を身につける、または鍛える(向上させる)ためのものなのか?』

がはっきりしていない場合、思っているような効果が得られないことが多いでしょう。

例えば、『スケール練習』とひとことで言っても、

・新しくポジションを覚える(新規の記憶)

・あるポジションをそらで、ミスなく安定して弾けるようにする(記憶の強化)

・あるポジションを使ったフレーズを弾けるようにする(主にコピーしたもの)

・あるポジションを使ったフレーズを新しく作る(主にオリジナル、実践、発展、アドリブ)

・両隣のポジションと組み合わせてみる(使えるポジションの拡張)

・上昇&下降フレーズのスピードとクオリティのアップ(速弾き&テクニカルプレイ寄りの練習)

・対応するダイアトニックコードとの関連性を把握する(理論、フレーズ構築)

・理論的に、どんな時に、どのように使えるか?を研究する(理論、アドリブ、作曲、アレンジ)

などなど、ざっと、これくらいは種類がだせます。

テクニック面でも、

・あるポジションを、単にミス(音の間違い)なく弾けるようにするのか、

・不要弦のミュートやピッキングのタッチ、
 トーンの安定感を向上させるために繰り返すのか、

では、練習としては少し違いますよね。
(※とは言え、これらは全て同時に気を付けていることも多いと思いますが)

スケールに限らず、コードでもストロークでもカッティングでも、それこそコピーする対象を選ぶのでも、

『今、自分は、どんな問題を解決するために、どんな能力を向上させるために、この練習をやっているのか?』

と、この辺りを明確にしているのといないのとでは、時間を有効につかえるかどうか?に大きく差が出るでしょう。

ただ、コピーする対象に関しては、

「ある技術をマスターする為に曲を選ぶ」

という理由の他にも、

「単純にその曲が好きで弾きたいから」

という基準でも全然構わないと思います。

やはり、好きな曲を弾くのは楽しいですからね。

逆に「特定のスキルアップのために狙って曲を選ぶ」というのは、かなり合理的な方法で、少し上級者向けかも知れません。

(※そもそも、楽曲や、そこで行われている演奏に対しての 観察眼が必要になってくるので)

ただ、「楽しい」のは良いのですが、あまりに「なんとなく」繰り返しているだけだと、もしかしたら、練習の効果が薄くなっているかもしれません。

その辺り、限りある「時間の投資」としては無視できないポイントです。

■2、惰性での練習

これは、上の1とも関連しているのですが、特に、ある程度ギターが弾けるようになってくるとやりがちです。

すでに何度も弾いてきた、何も考えずに弾ける曲、手癖になっているフレーズ・・・。

慣れ親しんだものでも、そこの中に、新たな要素(チャレンジ)があればいいのですが、もし、それがない場合。

要するに、時間だけかかっていて、

『“練習すること自体”が目的になっている練習』

ですね。

「今日は2時間練習したぞ」みたいな、重要視しているものが「その練習の目的や効果」ではなく、もしかしたら
あまり上達には繋がっていないかもしれない状態で満足してしまう、と。

とは言え、2時間も弾き続けていれば、最低でもスタミナくらいは上がるので、まったく成果がない、ということもあまり無いとは思いますが・・・。

ただ、厳しい事を言えば、「練習」というものを、

「今出来ない事を、出来るようにするためのもの」

とするなら、その行為が成長や向上に繋がっていなければ、そもそも「あまり練習にはなってない」とも言えそうですね。

実は、この辺りについては、

「超一流になるのは才能か努力か?(※)」

という書籍で、「限界的練習」というものが提唱されているんですよね。

(※様々な分野で一流以上の実力を持つ人が、 どのようなことをやってきたのか?について研究した書籍です)

この「限界的練習」について簡単に説明してしまうと、要するに、

『今の自分に、ギリギリ出来るかどうか?といった、絶妙に限界を超えていくような負荷を掛ける』

と、そういった練習をすることですね。

例えば、僕が、6連符速弾きのスピードアップをしたいとして、今、BPM100くらいが限界なのであれば、まず考えるのは、

・BPM90~100くらいでの、演奏のクオリティアップ

(※タッチの強弱の安定、ミスする確率を減らす、1音1音トーンを美しくする、などに気を付けてさらに良くしていく)

・BPM100~110くらいへのスピードアップ

あたりになります。

まあ、当たり前といえば、当たり前のメニューなんですが、このように、

『自分が上達する為には、これから何をして行くべきなのか?』

が明確になっている、というのは強みですよね。

この2つの練習は、どちらかといえばテクニック(身体強化)面のものですが、

新しいスケールやコード、楽曲を覚えるなどの、知識面のトレーニングでも、今の限界を少し超えるくらいの負荷をかけていく事が大事です。

よく言われる話ですが、やはり、

『現状維持は、実は退化』

なんですよね。

同じ曲やフレーズを繰り返すにしても、何かしらの、「今、上手くできない要素」を加えて行かないと、真の意味で上達や成長には繋がりにくい、と。

■まとめると『思考の放棄』はマズい、ということ。

さて今回、「良くない練習」として、2つほどあげましたが、これらは、未だに僕自身も、油断するとしがちなことです。

世間には「努力は必ず報われる」という有名な言葉がありますが、実際は、

『不適切な努力』

だと、報われないことも多々あるわけですよね。

ギターに限らず、どれだけやってもうまくいかない、なんてことは、普段の生活の中でも見受けられることです。

結局、この原因はなんなのかといえば、

『その対象への思考を放棄している』

ということなんでしょう。

もちろん、なんとなーく始めてみて、上手くいくこともあるにはありますが、最初から最後まで、全てがスムーズにいけてしまう超幸運な人も中々いませんよね。

なのでやはり、物事をよく観察、研究し、適切な努力や行動を選び取っていくことが、無駄なストレスなく、成長していく秘訣なのでしょう。

ただこれは、完璧主義的に、

「成果が確実に得られるもの以外やらない」

ということとは少し違います。

どうしても、

「実行してみないとわからないこと」

というのがありますので、この辺りのトライ&エラーはバランスですね。

おそらく、本当の失敗とは「変化がないこと」であり、なにかに取り組んでみて、

「これは上手くいかないことがわかった」

のであれば、失敗サンプルが一つ増えているので、それは「変化している」と言えるでしょう。
(※なんだかエジソンの逸話みたいな話になりましたが笑)

そういう時、落ち込むのではなくて、

「あ~、これは上手くいかないんだな。じゃ次行こう」

と、さっさと気持ちを切り替えて、先に進んでしまえば、確実に良い方向に向かえますよね。

そういった「自分の経験を深めること」と、学習などから得られる「外部の情報」を掛け合わせて、適切な努力を見つけ出していくことが、最強の上達法であり、自分の望みを叶える方法なのでしょう。

と、いうことで、今回は以上になります。

自分が行った事に対して順調に結果が出れば、やはりなにをやっても楽しいはずなので、油断せず、丁寧に、日々取り組んでいきたいところです。

それでは、また次回。

ありがとうございました!

大沼

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プロフィール

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名前:大沼俊一

ギタリスト、音楽家、ギター講師



~全てのギタリストに音楽の基礎教育と、
音楽を学ぶ事の楽しさを~


このブログでは「僕自身が独学で学んでいた頃、こんなことが知りたかった」と言うテーマで発信しています。

音楽そのものの構造を何も理解せずに、がむしゃらにコピーをしていくのもありと言えばありですが、どうしても練習効率が悪くなりがちです。

この先、どんなジャンルに進むにしても必ず役に立つ、ギタリスト必修の知識を、早い内に身に付けてしまいましょう。

ギターテクニックと、感性、知識、音楽理論を結び付ける事が、圧倒的な上達スピードを生み出す秘訣です。


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